見出し画像

人体最大の器官である”筋膜” ①

こんにちは、身体機能研究家の小林洋太です。

近頃”筋膜”という言葉がだんだん一般的になってきたものの、”筋膜リリース”という言葉が独り歩きを始めたばかりに、ビジネス的になんでもかんでも筋膜リリースという言葉をつければ流行るみたいな兆候が感じられるようになってきました。

まぁ、からだへの理解が深まるプロセスだと考えるとそれはそれで良いことなのかもしれませんが、そのサービス(施術)を受ける側の視点で考えるとなんだかなぁという気持ちは拭い去れません。

ということで、サービスを受ける側のリテラシーも高めていかなければ、提供する側の技術も磨かれることなく、QOLを始めとする私たちの暮らし・強いては健康ということの底上げに繋がらないのではないかと思い(どれだけ需要があるかわかりませんが)筋膜についてできるだけわかりやすく紐解いていけたらとこの記事を書こうという運びになりました。

なんと言っても、餅は餅屋ですからね。
自戒の意味も含め、人体最大の器官だと言われている筋膜について語りたいと思います。もしよろしければ、お付き合い頂けたら幸いです。

これまで筋膜の存在を無視してきた医学界

さてこれを読んでいるみなさんは”筋膜”と聞いてどんなことを考えますか?筋膜という言葉が一般的になったとはいえ、筋膜についてさらっと答えれる方がいたら、相当からだのことに興味のある方か、運動指導やリハビリを提供している専門職の方なのではないかと思います。

さらっと答えられない方のために、できるだけわかりやすく説明するとしたら鶏肉の皮と身の間にある白くてちょっと半透明みたいな感じのヌメッとしているやつが筋膜です。

調理する時にはなんだか邪魔に感じるやつですね。

筋膜、それ自体はずっと昔から私たちのからだの中にある組織なのですが、それが長きにわたって医学界では無視されてきた理由の一つに、手術のとおきに邪魔だからというのが理由らしいです。

”筋膜”の拡大写真 クモの巣のように分布しています

鶏肉を調理する時も、ちょっと切りにくかったりするので、切ることをベースとした西洋医学では同じように「あってもなくても大差はないんじゃない??」的な考え方になるので、あまり重要視されてこなかったのかもしれませんね。

そんな”筋膜”について、新たな発見として注目を浴びたのは2018年でした。
NewsweekやCNNでも取り上げられることで、一般にも認知されるようになったことだと思われます。

米ニューヨーク大学医学部を中心とする研究プロジェクトは、2018年3月27日、科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で研究論文を発表。「皮膚の下にあり、消化管や肺、泌尿器系に沿ったり、動脈や静脈、筋膜を囲んだりしている層は、従来、結合組織と考えられていたが、実は、体液を満たし、相互に連結し合う区画が、全身にネットワーク化されたものであることがわかった」とし、「これを間質という新たな器官として定義すべき」と世界で初めて提唱した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?