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「おカネの教室」ができるまで①はじめに

この文章、「『おカネの教室』ができるまで」は、私こと高井浩章がデビュー作を執筆して出版するまでの経過をたどるものになる、はずだ。「おカネの教室」同様、構成をはっきり決めないで書き始めているので、どんなものに仕上がるかはわからない。筆任せの方が書いていて楽しいし、大事なものがこぼれ落ちない予感がするので、そうする。

「置く棚がない」変な本

まず「おカネの教室」をご存知ない読者のために。「おカネ」は、「経済解説がストーリー上の重要な要素になっている青春小説という妙な本だ。「青春小説の要素を加味した経済解説書」ではない、と作者は思っている。それは、これからこのシリーズで示す創作過程からも明らかになってくると思う。
「妙な本」という言葉には「類書のないユニークな作品」という自負もあるが、それにしても客観的に妙な本だと思う。事実、出版社や書店関係者からは「並べる棚が決まらない」と苦情をいただいている。この「妙な本」であることは、「おカネ」が最初は電子書籍の個人出版として世に出たこととも関係している。
扱いに困る変な本にも関わらず、「おカネ」は発売3か月(2018年6月時点)で5刷を数え、2万部近く出ている。電子書籍も数千単位で売れている。無名の新人のデビュー作としては上々の滑り出しだろう。
ストーリーのさわりだとか設定については、おいおいこの文章でも触れるし、いますぐ知りたい方は下のAmazonのリンクをたどってほしい。キャラ紹介を含めて過不足ない説明がある。

おカネの教室 Amazon

作者の本業は新聞記者

プロフィルも少々。筆者の本業は新聞記者だ。経済や国際問題などを担当する記者・デスク(編集者)として20年以上の経験がある。株式や債券などマーケットの担当が長い。1972年の生まれで、今年で46歳。高校生、中学生、小学生の娘がいる。「高井浩章」は本名から一文字だけ変えたペンネームで、読みは同じ。なぜそんな微妙な選択をしたかも、おいおい書いていこう

ここで取り上げるのは「おカネ」を書き始めた2010年の春から紙の書籍として出版した2018年の春までの出来事だ。
なぜ、どうして、こんな変な物語を書いたのか。それがなぜ本にまでなってしまったのか。編集の過程でコンテンツがどう変わっていったのか。本を出すとなると、今どきの著者は発売前にどんなことをするのか。
こうした経験を、備忘録というか、頭の整理としても記録を残しておきたいと思ったのも、この文章を書くきっかけになっている。
当初、「おカネ」はKindleの個人出版プラットフォームKindle Direct Publishing=KDPで出したものなので、そのあたりの事情や経緯も興味がある方には面白く読んでもらえると思う。

ざっくりまとめれば、この文章は「サラリーマン記者が娘に書いた家庭内の私的読み物が、紙の書籍化としてそれなりのヒット作になった顛末記」となる。シリーズは、おそらく20回程度になると思う。すべて無料公開する

本の前書きとパーティーの挨拶は短いほど良い、というのが私の信条なのだが、思いのほか長くなった。さっさと本題に入ろう。

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