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シン市役所:解体新書|#4なぜ白紙になったの?

 こんにちは。美濃加茂市長の藤井浩人です。
#4は『なぜ白紙になったの?』と題してお送りします。

 #1 新庁舎への想い、#2 市役所の役割、#3 建て替えの必要性について、それぞれお伝えしました。
 ご存知の方も多いと思いますが、2021年度まで進めてきた「美濃太田駅周辺を整備地とする(旧)新庁舎整備基本計画(案)」は、令和4年3月に白紙とする決定をしました。
 その主な理由は、「市民との合意形成ができていないこと」です。
 また、見直しにあたって、コロナ禍を経た社会情勢の変化デジタル化の進展による新しい行政サービスのあり方などの新たな視点を付与しなければならないこと。を議会や新庁舎整備事業のワークショップなど、様々な機会で、お伝えしてきました。
 このことに対して、「市長が勝手に白紙にした」「新庁舎が建たないなんて、なんてことをしてくれるんだ」「長引かせるな、早く完成させろ」と、そんな声を一部からいただくこともあります。
 改めて、そもそも何が白紙になったのかなぜ白紙になったのか、説明します。


1.基本構想からの経緯

 新庁舎整備事業の始まりは、前回のブログで説明しました。
#3建て替えって必要なの?
2016年12月 新庁舎整備基本構想の策定に着手し、
2017年2月 「美濃加茂市新庁舎整備基本構想策定委員会」へ市長から諮問。
諮問した当時の市長は私です。)
※諮問とは、ある案件について意見を求めること。
 委員会では、新庁舎整備の基本構想について議論が重ねられました。内容は、現庁舎の課題整理、新庁舎に求められる基本機能、新庁舎整備の事業手法及び候補地等の比較分析、新庁舎をいかしたまちづくり構想等。
 2018年1月の答申(諮問への返答)までの間に、委員会6回、市民ワークショップ4回、市民アンケート・郵送アンケート・来庁者アンケートが各2回、実施されました。

 答申をもとに2018年2月に、みのかもみらいのコンセプトブックが作成され、 2018年3月に、新庁舎整備基本構想が公表されました。

みのかもみらいのコンセプトブック(左)
新庁舎整備基本構想(右)

 ちなみに、私は2017年12月に一度職を辞しているため、 2018年1月の答申は前市長が当時、職務代理者として受けています。

2.基本計画からの経緯

 基本構想の策定の次には、基本計画(詳細な事項を記載したもの)の策定へと進みます。
 2018年8月 新庁舎の整備地、整備手法、機能、規模等についての詳細な事項を記載する美濃加茂市新庁舎整備基本計画を策定するために、市長(伊藤前市長)から「美濃加茂市未来のまちづくり委員会」に、諮問。

 同委員会は2018年8月~2019年12月の間に全10回の委員会を開催。
第5回委員会開催後の2019年2月12日に中間答申
 『審議の結果、新庁舎の整備地として「美濃太田駅周辺」を選定しました
という答申がありました。

 中間答申後2019年8月20日~9月3日に、市内8地区で「新しい市役所をいかしたまちづくりについて市長と語る会」が開催。2021年11月8日~12月25日の間に計20回の「新庁舎整備事業市民説明会2021」が開催されました。

 その後、2022年1月に市長選挙が行われました。当然、現職市長は、すでに紹介しました「美濃太田駅周辺を整備地とする(旧)新庁舎整備基本計画(案)」の実現を示しました。
 私は、新庁舎整備事業について当時の計画案に強い反対意見を持っている人や計画について理解されていない人が高い割合でいることを感じたため、選挙の際に「新庁舎計画の見直し」を政策の一つに掲げました。
 そして、2022年1月23日に私が市長に当選しました。

 以下が時系列です。

3.旧計画を白紙へ

 2022年3月に(旧)新庁舎整備基本計画(案)を公表。 そして、市民との合意形成ができていないことを理由として、同計画案を白紙にすることを決定しました。

 2022年7月に、無作為抽出による市民4000人を対象とした美濃加茂市役所新庁舎整備における市民アンケートを実施。アンケート結果の中で、美濃太田駅周辺を新庁舎の整備地とする計画に対しては、「反対」(40.8%)が最も高く、「判断できなかった」(31.7%)、「賛成」(26.8%)でした。

アンケート結果の詳細内容は、調査結果報告書をご覧ください。

繰り返しとなりますが、
アンケートの結果や、構想策定段階から社会が大きく変化していることを鑑み、
市民との合意形成ができていないこと
コロナ禍を経た社会情勢の変化やデジタル化の進展による新しい行政サービスのあり方などの新たな視点を付与しなければならないこと
から、以前の計画案を白紙とし、改めて、新庁舎整備事業に着手しています。

新庁舎整備の経緯にて各資料をご覧いただけます。次回は、現在の取り組みについて説明します。

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