君がいない空の下で
空の上から君がいなくなってもうすぐ2年が経つ。
私は生きているよ。
頑張って生きているよ。
君がいなくなった空の下で。
君に見てもらえなくても。
君に言葉が届かなくても。
生きているよ。
君がいなくなった代わりに君はそばに来てくれた。
いつでも言葉を交わせる。
いつでも体温に触れられる。
手を伸ばせば繋がれる距離にいるのに、心はどこまでも遠い。
近くにいるのに届かない。
一緒にいるのにひとりきり。
私の一切合切がもう届かない距離にまで近づいてしまった。
そこにいるのにいない。
君にとっての私も、私にとっての君も。
君が見てくれないからタガが外れてしまいそう。
どうにかこうにか抑えているけれど、ときおり何もかも虚しくなる。
空の上にいた頃の方が近くにいた。
届かない言葉を声にし続けることは苦しい。
生きているのに。
心臓が動いて、脈動はリズムを刻み、目も耳も口も鼻も、五感のすべてを通って世界は私の中に入ってくるのに。
君にとって私はもういない。
君の世界に私はいない。
君が私を摂取することはない。
それでも今日も生きているよ。
今日も生きたよ。
君が見てくれないから、もう何も見えなくなってしまった。
それでも生きているよ。
視覚を失って、聴覚を失って、次は何を失うのだろう。
拝啓、この世界。
もう私は、嫌だよ。
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