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今週のモバイルアプリ関連ニュースまとめ Vol.1(1/31週) | Weekly Mobile Update

今週の注目ニュース

米国でもApple・Googleをターゲットにした独禁法案が議会を通過

先日の韓国での可決に続き、米国でもApple・Googleをターゲットにした独禁法案が上院議会を通過した。

この法案の主な内容としては、①サイドローディングの容認(iOS App Store以外からもアプリをダウンロードできるようにする)・②サードパーティ決済手段の容認の2点が大きな論点となっており、もし残りの大統領署名が完了するとApple・Googleは大打撃を被ることになる。

一方で、後述のオランダ・韓国での新ガイドライン適用のように、Apple・Googleは各国個別のガイドライン適用・非アプリ内課金からの課金手数料徴収を講じる可能性もある。

どこまで実効力を持った法案として成立させることができるかは要注目だ。

Apple 非アプリ内課金からも課金手数料を徴収

昨年末にオランダ公正取引員会はAppleに対して、デーティングアプリにおけるアプリ内課金の強制の禁止(= サードパーティ決済手段の容認)を勧告しAppleも了承した。

しかし、更新されたAppleのガイドラインでは、サードパーティ決済手段利用時にも27%の課金手数料を徴収する規定が明記されている。

Source:Distributing dating apps in the Netherlands

また、上記の条件に加えて、オランダでのみ利用できるアプリを個別バンドルとして切り出すことも必須条件となっている。つまり、デベロッパーはアプリ内課金を回避するには、僅か3ptの手数料削減のために、運用保守コストを2倍にする必要が出てくるわけだ。

Source:Distributing dating apps in the Netherlands

ちなみに、韓国でも同様の議論が発生している。Googleも11%の手数料を徴収すると表明しているが、Appleはオランダと同じく高水準の手数料率を非アプリ内課金に課す可能性が高いのではないか。(詳しくはこちらのポッドキャストエピソードを参考にしてもらいたい。)

各国個別のガイドライン対応・バンドルを分けた各国用のアプリの開発・運用保守コストに対して、デベロッパー・ユーザーが享受できる手数料削減分が僅か3ptしかないとなると、デベロッパーとしてもアプリ内課金を回避するインセンティブは小さくなると考えられる。

今後も各国で同様の論争は発生するため注視が必要である。

Apple決算 サービスセグメント売上増加はATT施行後のApple Search Adsが牽引か

Appleが2022年度第一四半期の決算を公開。

Servicesセグメント(広告・サブスクリプション・クラウドサービスなどを包含)の売上は195億ドル・前年比24%増加と、全体売上の増加を牽引した形となった。

昨年と比較した相違点としては、2021年4月のApp Tracking Transparencyの施行が主に挙げられ、Servicesセグメントの大きな伸長の要因としてApple Search Adsの出稿金額増加が考えられる。(Apple MusicやiCloud+の伸長は利用状況としてあまり可能性としては高くないだろう)

Branchの調査でも、Apple Search Adsが占めるインストール割合はATT施行前は17%だったのに対して、半年後の9月時点では58%と過半数を占めるまでに成長しており、今回のServicesセグメント売上伸長はASAが牽引しているのが濃厚であろう。

Source:Apple’s privacy changes create windfall for its own advertising business

Google Play Storeにお得情報が集まる”Offers”タブが登場

Google Play Storeにアプリ内課金アイテムのセールや、映画・本の割引情報などが集まった”Offers”タブが登場した。

新設されるタブには、Google Playと提携したアプリデベロッパーによるセール情報やお得な情報が、ユーザーごとの好みに合わせて最適化されて表示される。

まずは、米国・インドネシア・インドの3カ国で試験的に提供が開始され、2022年後半にかけてその他の国にも展開される予定。

気になる点としては、トップアプリデベロッパー以外のオファー情報も掲載されるか・どこまでユーザーに合わせて最適化されるのかの2点。結局札束の積み合いになってしまうと意味がないので、どのように機能するかは注視したい。

Netflixのゲームアプリが500万DLを突破

昨年11月にリリースされたNetflixのゲームアプリ総DL数が500万DLを突破した。

公開当初と比較するとDL数の水準は落ちているものの、依然高い水準で毎週DLが発生しており、獲得は一定順調と言えるだろう。

DL数の内訳としては、やはり目玉タイトルである「ストレンジャーシングス」のアプリが計200万DLと牽引しているが、今後の新コンテンツ公開と合わせたゲーム公開により安定したDL数は稼いでいけそう。

ゲームリリースの目的である、Netflix全体としての取得可処分時間の増加は、ビデオとゲームというメディアミックス戦術による粘着性向上で一定達成ができていそうな所感。

Google Play Consoleの収益分析機能が強化

Androidアプリの管理コンソールであるGoogle Play Consoleに、新たな収益分析機能「Strategic Guidance Tools」が追加された。

この機能はゲームアプリの売上分析に特化しており、売上をKPIツリー上に分解して各KPIの状況を可視化することが可能になった。

上記に加えて、同一カテゴリ・関連アプリとのベンチマーク比較が可能になっており、さらにどのKPIから改善施策を実施することが推奨されるかも教えてくれる。

参考記事・リソース

1,000以上のアプリのアプリ内決済ページを集めたサイト「paywallscreens」

「paywallscreens」はiOS・Androidの1000以上のアプリのアプリ内決済ページを集めたサイト。

各アプリのUIスクショだけでなく、そのアプリの推定売上・DL数などの情報も収集されているため、どのようなアプリがどのような決済ページを使って課金転換をさせているのかの分析に役に立つ。

2022年モバイルアプリマーケティング関連のイベント・カンファレンスまとめ

2022年に開催予定のモバイルアプリマーケティング関連のイベント・カンファレンスまとめ。
オンラインで参加可能なものもあるのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
早く対面でのカンファレンス参加したいですね…

AppAnnie State of Mobile 2022

毎年恒例となったAppAnnieの年次市場レポートである「State of Mobile 2022」が公開中。
今年は特に性別・年齢別のデータ調査が非常に興味深かったです。
注目のデータに関してはこちらのポッドキャストエピソードでお話ししました。

https://www.appannie.com/jp/go/state-of-mobile-2022/


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