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ゲイマッチングアプリで既婚者と会ったときの話 #65

僕は一度だけ既婚者の人とゲイマッチングアプリで会ったことがあります。
当時の僕は20代前半の社会人でした。

そして相手は20代後半の人でした。結婚生活は2年目とのこと。奥さんとは仲がよく、たのしく夫婦生活を送っていると話していました。

僕はその人と会うまで、彼が既婚者だということを知りませんでした。
前段階で分かっていたのは、最近ゲイのマッチングアプリに登録したばかりでゲイの知り合いがいないということだけでした。


昼間のカフェで待ち合わせして、いろいろと話している中で


「実は既婚者なんです」


と彼から打ち明けられました。


彼の話では、既婚者なんだけど以前から男性に性的な興味があった

でも、どうしたらいいかわからずにずっと悶々していたところ
検索をしていたらたまたまゲイのマッチングアプリというものがあることを知って、思い切って登録をしてみた。

そして、アプリに登録をしてみて
初めて会ったゲイの人とそういうことをしたらすごく興奮して気持ちが良かった。


自分はバイセクシャルかもしれないと思った。



そんなことを彼は話していました。


そして彼は、僕に対して興味津々でした。
よくよく考えると“僕に対して”というよりも“僕の同性との性経験”に興味があったみたいでした。
質問は主に性的なことばかりでした。


僕は最初からヤリモクで会っているつもりはありませんでしたが
彼の中では、『ゲイのマッチングアプリ=全員ヤリモク』くらいの認識でいたようでした。




既婚者であるのに、ゲイのマッチングアプリを積極的に使おうとしている彼に対し、しだいに僕は強い違和感を感じはじめました。


僕は率直に自分の疑問を彼に投げかけてみました。



男同士だとはいえ
実際にやっていることは浮気だし
奥さんが知ったら悲しむんじゃないか
奥さんに対する罪悪感はないのか
もしこのことが奥さんにバレてしまったら結婚生活を続けることだって危うくなるだろうし
アプリを使って人と会うのはやめたほうがいいんじゃないか


僕の疑問に対して彼は



まあ子どももいないし、奥さんとも全然やってないし
奥さんも自分とはやりたそうにもしてないから多分、大丈夫だよ。
忠告ありがとね♪



そんな感じで、僕の言葉は彼には全然響いていない様子でした。
とても楽観的な考え方の人でした。



カフェでの1時間半程度の会合の後に
僕は彼からホテルに誘われました。
僕はそれを丁重に断りその場をあとにしました。



その人とは、それっきりでした。



でも、その後も彼はマッチングアプリを退会することはなかったです。
某ゲイマッチングアプリにはハウリング機能というものがあります。

ハウリング機能には使い方はいろいろとあるけど

一般的にはヤリモク相手の募集に使うことが多くて
彼は頻繁にハウリングをしていてセックス相手を探していました。


その後、彼がどうなったかは分かりません。



実際に彼のように既婚者でゲイのマッチングアプリに登録している人は一定数いるんじゃないかと思います。
僕は今回の彼以外とはマッチングアプリで既婚者の人と出会った経験はありませんが、友人たちからは既婚者とアプリで会ったことがあるという話しは何度か聞いたことがあります。

色々な価値観があると思うし、人それぞれ大事にしたいものは違うことは理解できます。
だけど誰かを傷つけたり裏切ってまで叶えなきゃいけない願いってどんなものなんだろう。


“バレなかったらいい”

“バレないようにうまくやれている”


きっとそんな思想の中で、小さな嘘がたくさん増えていって
その嘘がある意味、成功体験として蓄積されていって、次第に歯止めが利かなくなっていくんだろうなって想像しました。
確かに世の中、綺麗なことばかりではないと思います。
それに、嘘をついたことがない人間なんてほとんどいないんじゃないかなとも思います。
人間だからときには嘘もあって当然だし、間違うことだってあると思います。
それ全部が悪いことだとも言いたくないけど、だけどどこかでちゃんと折り合いをつけたり、気がつくタイミングは必要なんじゃないかなと思います。


既婚者の人を好きになって、結局都合よく愛人のような存在として付き合い
最終的には捨てられてしまったなんて話しも友人の体験談として聞いたことがあります。


それぞれの家庭の問題や人それぞれ様々な事情はあると思うけど
もし間違えそうになったときや、万が一間違いが起きてしまったときには
一度、自分自身の行動を冷静に顧みて
そして自分自身を大事にできて、なおかつ自分の周りにいる人たちのことも大事にできるような
みんなにとってやさしい選択ができたらいいなと


僕は自分自身が間違えそうになったときは
そういう選択ができる自分でいたいと、そう思うのでした。

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