韓国発「悪童日記」が問う愛と倫理 『アーモンド』
本稿は光文社のサイト「本がすき。」に10月11日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。
先天的な偏桃体=アーモンドの疾患で、怒りや恐怖を感じることができず、他人の感情も理解できない主人公の少年ユンジェを、祖母は「かわいい怪物」と呼ぶ。ある悲劇を機に孤独な生活を送るユンジェの生活に、もう一人の「怪物」ともいうべき、数奇な生い立ちの少年ゴニが足を踏み入れてくる。
社会に溶け込めない異物である二人の「怪物」と周囲の人々の織りなすドラマを描いた「アーモ