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DJ童貞、爆射精

先日、縁があってDJイベント「ピコロック」に出演させてもらった。初めての経験だった。僕がDJ機材を触り始めたのはコロナ禍からで、友人の誘いで練習会に参加したのがきっかけ。
2、3年ほど内々で音を鳴らしていて、折角だからお客を呼ぼうとのことでイベント開催に至った。主催には感謝の念が尽きない。

結論から言うと、イベントはめちゃくちゃ楽しかった。お客のみなさんが助けてくれたのも大きかったし(大感謝です!)、とにかくまず自分が1番楽しもうという気持ちがあったので、その通りにはできたと思う。
ただし課題は沢山残った。特に感じたのは、客前に立ったときの「フロアと自分らしさのバランス」と、イベントでの「役割をまっとうする難しさ」の2つだった。

まず1つ目、客前でやるDJについて。当然だけど、スタジオ練で回すのとは全然違っていた。
曲間の繋ぎを「第1のミックス」とするならば、フロアに向けたキャッチーさと自分らしさをうまく混ぜるプレイは「第2のミックス」のようだった。
要するに自分の好きな曲だけをかけても伝わらないし、逆に媚びすぎてもつまらなくなるってこと。

このバランス感覚を掴むには現場の温度を見ないといけないけど、これはステージに立たないと育たない感覚だろうと思った。

実際に僕は2℃下がったんか?ってくらいスベったのを実感したし、逆にレンチンのごとく熱を帯びたのも見た。
このへんはもうスタジオと現場じゃ全然違う。オナニーとセックスくらい違う。あれは実質もうセックスだった。

2つ目、イベントでの役割について。これは練習会で習ったもののひとつで、イベント全体の流れ(例えばスローテンポから始まり、動員に合わせてアップテンポの曲を増やす等)を意識することで演者の役割がおのずと決まってくる、というもの。
このイベントでは初心者DJが多かったこともあって、主催から事前に折れ線グラフが提示され時間帯ごとに流す曲のテンションやBPMがふんわり指示されていた。

僕の場合は出番が最後だったので、BPM130くらいの多幸感があってシンガロングできる曲を中心に、後半に向けてオーラス感のあるエモめな選曲をするように調整していた。
イベント全体の雰囲気をDJ陣が一丸となって作っていくのが、これまた面白い要素のひとつだった。

最後に、以上を踏まえて自分らしさをどうやって出していったかって話をする。

僕には実力も経験もないし、どういうDJが楽しんでもらえるんだろう?ってかなり頭を悩ませた。それで、自分が今まで行ったイベントの楽しかった瞬間をトレースすればいいと思って"DJのコピバン"みたいなことをやった。

これがもうバリバリの三次創作で(笑)、例えば中田ヤスタカが昔やったマッシュアップとか、サカナクションのライブの定番ミックスとか、他にも自分がイベントで踊ったことのある曲を中心にかけた。

それで僕はDJしながらこれまでに観たステージからすごく沢山の影響を受けてることを実感したし、色んなDJさんから楽しいことをいっぱいもらってたんだってことに気がついた。それがもう僕の人生の一部になってるし、もらった楽しさと感動は絶対本物だったなと。

楽しかった思い出さえすぐに過去になってしまうし、忘れないようにしても記憶は薄れていくものだけど、これまでのことは僕の中で確実に生きているんだなって実感したイベントでした。

主催してくださったマジレスさん、共演してくださったDJたち、そして応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。大感謝、爆射精。何にも代え難い経験でした。

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