【トータルサポート】人参養栄湯(にんじんえいようとう)は気・血・心・脾・肺、全ての虚証を改善!
人参養栄湯(にんじんえいようとう)は、複数の生薬が組み合わさって構成される漢方薬で、特に全身の虚弱状態を改善するために使われます。それぞれの生薬について、科名を含めて詳細に説明します。
構成生薬とその作用
当帰(トウキ)
科名:セリ科
作用:補血作用。血を補い、血行を促進し、特に女性の健康や血液循環の改善に役立ちます。
芍薬(シャクヤク)
科名:ボタン科
作用:補血作用、筋肉の緊張を和らげ、血行を改善します。血液の循環を良くし、痛みを和らげる効果があります。
地黄(ジオウ)
科名:ゴマノハグサ科
作用:補血作用、体に潤いを与えて血を補います。滋養強壮の効果があり、乾燥した体を潤します。
人参(ニンジン)
科名:ウコギ科
作用:補気作用。体のエネルギー(気)を補充し、全体の気力を高め、疲労回復に役立ちます。
白朮(ビャクジュツ)
科名:キク科
作用:補気健脾作用。胃腸の働きを健やかにし、余分な水分を除去して消化機能を助けます。
茯苓(ブクリョウ)
科名:サルノコシカケ科
作用:補気作用、心を落ち着ける効果があり、余分な水分を排出することで体内の水分バランスを整えます。
黄耆(オウギ)
科名:マメ科
作用:補気作用、免疫力を高め、体を守る働きをします。エネルギーを補い、疲労感を軽減します。
甘草(カンゾウ)
科名:マメ科
作用:調和作用。他の生薬の作用を調整し、胃腸を整える効果があります。消化器系の働きを助けます。
遠志(オンジ)
科名:ヒメハギ科
作用:鎮静作用。心を安定させ、不安や緊張を和らげる働きを持ちます。
陳皮(チンピ)
科名:ミカン科
作用:理気作用、去痰作用。気の流れを良くし、余分な痰を取り除きます。消化を助け、胃腸の不快感を軽減します。
桂皮(ケイヒ)
科名:クスノキ科
作用:温経通脈作用。体を温め、血行を促進する働きがあります。冷えの改善に効果があります。
五味子(ゴミシ)
科名:マツブサ科
作用:鎮咳作用。咳を止める効果があるだけでなく、体内の潤いを保ち、エネルギーの漏出を防ぐ働きがあります。
効果・用途
全体的な効果:気・血・心・脾・肺、全ての虚を改善する漢方薬で、特に体力が低下している人や精神不安が強い人に適しています。
対象となる症状:疲労、倦怠感、息切れ、食欲不振、動悸、冷え症、精神不安、咳など。
適応:極度にエネルギーが低下している状態(気虚)、血が不足している状態(血虚)、心や肺の働きが弱い(心気虚・肺気虚)場合に使用されます。
使用のポイント
陰虚には注意:この漢方薬には陰虚を治す生薬は含まれていないため、体液や潤いが不足している場合は別の生薬を追加する必要があります。
切れ味の調整:多くの生薬を含むため、他の漢方薬と比較して効果のスピードが遅いこともありますが、全体のバランスを重視して使用されます。
特に向いている人
全身の気力と体力が極度に低下している人。
精神的に不安定で、メンタル面でもサポートが必要な人。
どこから治療を始めたらよいか分からないほど虚弱な状態にある人。
人参養栄湯は、非常に複雑な虚弱状態を改善するための漢方薬として、慎重な使用が求められますが、適切に使用すれば心身のエネルギーを補充し、回復を助ける効果が期待できます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?