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「プラットフォーム」というビジネスモデルの強さとは?

今回の記事では、プラットフォームというビジネスモデルについて、概要・特徴から具体事例、将来性について調べた情報をまとめています。プラットフォームビジネスの潮流をざっくりと掴んでおきたい方や、事業立案などで興味があられる方に少しでもお役に立てると嬉しいです。

■背景:なぜプラットフォームビジネスなのか?

まさにこの"note"もそうですが、Uber、Facebook、Newspicksなど、個人として使っているサービスの多くがいわゆる「プラットフォーム」になっています。最近では企業向けのサービスでも「***プラットフォーム」と謳っているケースが増えてきているかと思います。
仕事柄、よく耳にするようになったこともあったのですが、知人からも相談を頂いたので、関連書籍を集めて調べてみることにしました。

■「プラットフォーム」というビジネスモデル

言葉自体はよく耳にするものの、「プラットフォーム」というと基盤のような抽象的な印象が強く、正直よくわかっていませんでした。

書籍『プラットフォーム革命』では、プラットフォームを以下のように表現しています。

・『相互に依存する複数のグループ』を結び付け、『すべてのグループ』が恩恵を受けられるようにするビジネスモデル
・複数のユーザーグループや消費者と、プロデューサーの間での価値交換を円滑化するビジネスモデル

具体的に思い浮かべるとわかりやすいです。

例えば、配車アプリの"Uber"は、"車の所有者(プロデューサー)"と"車に乗りたい人(消費者)"をマッチングするプラットフォームになっています。

従来のタクシー業界のビジネスモデルでは、タクシー会社がタクシーと運転手を"所有"して、乗客がそれらを利用するために"タクシー会社へ"お金を払っていました。

これがUberというプラットフォームによって、利用者と運転手が直接取引できる世界ができました(そしてプラットフォーマーであるUberは、取引成立を以て手数料で稼ぐというビジネスモデルを作っていますよね)。

このように、参加者自身が価値を生み出し、取引することによって、収益化するのが、プラットフォームというビジネスモデルの特徴です。

■「プラットフォーム」というビジネスモデルの強さ

どうしてプラットフォームビジネスが頻繁に話題になっているかというと、その理由の一つは、スケールするスピードや過程が従来と異なり、企業自体が小さくても、ビジネスとしてのスケールを大きくできる可能性が十分にあるからと言えます。

従来のビジネスモデルでは、事業者として設備や従業員を大量に抱えることによって規模を拡大させる必要があります(先ほどのタクシー会社の例を考えるとわかりやすいです)。

しかし、プラットフォームビジネスでは、プラットフォームへの参加者を増やすことによってビジネスを成長させることができます

そのため、企業自体のリソースが少ないとしても、大きな価値を生み出せる可能性があるんです。

逆に言うと、大手企業といえども、従来のビジネスモデルに固執してしまうと、急にプラットフォーマーに市場を大きく奪われてしまうリスクがあります。

そして、一度広まったプラットフォームは、参加者が増えるにつれて、さらに価値が高まっていく可能性があります(例えばUberの場合、運転手が増えるほど利用者にとっては待ち時間が減るというメリットが大きくなりますし、逆に運転手にとっては利用者が増えるほど収益が増えるというメリットが大きくなります)。

設備投資により直線的に成長していく従来のビジネスモデルとは、性質が大きく違うことがわかりますよね。

■なぜ参加者はプラットフォームに参加するのか?

一人の消費者として、私も色々なプラットフォームに無意識に参加していますが、事業者側として見た場合には「いかに参加者を増やすか」ということがとても重要な事業戦略となります。ユーザーがプラットフォームを使うモチベーションはどこにあるのでしょうか。

ユーザーが参加する理由の1つは、取引費用(コスト)の低下にあると言われています。

①探すコスト(例:いろいろな情報を調べる手間)
②交渉コスト(例:個人で価値を提供する場合、価格交渉力が弱まる) 
③執行コスト(例:信頼関係を築くむずかしさ)
④創作コスト(例:0から収益を立てるためにサービスを作る手間)

言われてみると「ああ、たしかに」と改めて気づく部分もありますよね。

■代表的なプラットフォーム企業

プラットフォームは、あくまで一つのビジネスモデルです。もちろん、企業の全事業が「プラットフォームビジネス」と言えないケースもありますが、特に有名な(イメージしやすい)企業をいくつか挙げてみます。

①Apple
「App Store」や「iTunes」は、提供側(例:アプリ開発者や楽曲提供者)が価値を創りだし、購入側(一般消費者)が対価としてお金を払うというモデルになっています。元々携帯電話事業者ではなかったAppleがiPhoneでここまでのインパクトを与えたのは、単に製品が優れているだけではなく、優れたプラットフォームを設計・構築したためだと言われています。
②Amazon
Amazonといえば、豊富な品ぞろえのイメージがあるかと思いますが、これも参加者が商品を簡単に提供できる仕組みを作っているためです。
Amazonでは第三者の出品割合が約4割となっています。
③COOKPAD
個人的にもよく使わせていただくサービスなのですが、まさに料理レシピのプラットフォームです。参加者自身が「レシピ」というコンテンツを投稿することで、プラットフォームとしての価値が高まり、さらに利用者が増えるというサイクルを作られています。
④BASE
今年10月に上場して話題となっていますが、簡単に個人でネットショップを創ることができる、プラットフォームになっています。個人でゼロからネットショップを作ろうとすると、デザインからWebサイト作成までとても手間がかかりますが、そういった手間なくお洒落なショップが作れてしまうのは、嬉しいですよね。

他にも数えきれないほどのプラットフォームがあります。

■今後のプラットフォームビジネスについて

GoogleがEUの欧州委員会から独禁法違反として制裁金の支払いを命じたように、プラットフォーマーに対する様々な規制が今後は整備されていくことになるかと思います。

ただ、従来のビジネスモデルと異なり、プラットフォームには多くのユーザーがいて、ユーザー自身が利益を得ている"ファン"として存在するため、こういった規制の整備もバランス感覚が問われる中で進められることになります。

まだまだ色々なサービスが登場してくるのではないでしょうか。

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