2020-7-20 日記. ベンチャー企業の研究者: 科学に民主化をというとき何を意味するか.

最近, 科学に民主化をという話が出てくる. だが, その意味は何だろうか.

科学に民主化をという人がいたけれども, 民主化とはなんだろうか.

1. 市民の直接参加

2. 市民による研究の決定

3. 市民がアクセスできる研究リソースや情報の整備

4. 市民が科学に関するリテラシー教育を受ける権利を等しく有する

ここら辺だろうか.

1. については, 学会や論文誌などは所属に限らず広く参加が認めらている. その一方で, その予算は自費で賄うか, 国で賄うのが良いのかは議論が分かれるところだ.

 一方で, 市民研究者がクラウドファンディング などで寄付を募るのは1つの方法だろう.

2. 市民による研究の決定

どの研究にお金が支払われるかどうかは, かなり専門的な内容になるので代議主義的に研究者のコミュニティの善意に基づいている. その意味でいえば民主化されていないと言えるかもしれないが, 政治でも直接的に関与するものはそれ相応の責任やリテラシーが必要なので,  それを満たすべきコストと考えると政治家になるにはそれ相応のコストが必要なので,  同じとも言える.

3. 市民がアクセスできる研究リソースや情報の整備

 研究者が共有する情報はほぼwebに公開されており, 必要なリテラシーさえあれば読み解くことができる. ただ研究のリソース, 実験器具などは高額になることがありこれらは手に入れられないこともある. しかし, 予算のかからない研究も存在しているので市民が活躍できる領域は存在しているはずである.

ただ, 研究者同士のコミュニティだったり, 業界情報が共有されないのは不利であることは間違いない.

4. 市民が科学に関するリテラシー教育を受ける権利を等しく有する

これについても全ての人がリテラシー教育を受ける権利を持っている。ただ学んだとしても十分その知識が学べるかはわからないし, 研究者に必要な知識を全て伝えられるわけでもない. 他の職業と同じようにプロになるためにはそれに必要な学校が用意されており, それに行くことが前提になっている.

だからこそ研究には委任という形で研究者たちが研究を行なっているのだろう。

こうみると個人の能力の問題と, お金をどうやって調達するのかというのが問題になるように思う. アカデミストのようなクラウドファンディング などを通じて研究を広くチェックしてもらいながら進めていく人間が, 研究所以外から出てくるともっと市民化が進むだろうとは思っている.

ここから先は

0字
このマガジンでは、今考えているアイディアや、これから仕掛けていきたいビジネスのこと、研究のことについて書いていく予定です。マガジンの内容については無料で全て見れますが、支援してくださると嬉しいです。

研究について日々考えていること、ベンチャー企業で働いている中で研究とビジネスの関連性について気づいたこと、人生について考えていることについ…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

サポートよろしければお願いします!