夢の中
日曜の朝。パティオをみると箱の中でチビが気持ちよさそうに寝ていた。お隣の飼い猫とわかったものの、そんなことにお構い無しで遊びに来たり来なかったりする。ハコの中ですっかり熟睡しているようだ。一体いつ家に帰っているんだろう。夢の中。
温泉に行くことにした。そう、温泉がある。たぶん本物の温泉で、お湯からは硫黄の匂いがぷんぷん漂ってくる。多くの人が入浴する習慣がそもそも無いのと、硫黄の香りが好まれないのか、そこへ好んで通う人を知らない。そもそも存在を知らない人が多い。
この街で一年過ごしたが、私も初めて行ったのは今年に入ってからだった。個室のバスタブに水着で入るスタイル。シャワーは別室にあるが、個室には洗い場なども無い。だから水は綺麗では無いかもしれない。どちらかというと熱いプールのよう。お湯にチャプチャプ浸かってワインやシャンパンを飲んで楽しむようだ。お酒をほとんど呑まない私も冷えたオレンジジュースを持ち込み、夢の様な時間を過ごせた。ゆったりした時が流れる。
実家の周りには銭湯が多く、子供の頃はよく連れられて行った。お風呂上がりは謎の乳製品ドリンクが楽しみだった。はっきり言って銭湯以外では見かけた事がないドリンクばかりだった。流通ルートが謎。風呂上がりの謎ドリンク。夢のような時間だった。
安くないからしょっちゅう行く気にならないけど、たまにはこんな日曜日もいいと思う。銭湯並みの値段ならしょっちゅう行くのになあ。疲れが溜まった時だけまた夢に浸りに行くことにしよう。
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