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COVID-19によるアメリカの大学の対応とオンライン授業の有用性

どうも。

ひろとです。

連日報道されている通り、COVID-19(通称:コロナウイルス)がすごい勢いで全世界に影響を及ぼしています。

日本でも、公立学校が閉鎖され、卒業式が中止になったり、アーティストのライブやスポーツの試合が中止・延期を強いられるなど各方面に甚大な被害を及ぼしています。

僕が留学しているアメリカでもかなりのスピードで感染が広がっています。今回はそのアメリカではどのようなことが起きているのか、大学はどのような対応をしているのかについて、お話できればと思います。

1.アメリカの現状

無知な学生がこの手の話題を変に深堀するとあまりにも無責任なので、めちゃくちゃざっくりアメリカの現状について書きます。

※自分でこの記事を書いといてあれですが、このような話題は信頼性のある情報を収集するべきだと僕は思っています。それができずに、デマが広がったりしているので。このnoteの上にももしかしたら自動的にアラートが出ているかもしれませんが、信頼できる機関から発表されるものを事実として見てもらえればと思います。

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上の画像はCDC(Centers of Disease Control and Prevention)が発表するアメリカでの州別の感染者数を表しています。[2020年3月12日時点]

特にアメリカで最初の事例が発見された西海岸、特にワシントン州シアトル市ではCOVID-19による死者が数十人に上っています。他にも右側の一番濃い色になっているところはニューヨーク州で、かなりの件数が報告されていることがわかります。


世界的にはアメリカの感染事例報告数は少ないものの、実際はもっといると思われているのが一般論です。

なぜならアメリカは保険料が非常に高く、お医者さんに診てもらうこと自体金銭的なハードルが高いので、今回のような風邪のような症状で済む場合は、特に低所得者層は行かない人が多いと言われています。


さらに文化的な観点から言うと、アメリカにいる人は本当にマスクをしません。

マスクは予防的な機能はないといわれている(※諸説ある)ので、健康的な人がしないのは百歩譲ってわかりますが、咳をしている人でさえ、マスクなんてしない人がほとんどです。

逆にマスクをして外を出歩くと、「この人かなり重い病気にかかってるんじゃないか」と思われるような雰囲気であるのが現状です。


差別に関してですが、さすが人種のサラダボウルといえるアメリカ。世間で言われているほどひどくはないようです。

僕自身も先週西海岸の方に行ってきましたが、特に差別された記憶はありません。

もちろんコロナが流行り始めた初期のころは、アジア系しか感染報告がなかったので、僕自身も周りからの目を気にしていましたが、ここまでくると、人種関係なくウイルスを持っているのは明らか。だからある意味安心して過ごせています。

しかしながら、全くないというのは大嘘で、いくつかアジア人が被害を受けているのは事実です。

ニューヨークでは、”マスク”をしていた中国人に罵声を浴びせ、暴行事件まで起きています。


これがめちゃくちゃざっとしたアメリカの現状です。もっと知りたい方は、もっと信頼のある情報元からぜひ情報収集してください。

2.アメリカの大学の対応

それでは、これに伴って僕が留学しているアメリカの大学はどのような対応をし始めているのかについてお話しようと思います。

僕が滞在しているオハイオ州ではおよそ1週間ほど前に初めて3人が陽性であることがわかりました。

しかし、その3人が住んでいるのは大学付近のエリアでもなく、同じ市内でもなく、車で2時間くらい離れたかなり離れた場所です。

しかし、1~2日後くらい学長から全生徒、全教員、全職員宛てに

3月末までオンライン授業に移行する。オンライン授業はアメリカ国内でしか受けることができない。

との発表がされました。

大学近辺で感染者が出ていたわけではなかったので、僕自身も周りの友達も最初はかなりこの対応に懐疑的な反応が多かったのも事実です。

ただ、タイミング的に、週明けには春休みが終わり、多くの学生や教員、職員が他の州から帰ってくることを考えると、大学関係者が感染しているのも間違いないという上での決断だったのかもしれません。

しかしそれだけでは終わりませんでした。

翌日また学長からメールが届き、

春学期すべてをオンライン授業に移行し、春休みを1週間延長する。オンライン授業はアメリカ国内外から受講可能。

という趣旨のものでした。

留学生活がほぼ残り1か月に迫っていた僕はもう唖然です。ほぼ留学が終了した気分でした。

まあ僕の感想はともかく、4月末まである授業がすべてオンライン授業に変わり、その準備期間として、春休みを1週間延ばすということでした。


それだけではなく、

学生寮に住んでいる者は1週間以内に退去するように

との通達もありました。

幸いにも僕は学生寮には住んでいないので、かろうじて難を逃れましたが、この決定にはアメリカの学生寮特有の理由があり、この背景を理解するにはアメリカの学生寮について知る必要があります。

実はアメリカの学生寮は、日本でイメージする寮とは違い、個室がありません

おおよそ1つの部屋にベッドが2~4つあり、そこを2~4人で使うようなイメージ。

だから今回の場合、そのうちの1人がコロナに感染すれば、他のルームメイトが感染するのは必至。

したがって、このような強制退寮の判断がなされたのだと思います。

現時点(3/16/2020)ではこのような措置が取られています。ちなみにもちろんのこと、イベントや集会のような類のものは続々と中止になりました。

3.迅速で柔軟な対応

話を戻しましょう。最終的に

春学期すべてをオンライン授業に移行し、春休みを1週間延長する。オンライン授業はアメリカ国内外から受講可能。

との判断がなされたわけですが、この判断にかかった時間は、最初の感染者が報告されてからわずか3日

日本では1月中旬にコロナが発生してから3月上旬に全国で休校措置が取られたことを考えると、大学独自の判断ということを考慮したとしても、かなり迅速な対応だったと考えられます。

しかし、何故こんなに早くオンライン授業に移行できるのか、学業にほぼ影響を及ぼさないのか、というのはやはり理由があってのこと。

以前、アメリカの大学の授業に関する記事で触れたかと思いますが、アメリカのほとんどの大学では、通常時でもオンライン授業を展開しています。

したがって、オンライン授業のノウハウは持っているわけです。

大学教員、学生自身もオンライン授業を経験している人がほとんどなので、このような緊急の場合でも教員、学生ともに柔軟に対応できるというのが、今回このように迅速な判断を講じることができた一因だと思っています。

4.日本の大学はこのような対応はできるのか

それでは日本の場合はどうでしょうか。

幸いにも、この時期ほとんどの日本の大学は春休みであり、大学としては授業に関する対応はほとんどする必要がなかったと思います。しかし、もし1か月流行が早かったり、2か月流行が遅かったりすると、確実に授業の実施に影響を及ぼしていたでしょう。

その際に日本の大学はアメリカの大学のような対応できたのか、というと正直疑問が残ります

オンライン授業への移行という対応がベストかどうかはわかりませんが、"学業に支障をきたさない””大学教員、学生、関係者の安全を最大限担保する”という点でベストな判断かと思います。"迅速な判断””柔軟な対応”という点でも評価はできると思います。

もちろん日本の大学の中にはオンライン授業を普段から提供している大学もあるかとは思いますが、僕が知っている限り多くはないと思います。。

少なくとも僕が通っている大学はオンライン授業が全くありません

したがって、このような際、緊急で学生に自宅待機を求めようと思っても、オンライン授業というオプションがない、かつ教員、学生ともにそのノウハウがないために、なかなか自宅待機の指示を出せず、結果的に全体への指示が遅れるという可能性があります。

そうなると、どうなるか。

仮に学生に1人でも感染者が出ると、密集した教室でその人が授業を受けている可能性があるわけですから、いわゆるクラスターが起きかねません。

さらに、仕方なく学校を閉鎖すると学業にも甚大な影響を及ぼすのは想像するまでもないでしょう。

そのようなわけで、このような不測の事態の際に日本の大学が迅速かつ柔軟に、学生や教員への影響を減らすような施策を打ち出せるのかという点に疑問が残るわけです。

5.最後に

「結局授業やっている時期に流行らんかったからよかったやん!」

そういう考え方もあるかと思いますが、そもそも現時点でCOVID-19の収集の目途がついていないのは事実で、新学期が始まる4月から日本全体でもっとウイルスが広がっているか、はたまた収束しているか見通せないのも事実です。

さらに今回のような感染症の流行など、大学の授業に影響を及ぼすような事態が今後一切起きないということは考えられないでしょう。

したがって、そのようなときのためにも、オンライン授業を含めた大学における授業の展開方法についてもっと議論がなされるべきだと僕は思います。

技術の進歩が進む中で、なかなか文化や制度がついていけていないのもわかりますが、このCOVID-19の件で、少しでも議論が行われると一学生として嬉しいなと思います。

4000字という授業のレポートより長い記事なりましたが、読んでいただいた方ありがとうございました。

今回留学先の大学からこのような通達を受け、すぐに記事にしたいと思ったので、内容的に浅はかで足りない部分もあるかと思います。ぜひオンライン授業に関してみなさんの考え聞かせていただけると幸いです。

それでは。

ひろと

【第29回 学校では教えてくれない英語】

~また連絡します!~

メールやチャットの締めくくりに、「また連絡するね!」とか「なんかあったら連絡します。」みたいなこと言うと思いますが、英語では言い方はいっぱいあります。

I'll text you.
I'll hit you up.(スラング)
I'll contact you.
I'll let you know.
I'll be in touch.
I'll keep you updated.(※)

※この表現は、教授や上司に使う割と硬めのイメージ。ニュアンスとしては、"update"という表現にあるように、「(何か変化があったら、随時)連絡します。」みたいな感じ。

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