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今週のモバイルアプリ関連ニュースまとめ Vol.8(3/21週) | Weekly Mobile Update

今週の注目ニュース

Google Spotifyを試験対象にサードパーティ決済手段を容認

遂にGoogleがアプリ"内"でのサードパーティ決済手段利用を容認することを発表した。

まずは試験的にSpotifyを対象に、アプリ内でユーザーがアプリ内課金・サードパーティ決済を選択できるようにするとGoogle・Spotifyは発表している。
本変更がどの国に適用されるのか、具体的な適用時期などは明確にされておらず、今後他のアプリにも本変更が適用されていくかは未知数になっている。

GoogleはAppleと比較すると、自社に不都合になるガイドライン変更において複雑な前提条件などは設けない傾向にあるが、今回の容認がパフォーマンスでないかどうかは今後の動きに注目したい。

任天堂 またもやモバイルゲームからの撤退

任天堂が提供するモバイルゲームのサービス終了がまたもや…

昨年11月に提供を終了した「ドクターマリオワールド」に続き、「ドラガリアロスト」もメインストーリーの終了・コンテンツ更新の停止とその後数ヶ月でサービスを終了することを発表した。

「ドラガリアロスト」は「ファイアーエンブレム」などの他の任天堂のゲーム全てよりも多くの収益を上げていたが、直近はmiHoYoの「原神」のような巨大デベロッパーのアドベンチャーRPGゲームの追い上げを受けて、収益が低下傾向にあったとされる。

Source:任天堂、スマホゲームの「実験」は成果上がらず-ゲーム機に回帰

任天堂はモバイルゲームへの進出を強化しない方針を2年前に発表しており、実際その間にリリースされたのはNiantic社にIPライセンシングした「ピクミンブルーム」になっている。(PokemonGOはNiantic社と株式会社ポケモンの製作)

今回の「ドラガリアロスト」の撤退が、既存IPへのリソース集中を意図したものか、それともモバイルゲーム領域への投資のシュリンクを意図するものなのかは公表されていない。

GAFAMを中心とした巨人達が積極的に参入・強化するモバイルゲーム領域において、任天堂がモバイル投資を加速するのかどうかは今後も注目したい。

Youtube 広告付きの無料テレビ番組を提供開始

Youtubeは広告付きの無料テレビ番組のストリーミングを提供開始すると発表した。

旧来はテレビ番組をYoutubeで閲覧するには当該番組を有料でレンタルする必要があったが、今後は本プログラムの対象になっている番組であれば番組中の広告を見ることで無料で閲覧することができるようになる。

既に無料で動画を提供しているYoutubeとして、今回のプログラムの提供は既存動画コンテンツに飽きているユーザーへの新規コンテンツ提供を通して自社サービスへの粘着度を向上させる目的があると考えられる。

現在提供されているテレビ番組は比較的古いシリーズが多いが、今後もコンテンツは継続的に追加されていくとしている。

コンテンツ力が競争力の源泉となるVOD業界において、外部から調達したコンテンツ(しかも結構古い番組)の無料提供でどこまでユーザーが惹きつけられるのかはまだ分からない。
しかし、近年の成熟しつつあるVOD業界では、Disney+の無料プラン提供構想やNetflixの値上げ変更発表など、各種プレイヤー様々な対応を行なっており、今回のYoutubeの新プログラム提供がユーザー獲得・維持にどこまで寄与するのかは気になるところだ。

TikTok 検索連動広告の試験的提供を開始

TikTokが検索連動広告を一部のパートナー向けに試験的に提供を開始した。
ユーザーがアプリ内で特定のキーワードを検索すると、そのキーワードに応じて検索結果に最初に表示される結果4件内にスポンサー動画が表示される仕組み。

広告管理画面上では、検索キーワードごとのコンバージョン数も表示がされており、キーワードごとのパフォーマンスを算出することが可能になっている。
AppStoreのApple Search Adsのパフォーマンスなどを加味すると、興味・関心が更にコンバージョンに寄与すると考えられるショート動画・エンターテイメントでの検索連動広告はブランドにとっても効果がかなり出る良い媒体になると考えられる。

本機能が正式版としていつ提供開始されるかは未定。

Matchグループ 片親向けのマッチングアプリを発表

Tinderなどの巨大アプリを提供するマッチングアプリの巨人Matchグループが新たなアプリとして、片親向けのマッチングアプリ”Stir”の提供を開始した。

米国には約2000万の片親世帯があるとされ、今回のアプリはその市場に特化したサービス提供となっている。
旧来よりマッチングアプリを利用する片親ユーザーの約1/4から「デートをするためのスケジュール調整ができない」という課題が上がっていた。

Stirではその課題を解決するために、曜日×時間帯で空いている時間帯をユーザーが選択して、その時間帯が合うユーザー同士でマッチングがされる仕組みを採用している。

片親に向けた独自の機能を提供する一方で、まだ課題も複数存在するとされる。

まず1つ目に、マッチング相手のバックグラウンドチェック機能がStirには採用されていないため、子供を対象とした犯罪のリスクが存在する点。(Matchグループは身元調査サービスGarboの機能をTinderに適用している)
次に2つ目に、Stirでは月額約40ドルのサブスクリプションモデルを採用しているが、片親の経済的状況を考えるとサービス利用のための金額負担が少々大きいという点。(アメリカの片親の貧困率は2017年で約30%)
最後に3つ目に、子供の年齢を設定できない点。子供の年齢が大きすぎる・小さすぎるかで付き合えるかどうかの決定にも一定影響あると考えられる。(もちろん1点目に挙げたリスクもあるため全てを公表するべきではない)

こうした課題をStirが乗り越えていくのか、市場に受け入れられるか今後の動きが楽しみ。

参考記事・リソース

Appsflyer メディアパフォーマンスインデックス14 発表

Appsflyerが恒例のメディアパフォーマンスインデックスのVol14を発表。

地域・アプリ/ゲーム・OS別に各指標で効果が高い広告媒体のランキングが出ており、普段利用している媒体が載っていなかったり、より効果が高い媒体にまだ出稿していないなどがあればアロケーションの検討が必要だろう。
説明不要の必見レポートだ。

収益に繋がる獲得キーワードをどのように見つけるか

検索連動広告やASOでは一般に獲得効率の面のみを考えがちだが、最終的に収益に繋がるユーザーを獲得できているか・ユーザーの興味・関心に合わせてアプリ内のコミュニケーションができているかを意識するのが重要になる。

本記事では、Apple Search Ads・ASOのデータを元に、具体的にどのように収益に繋がるキーワードを特定するか、そしてアプリ内でのコミュニケーションを変えるかを説明している。

小売のメディア化と広告プラットフォーム提供

Amazonが広告セグメントから収益をあげているように、買い物消費における興味関心・購買履歴データはターゲティングに非常に有用である。

近年実店舗を軸としてきた大手小売によるファーストパーティDSP構築が加速しており、ウォルマートも昨年の8月末にThe Trade Deskと連携した独自DSPの提供を開始している。
本記事はそんなウォルマートのDSPがどの程度業界に影響を及ぼすかを考察したものになっている。

全米4700店舗、米国消費者の9割が10マイル以内に店舗があると言われるウォルマートが、実店舗を軸としながらAmazonのような巨大ECに立ち向かうひとつの戦略としてDSPをどう活用していくかは、他の実店舗運営社にも参考になるのではないだろうか。


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