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韓国のブックレビューがフェアネスにあふれていたので、日本のAmazonレビューにモヤモヤしてしまったという愚痴

今の嫌韓ムードの中でこんなこと書くと、一部から反感買いそうな気もしますが、記憶と印象が新しいうちに書き留めておきます。

拙著「おカネの教室」の韓国版が出てちょうど1カ月たちました。

私、ハングルはさっぱりなんですけど、Google翻訳に頼ってなんとか韓国ネット書店最大手の「YES24」にたどり着きまして。
どうやらこちら、ライブのチケットも扱っているようで、K-POPファン御用達みたいな存在っぽいです。知らんけど。

エゴサの鬼・高井さんのことですから、ランキングとかレビュー数とか、定点観測しております。新しいおもちゃみたいで、楽しいです。
まず順位なんですけど、「青少年向け」というカテゴリー内で30~60位ぐらい、総合順位で600位から1000位ぐらいに入ってます。
ま、ハッキリ言って、「それってどれくらい売れてんの?」ということは、さっぱり分かりません(笑)
でも、楽しいです。

韓国のブックレビューは綺麗

嬉しいのはレビューでして、なんと9月12日時点で早くも33件!
しかも、★平均9.2!

「内容」と「編集・デザイン」で5点ずつ、合計10点満点というシステムのようです。
Google翻訳頼みなので推測・憶測だらけなのですが、どうやら版元が人気ブロガー・レビュアーに献本してレビューを書いてもらう、というシステムがあるもよう(末尾に「本の提供を受けました」というレビューがいくつかありました)。

で、これまたGoogle先生の微妙に崩壊気味の翻訳を頼りに「どんな反応なんだろう」と拾い読みしているのですが、先日、あるレビューでこんな下りにぶつかって軽い衝撃を受けました。
日本語を整えると、こんな趣旨です。

「売春と戦争を一緒に説明するのは、慰安婦は職業だったという日本政府の主張を代弁するような感じがした。まったく関係ないとも読めるが、時節が時節だけに、そう連想してしまった」

全くの盲点。
でも、言われてみれば、確かに2つのキーワードを結び付けて解説する下りがあるんです。慰安婦問題とは全く関係ない内容ですが。
嫌韓派の方なら「関係ない話を結びつけんなよ」とでも言うところでしょうが、私は感動しました。
なぜなら、こんな「連想」に言及してあるのに、レビューは「内容」「編集・デザイン」とも星4つだったんです。

他のネット書店のレビューを見ても、今のところ、星1つとか星2つという低評価はゼロで、内容は真っすぐ本の内容を批評したものばかり。
日韓関係がどうだとか、日本人著者の本だから云々というものは、1件もない。
それと、お時間があったら上のリンクから飛んで、レビューをいくつかのぞいて見てほしいのですが、皆さん、本をとても大事に扱ってくださってるんですよ。カフェや野外でSNS映えする写真を用意してくれていて。
どうやら自分のブログとネット書店のレビューが連動する仕組みがあるようなんですね。リンクで飛べるケースがあります。
これは凄く嬉しい。
日本でも、ブログで取り上げて下さる読者は好意的な方が多いし、写真なんかも見栄えがするので、著者としては有難いんです。

この投稿にも書いた通り、出せるかどうかも危ぶまれる状況で、でもしっかり出してもらえて。

勝手な想像で「でも、日本人の本なんか買うなよ、とかレビューついちゃうだろうな」と身構えていたら、ちゃんと一個の作品として評価してもらえて。
「それはそれ、これはこれ」というフェアな精神。妙な心配をしていた自分を恥じ入りました。
韓国の読者の皆さん、ありがとうございます!
한국의 독자 여러분, 감사합니다!(←Google翻訳です。合ってる?)

「よたげん」?

ここからは、高井さんには珍しく、愚痴というか嘆きです(笑)

日本語版の「おカネの教室」も引き続きコンスタントに売れてまして、レビューもスローペースながら、ポツポツ増えています。出て1年半が経とうというのに、本当に有難いことです。
なんですけど。
韓国版の読者のフェアネスに感銘を受けているさなかについた最新のレビューに、ちょっとモヤモヤしてしまいまして。
こんなのです。

装丁は★5で、中は与太原多く★1かな
3人の登場人物にあだ名を付けたりして、本書が始まった時から、ヤバそうだと疑ったボクの直感は当りました。最後まで読みましたけど、いわゆる与太原(よたげん。どうでも良い与太話の原稿)が多く、まぁ頭に入らない入らない。カバー、装丁は良いのにね。

佐藤亜沙美さん・ウルバノヴィチかなさんのコンビによる素晴らしい装丁が5つ星をキープしてくれたので、総合では星2つを頂戴できたわけですが。

与太原?
よたげん?

初耳なのでググっちゃいましたけど、まぁ出てこない出てこない。
これ、どこかの界隈ではフツーに使われる用語なんですかね。
1つ語彙が増えました。

低評価なのは別にいいんです。いや、良くはないけど(笑)
でも、実際、本には相性がありますから、低評価レビューがつくのは仕方ない。
ただ、他の1つ星、2つ星のレビューは「私には合わなかった」「新聞を毎日読んでいるような大人があらためて読む必要はない」「物語形式はかえって読みづらい」「論旨がはっきりしない」といった感じで、「ああ、この方には合わなかったんだな」と納得できるものがほとんどなんですよね。
そういうのと比べると、この「よたげん」ってのは……。
お買い上げいただき、通読までしてもらって、「ご愛読ありがとうございました」なんですけど、ちょっと悲しいというか、さびしい気持ちになりましたねぇ。
ま、「よたげん!」って書いてスッとして元がとれたと思ってもらえるなら、それで良しとしましょうか(笑)

ちなみに、私は「嫌な予感」がした時点で、どんな大枚はたいた本だろうが、即座に読むのを止める派です。時間まで無駄にしたくないので。

目座せ「勢い」1万!

しょうもない愚痴、終了。

話を韓国版に戻しますと、YES24にはランキングやレビュー以外に、「販売指数」というパラメーターがありまして、これが面白いんです。
Google先生の翻訳をベタ張りします。

販売指数はYES24で販売した商品の数量表示がない、当社で集計する一種の販売実績数値です。商品の累積販売分と最近6ヶ月販売分の量と注文件に総合的な重みを与えて集計します

うん。よく分からん(笑)要は、単純な部数じゃなくて、ある種の指数ってことですね。
よく分からんのだけど、私の理解はアレです。
2ちゃんの「スレの勢い」。
いや、ちょっと違うでしょうけど、そういうノリ。
ちなみに「おカネの教室」の販売指数をグラフにすると、こんな感じです。

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1000ぐらいだったのがグングン伸びて、7000手前で頭打ち中。
ちなみに青少年部門の現在のトップがこの本でして、販売指数は11万超え!

7月に邦訳が出たばかりのソン・ウォンピョンさんの「アーモンド」は出てから2年半経ってるのになお15位で、販売指数は6万6000ぐらい。

ちなみに「アーモンド」はYES24のランキングをチェックしてて「いい表紙だなぁ」と思っていたら、神保町の三省堂に日本語版が並んでて、速攻で買いました。「積読」の上位に割り込んでます。
「訳者あとがき」によると30万部突破、13か国で翻訳というお化けです。早く読みたいな。

こういうモンスターたちと競り合えるとは思ってませんが、ひとまず拙著も「勢い1万」の壁を超えてみたいな、と。
いや、それって、どれぐらい売れたら超えられるのか、さっぱりわからないんですけどね(笑)
いいんですよ、楽しければ。

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