見出し画像

「サラリーマンは健康に悪い」のはなぜか、考えてみた

そんなこと言われても、ねぇ、というタイトルだ。
でも、28年のサラリーマンライフを終えて、フリーになって約1年。
しみじみ思うのは、コレなのだ。

「だからみんな辞めちゃえ」という話ではない。
「辞めちゃったオレ、えらい」なんて話でも、まるでない。
そうじゃなくて、サラリーマン時代だって、もっとやれることがあったはずなのだ。
そのためにはある「資源」が決定的に重要なのだ。
社会と企業は、もっとその資源の有効活用を認めたらどうだろうか。
世の中のいろんな問題がいろんな角度から改善すると思う。真面目な話。

52歳のオジサンの反省記と提言を少々。個人の感想です。

辞めて変わったこと

会社勤めをやめて、2つの「日々、ひとまずやる」ことを決めた。
読書と運動だ。
読書についてはこちらをご参照のこと。

運動の柱は、50歳過ぎで始めた水泳だ。

昨夏にフリーになってから、多い時は週5回、少ない時で週3回というペースで通った。今は筋肉がつきすぎたので週2回に減らし、代わりに楽々超絶腹筋マッシーン「エルビオ」を週1回やっている。

プールも「エルビオ」もやらない日は、朝30分、夜30分ほどストレッチをみっちりとやる。
1年ほど続けている「イス軸法」も革命的に心身の健康に良い。しかも超簡単。そのうち詳しくご紹介します。気になる人はググってください。

最近では神田や大手町あたり、片道30分程度なら自転車で行くようにしている。夏や真冬は無理だろうけど、これも続けたい。

という具合になんだかんだやって、この1年で体力は30代半ば以降で最高水準になった自覚がある。胸板は人生で一番厚い。下半身の筋肉も30代のころと変わらないレベルに戻った。

たぶん、ずっと睡眠不足だった

体力を再建する過程で痛感したことがある。
会社員時代は慢性的な寝不足だったのだ。
学生時代は10時間でも12時間でも寝られたのに、就職してからは「1日6時間でOK」と自己認識していた。
実際、夜は5~6時間寝て、昼か夕方に20分くらい仮眠をとれば大丈夫だった。

と思い込んでいた。
ところがどっこい。

今の私は短くて7時間、長いと8~9時間、寝ている。
寝覚めはバッチリ、頭も冴え冴え、身体もキビキビだ。
たまに6時間で目が覚めると、睡眠不足感があって調子が出ない。二度寝か昼寝が必要だな、と感じる。

体質が変わったわけではなく、日々、しっかり運動していることが大きい。私は村上春樹信者ではないが、彼がインタビューで語った「1日は23時間しかない」を人生の指針にしている。1時間は運動のためにある。
もうひとつ、とても大きいのは、午前中に極力予定を入れないようにスケジュールを調整していることだ。
怠惰のなせる業ではない(私は怠惰な人間だが)。
運動で促進された睡眠欲を充足するのを優先事項に置いているのだ。
その方が仕事もプライベートもはかどる。
6時間睡眠しかとれなかった日は、パフォーマンスが低い。4~5時間だと明確に「きょうはダメだな」となる。

恐らく、サラリーマン時代は28年間、普段はこの「ちょっと調子出てない自分」で乗り切っていた。大事な仕事、楽しいイベントはアドレナリンで乗り切っていたのだろう。

サラリーマンに時間の自治権を

振り返ってみると、自分がサラリーマン時代に「6時間睡眠でOK」と思い込んでいたのは「そうじゃないと回らない」からだった。
7時間も8時間も寝てたら、仕事をこなせないのだ。ローテ仕事だってある。
5~6時間睡眠にしないと、仕事をこなしたうえでやりたいこと、読書や映画やビリヤードなんかをやる時間がとれなかった。
休みの日も「寝て終わっちゃう」のが嫌で、いつも通りの6時間睡眠をキープしていた。
ペースが出来ると身体が慣れるのでその方が楽という面もあった。

でも、本当は、もっと寝た方が良かったのだ。
今はそう確信できる。
いろいろな国際比較の統計を見ると、日本人は平均睡眠時間が世界最低レベルで少ない。これと、日本経済の生産性が異常に低いことは、どこかで繋がっているのではないか。

良い睡眠のために必要な条件はシンプルだ。
適度な運動。
お酒・カフェイン控えめ。
寝る前にスマホは触らない。
寝る前の2~3時間は頭から「業務」を締め出すこと。
そしてもちろん、寝るための時間の確保。

飲酒、カフェイン、スマホ以外でカギとなるのは時間のゆとりだ。
職種やライフステージによって、ままならない人や時期があるのは知っている。私だってそうだった。
それでも振り返れば、勤め人をやっている間だって、もっと自分で工夫して睡眠時間を増やすことはできたはずだと思う。

さらに言えば、もっと働く人の睡眠という視点で社会や企業の在り方が変わって良いと思う。
カギを握る「時間」という資源の自治権を、もっとサラリーマンにも与えるべきではないか。
サラリーマンだけじゃなくて、子どもも、学生も、主夫&主婦も、あらゆる人が、もっと睡眠を優先できるようになった方が良いのではないか。

でも、タイムマシンに乗って20年前の自分に「もっと寝ろ!」と忠告したら「何を眠たいことを言うとんねん」と言われそうだな。

おあとがよろしいようで。

====================
ご愛読ありがとうございます。
経済青春小説「おカネの教室」、新潮文庫になりました。

YouTube「高井宏章のおカネの教室」、有料級動画がザクザクです。

投稿はツイッターでお知らせします。フォローはこちらから。


無料投稿へのサポートは右から左に「国境なき医師団」に寄付いたします。著者本人への一番のサポートは「スキ」と「拡散」でございます。著書を読んでいただけたら、もっと嬉しゅうございます。