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ゲイ社会人 ただ前に進みたくて #26
僕は、大好きな彼氏と別れて
しかもその彼氏にはすでに新しい彼氏がいたことを知ってとても悲しかったし、とても寂しかったし、とても悔しかったです。
自分が惨めでした。
もう僕のことを好きじゃなかったのに、相手から別れ話もしてもらえなかった。
2年も付き合って、素直に気持ちを打ち明けてもらえるような信頼関係が築けなかったことがとても悔しかったです。
この2年間、僕は何をしてきたんだろう。
何を見て、何を感じて、どう考えて、行動を選択してきたのか。
全部が間違っていたように思えました。
別れてからも、彼のことばかり考えていました。
彼のことというよりは、戻らない時間を悔やんでばかりいました。
しかし、そんなことをしていても何も解決はしないし
彼はもうすでに新しい恋愛をはじめているわけで
僕も次に向かって進まないといけないと漠然とわかっていました。
僕は彼と別れて一週間後にはマッチングアプリに登録をしていました。
そしてアプリに登録して間もなく、同い年の人からメッセージが来ました。
その人は、プロフィール画像は風景画しかなく、本人の写真は載せてありませんでした。
自己紹介文もほとんど記載がなくどんな人かもわかりませんでした。
その人は県外に住んでいる人で、その人の住んでいるところは僕の住んでいた地域からだと車で約3時間ほどの距離でした。
どんな人かわからないとか、距離が遠いとか
当時の僕にとってどうでもいいことでした。
とにかく、このポッカリ空いた穴を埋めたい。
誰かに埋めてほしい。
そんな気持ちだったと思います。
僕はその人と数日、メッセージのやりとりをしました。
そしてその人は僕に好意を持ってくれたようで、会いたいと言ってくれました。
メッセージのやりとりの中で、少しわかったことがあります。
彼の職業、彼はゲイの友達がいないこと、恋人は何度かできたことはあるけど長く続いたことがないこと
あとは、なんとなく見た目の雰囲気がわかる写真を送ってくれました。
その写真では、正直どんな顔かはよくわかりませんでした。
僕にとって、見た目とかそういうことは重要じゃなくて
とにかく誰かと出会って、新しい恋愛をはじめて前に進むことが何よりも優先順位が高かったように思います。
そして、その人は片道3時間かけて僕のもとへ会いに来てくれました。
会うまでどんな見た目の人なのか、よくわかりませんでしたが
初めて会った彼は、とても僕のタイプの見た目をしていました。
肌がキレイで、顔立ちが整っていて、まつ毛が長くて、八重歯がかわいい
そんな彼でした。
初回だったにも関わらず
どんな相手なのかもよくわかっていないにも関わらず、僕と彼は1泊2日で会う約束をしていました。
僕の自宅で泊まって、僕の地元の観光をする予定にしていました。
今、思えばとても軽率な行動ですよね。
どんな相手かわからない人をいきなり家に招いて泊まらせるなんて怖すぎますよね。
そのくらい、当時の僕は冷静でいられなかったのだと思います。
会って初日は、僕の運転で市内の観光をして夕方には僕の家に彼を招き入れました。
そして、いい雰囲気になり一緒のベッドで寝ました。一緒のベッドで寝て何も起きないわけもなく、行為を済ませてから就寝しました。
翌日、僕は彼に告白をしました。
「付き合ってほしい」と伝えました。
彼は驚いていましたが、とても喜んでくれました。
これは僕が大好きな彼氏と別れてからほんの三週間後の出来事です。
正直、僕は彼のことを好きだったかはわかりません。
見た目はとてもタイプでした。
そして僕に好意を持ってくれてたことが嬉しかったです。
でも、僕は彼のことをよく知りませんでした。
知らない彼に対して「好き」だと言えてしまう自分がいました。
当時の僕は誰かを好きになることが怖かったんだと思います。
また誰かを好きになって、傷つくことが怖かったです。
でも、次に進まずにはいられない。
大きく空いた穴を何かで塞がずにいられない。
そんなときに僕の前に現れてくれた彼は、僕にとって都合のいい人でした。
彼は、僕のことをきっと愛してくれる。
無条件に好意を持ってくれた彼は、きっと僕のことを好きでいてくれる。
漠然としたそんな期待もあったような気がします。
でもそれは違っていました。
僕は同じ間違いをまた繰り返します。
次に進むどころか、また前に進めなくなってしまいます。
僕は、僕の意思で選んだ行動で
僕自身を傷つけて、僕のことを好きだと言ってくれた人を傷つけます。
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