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教室はハプニングの起こるところだ

教室はハプニングの起こるところです。いきなりこんなことを言ったら、「えっ!」と思うかもしれません。でも、教室というところは、実はハプニングが起こることにこそ本質があるのです。

考えてもみてください。常にしっかりと、計画的に物事を進める子どもたち……。喧嘩もしなけりゃいたずらもしない子どもたち。怒りもしなけりゃ泣きもしない子どもたち。ハプニングをなにも起こさない、おとなしい子どもたち。そんな子どもが世の中にいるでしょうか。給食の食器が割れる。ちょっとしたことで喧嘩が起きる。あまりにも忘れ物が多くて、授業が進まない。そんなことはあるに決まっているのです。

大切なのはそうしたハプニングが起こったときに、教師が心に余裕をもって指導することです。子どもたちだって、やる気でやったわけではないのです。怒鳴るのでなく、ネチネチやるのでもなく、子どもたちの「あっ、やばい…」という気持ちをちゃんと汲んであげること、そして「ああ、これから気をつけよう」という気持ちが湧き上がってくるように言葉がけをすること、この二つが何より大切なのです。そのために必要なのは、教師が心に余裕をもっていることです。

もしかしたら、ベテランの先生の学級では、ハプニングが起こっていないようにあなたには見えるかもしれません。自分の学級ばかりがこんなにたくさんトラブルが起こって……。そんなことを感じているかもしれません。でも、そんなことはないのです。ベテランの先生は一つ一つのハプニングに対して、一つ一つ、的確に対応しているだけです。あなたにはそれが見えていないだけなのです。

教室はハプニングの起こるところです。ハプニングを起こすことにこそ、子どもの本質があります。教師に必要なのは、「あ~あ、しかたないわねえ、またやっちゃって(笑)」と、どこかで笑い飛ばせるような、そんな心の余裕です。

自分を責めてはいけません。自分を責める気持ちはどうしても子どもを責める気持ちに転化していきます。ハプニングを楽しめるくらいの余裕をもってこそ、教師は一人前なのです。

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