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稲と稲妻の謎

稲妻、つまりカミナリですが、なぜ稲の妻と書くのでしょうか?

まず妻と言う言葉ですが、もともと夫婦や恋人を呼ぶ言葉だったらしいんですね。
夫という漢字も『ツマ』と言っていたと。

現在は夫の漢字をツマとは言わないので、
妻という漢字を使っているんですね。

なんで稲の妻なの? 

ということはカミナリは稲の恋人となっちゃいますが、どういうことなんでしょうか。

実は昔からの言い伝えで、カミナリがたくさん落ちた年は豊作になると言われているんです。

これは数年前に島根県松江市の高校生(!)によって科学的にも証明されていて、
2つのカイワレダイコンの種子に片方は50秒間放電し、片方は放電無しで同じように育てたところ、放電した方の種子は約2倍の成長を見せたそうです。

からくりは、空気中の窒素にあります。
窒素は空気の8割を占めている成分であり、植物の成長には欠かせない重要な成分ですが、そのままでは植物は吸収できません。

ですが、カミナリの放電により窒素が分解され窒素酸化物になります。それが雨によって地上に落ち、最終的には硝酸性窒素というもの変化し、植物の栄養になるのです。

ちなみに硝酸性窒素はとてもいい肥料となるらしいですが、与え過ぎはかえって悪影響を及ぼすようで、高校生の実験でも50秒以上放電した場合は成長が遅いなったと報告されています。



昔の人恐るべし

科学的な証明も出来なかったであろう時代の人々の観察力にはいつも驚かされます。
かの宮沢賢治もカミナリと農作物の出来には何らかの関係がある、と気づいていたようです。

そのカミナリを稲の妻、稲妻とネーミングする昔の人のセンスも素敵。自分もそうありたいものです。

そして、前回の自然農法の話にもつながりますが、やっぱり自然の摂理は凄く良く出来てるなぁ、と。そちらの記事もぜひ読んでみてくださいね。

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