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オープンバッフルスピーカー

なかなか聞き慣れない言葉かもしれませんが、オープンバッフルタイプのスピーカーがDIY界隈で流行っているそうです(主にアメリカ)
みなさんも自作スピーカーを作ってみたいと思ったことがあると思います(ない人も多いと思いますがw)
実際にスピーカーユニットを木箱に詰めるとなかなかそれはそれで、いい音だなーと思ってしまうのがDIYの怖いところw
さて、普通のスピーカーというのはしっかりとしたエンクロージャーがあっって、密閉型とか穴を開けたバスレフ型とか、ちょっと複雑なバックロードホーン型とか。これらのスピーカーの共通点は箱で覆われているので、後ろ向きには音が出てないというところ。これに対してオープンバッフル型というのは、いわばスピーカーユニットがむき出し、つまり一枚の板にスピーカーと取り付けただけのシステムです。
このオープンバッフル型には重大な欠陥があります。それはスピーカーを囲っていないため低音が絶望的に出ないというところ。つまりスピーカーの前後の空気を遮るものがないために、スピーカーが振動してもそれを打ち消してしまうということ。特にゆっくり振動する低域は致命的に打ち消されてしまいます。
ということで1970年代頃に流行ったオープンバッフル型は、その板をできるだけ大きくして低音不足を補っていましたが、現代のオープンバッフルは音場再現に趣を置くようになってきたために、非常に小さな面積(ユニット幅と変わらないほどの)となっています。
ではなぜオープンバッフルタイプを好む人がいるのでしょうか?
DIYでスピーカーを作ったことのある人なら経験があるかもしれませんが、箱に入れてないスピーカーを鳴らしてみると、とても新鮮で鮮やかな音がします。そして最終的には箱に入れてしまうわけですが、箱の中に入れてしまうと、さっき聞いた裸のスピーカーのときのその新鮮さが失われてしまったように感じます。
つまり、スピーカーを何からもとらわれないように開放してやると、そこには今まで感じたことのない世界が待っているのです。
オープンバッフルのいところは、後ろにも前にも音が出るので、音場の広さが圧倒的に広がります。またそのために定位感も今までとは違う、本当にピンポイントの定位を感じられるようになります。
さて、このオープンバッフルに使用するスピーカーユニットはどんなものがいいのかというと、ある程度の大きさが必要だと思っています。理想的には俗に言うロクハン、そう6.5インチ 16センチほどのユニットがいいでしょう。
ピンポイントの定位感を出すには小さなユニットがいいかなと思っていましたが、振動板はある程度の広さがあったほうがいいようです。
できればフルレンジがいいので、上から下までの再生能力を考えるとやはりそのくらいの大きさがいいでしょう。16センチクラスであればだいたい70Hz〜20KHzくらいの音域が出せます。また能率も90dB以上のものも少なくありません。能率が高いほうが聴感上のダイナミックレンジが広く、またアンプも出力の小さなものでOKですからね。
また、ダンピングファクターの大きいものは不向きだと思います。ハイダンピングなユニットを開放で使用するとそれこそ全く低音が出なくなります。ただでさえ低音が出ない形で低音が出ないユニットを使うことは避けたほうがいいのは当たり前ですね。
反対に、ダンピングファクターの低いいわゆるフラフラ型だと、それこそ踏ん張りの効かない状態になりますから(箱がないために背圧がなく支えてくれない)これもまたNGでしょう。ということでフツーのユニットを使うことです。
このオープンバッフル型のスピーカーの良さは、もちろん聞いてみないことにはわからないと思いますが、本当に再現能力の高いピュアな音場再現をしてくれます。それこそ虜になること請け合いです。
オープンバッフルスピーカーで聞く、女性ボーカルやソロの器楽曲などは本当に感動してしまうほど素晴らしい音を出します。
しかし、最初から言ってるように低音がからきしでませんから、それを補いたいのであれば、サブウーハーをプラスするのもいい手かもしれません。
人間の聴覚だと100Hz以下の低音は方向性が掴みにくく、オープンバッフルの特性を邪魔しないであろうと思われます。
先程よりオープンバッフルのいいところは音場再現だと言っていますが、それを実現するのはスピーカーだけではなく、音源やアンプによっても変わってきます。最近はデジタル音源がほとんどですから音源の問題はあまりないでしょう。となると音を増幅させるためのアンプが重要になってきます。昔は真空管、そしてトランジスタによるA級動作と移り変わってきましたが、現在では安くて音のいいClass-Dアンプが主流になってきています。老舗のハイエンドシステムを作ってたメーカーでさえもこのClass-Dアンプを使い始めています。何百万もするような往年の真空管アンプと聴き比べると、ちょっと次元の違う音と感じることもあると思います。(いい意味で)
ここ数十年は、オーディオ機器業界にとってはまさに氷河期と言われるほど、売れない時代です。
しかし、このように箱のないスリムなスピーカーとClass-Dの小さなアンプであればひょっとしたらまたオーディオマーケットも拡大するのでは?と小さな期待をしてしまいます。
まあ、百聞は一見にしかず。いや百見は一聴にしかずw ぜひオープンバッフルスピーカーを聞いてみてほしいと思います(どこで?w)

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