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#分解のススメ 某国のロボットを分解してみました

ロボット関係の仕事をしているかたなら目にしたことがあると思われる割とポピュラーなロボットを分解用に提供いただけたので、分解してみました。

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(今回、分解したのは、右側の拍手をするロボット「ビッグクラッピー」ではなく、左側の某国のロボットです)

某国のロボット、という表現なのは、記事で紹介させていただく条件として、国名、商品名を出さないことがあったためです。世界的にかなり売れたロボットのひとつではないかと思います。

私は以前、CerevoでTipronというプロジェクターロボットを海外で販路開拓していましたので、このロボットもドバイや、いろいろな所で目にする機会がありました。

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(フランス パリの市庁舎にて)

このロボット現地では10万円程度で購入できたそうですが、よくこの価格で製造できるな、と分解を通していろいろな工夫が見えてきました。

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別の予定で、解体開始時刻から遅れてしまったため、途中から分解に参加しています。上部と、サイドの腕はすでに取り外されています。

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ロボットの背面から見た骨組み。センターにある大きなスピーカー。メインの基板もセンター部分に配置されていました。

メインの基板と、主に音声周りを処理していると思われる基板の2つがありました。

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この一番大きなICはなんだろう....精細な画像を撮り忘れていました。STM32Fシリーズのようですね。STM32F207XXT6のようにみえますので、VET6か、ZCT6かVGT5かET6、ZGT6あたり。価格は$12-$14/個くらいです。Cortex-M3 32-Bit 120MHzのICで、メモリが1Mx8か、あるいは512Kx8かのどちらかでしょうね。このくらいの性能のチップで動作させられているんですね。

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ロボットにも役立つカメラインタフェースがあるもののようですね。

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メイン基板にあったもうひとつ小さなARMチップはSTM32F103VCのようでした。おそらくメモリ256K。

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こちらサブ基板。中央にはST microのARCのチップSTM32F103ZDT6のようですね。こちらもう販売されていないようですが、おそらくその後継のSTM32F103ZET6は、Digikeyで$11.72/個でした。Cortex-M3 32-Bit 72MHz 384KB FlashのIC。

画像5こちららがおそらく144ピンのもので、メイン基板のほうのSTM32F103は100ピンですね。

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その左下のVoice icore FTN256が音声処理のチップのようです。そのすぐ斜め右上にあるのがZigbee用の無線通信モジュール。

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ちょうど骨組みの中央部にUSBハブが。基板と上部のカメラや、マイクなどを神経のようにUSBケーブルで接続されていました。

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そのUSBケーブルが脊髄が神経をとおているように、首から頭部に。こちらが首をバラバラにした様子。中央をケーブルが何本も束ねられていて通っています。

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こちらが頭部のサイドパネルを開いたところ。下からのUSBケーブルが接続されています。

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頭部には下のパーツが入っていていて、首を通ってきたUSBケーブルが、頭部で90度方向をかえて接続できるようになりました。最初、これはハブかな?と思いましたが、ただたんに、上は上2つのUSBポートを繋げていて、下は下2つのUSBポートを接続しているだけのものでした。

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少し戻って、頭部の横のサイドパネル。

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右サイドにLEDが配置されていて、アクリルパネルを通して光るようになっています。

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これは頭部の脳天を開けたところ。緑色の4つのパーツはそれぞれマイクでした。これで音声の方向とかがわかるわけですね、おそらく。

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マイクパーツの表側。

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底部のオムニホイール。これだけでも結構お金がかかりそうですが。こちらのロボット、本国では卸価格で1000ドルを切っていたようなので、よくこの価格で作れるなーと思ってしまいます。

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ロボットの顔のフロントフェイスをとったところ。2枚のパネルが目のドットを表示します。

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こちらがそのパネル部品。2.4インチ、128x64ピクセルの黄色単色のもののようですね。右上に貼られたシールから、2016年9月に製造されたものであることがわかります。

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似たようなパーツをAliexpressで見つけることができましたが、単色発色のものはなく、フルカラーのものしか見つけられませんでした。製造から4-5年で市場から消えてしまうんですね。フルカラーのものだと$14.70。

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こちらはフロントフェイスの裏側。USBケーブルで接続するカメラパーツが上部についていました。

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こんな部品です。

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正面からみたところ。左右の端に配置されているのはマイクですね。頭頂部の4つのマイクとあわせて、合計6つのマイクが使われています。

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おそらくこちらの製品の中身ですね。単体でこちらは3万円ほどで販売されています。このロボットで使われていたものは、世代も古いでしょうし、スペックも今販売されているよりも落ちるかもしれませんが、現地での仕入れ値はいくらくらいなのか気になりますね...

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ロボットの後頭部。ミニプロジェクターが内蔵されています。

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ミニプロジェクターの基板にはSONYのロゴが入ったチップが!

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ひととおり、分解を終えて、最後は魯肉飯をいただきました。

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次はこわれたpepperをいただいたので、pepperを分解する予定です。今度は時間をかけて、動画などもじっくりとりながら、分解してみたいと思います。

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こんな目をされると分解するのを躊躇しちゃいますが...

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