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方向音痴は才能だ、という話

ウチの長女と友達サトミンの今日の実体験を聞いて、あまりに面白いので、備忘録的にシェアしたくなった。

南へ、とは?

長女とサトミンは今日、お茶の水の駿台予備校で模試を受けた。ちなみに長女はロンドンに2年いた影響で、サトミンは普通に浪人生で、一年遅れの受験生。2人は小学校からの友達だ。

模試が終わり、二人は神保町から都営新宿線に乗って江東区・江戸川区方面に帰ろう、と思った。
ここでサトミンが「任せろ」とリードしたのが運のつき。たどり着いたのは、小川町だった。真南に行くはずが、微妙に東にズレている。
それでも、まあ、これくらいなら誤差の範囲だ。
問題は、小川町の駅で、二人は「あと一駅、岩本町まで歩けば50円安くなる」という事実に気づいたことだった。
万年金欠の2人は、外に出て、お茶の水から歩いてきた方向の先に向かえば良いだろう、と見当をつけて、岩本町を目指した。だが、それでは、東に向かうべきなのに、南に進んでしまう。
そしてたどり着いたのは、大手町だった。

奇麗なビルのある方に

この時点で2人は、「グーグルマップを見ない」という謎のルールを自分たちに課したらしい。
方向音痴な女子のクセに、小気味よい決断だ

岩本町と大手町では、方角的に90度ほどズレている。そして、大手町は多くの地下鉄路線が集まっているが、都営新宿線はない。長女は半蔵門線でも自宅に帰れるし、サトミンは東西線でもOKなのだが、無知かつグーグルマップを見られないので、それはわからない。

そんな2人が次にとった選択肢は、オジサンの想像力を超えている。

奇麗なビルと皇居っぽい方に行こう。

意味不明である。
でも、2人は、読売新聞東京本社あたりから、お堀端のパレスホテルまで辿り着いたらしい。

すごいのは、この2人は、この間、つまり、

お茶の水→小川町→大手町→二重橋

と進む間、ずっと南進していると思っていたと言うのだ。時計回りに270度ほど回頭しているのに、だ。

この時点でも、まだ2人は都営新宿線の駅を探していた。どんどん岩本町から遠ざかっているのに。
そして、都営新宿線と並走するように、今度は進路を日比谷方面にとったという。理由は、もはや本人たちにもわからないだろう。

そして、そこから先は本当に謎なのだが、最後は新橋から銀座線に乗って帰ってきたらしい。

何キロ踏破したのか、正確なところは分からない。
でも、おそらく、真っ直ぐ向かっていれば、長女は江東区の自宅まで徒歩で辿り着いたと思われる。サトミンの江戸川区の自宅までは無理かもしれないが。

まあ、これは、若さゆえの「遊び」なのだろう。
マトモな方向感覚があったら、こんな迷走はできない。
方向音痴ゆえに豊かな散歩ができることもあるのだな、と、人並み以上の方向感覚を備えた男子としては、ちょっと羨ましい。

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