金沢に行ったら、お寿司の概念が破壊されました
「お寿司って、こんな食べ物だったんだ……」
金沢市は近江町市場にある回転寿司屋さん。
カウンター席に座った私は、ひとりぽかんと虚空を見つめていました。
『サンダーバード』で金沢へ
北陸新幹線が福井まで延伸開業したことにより、金沢まで走っていた特急『サンダーバード』や『しらさぎ』が福井の敦賀駅止まりとなりました。
ダイヤ改正前に両特急に乗って金沢に行ったことは、以前の記事でお話しました。
日帰りですがせっかく金沢に来たということで、市内を散策することに。
というわけでバスに乗って数分、「近江町市場」にやってきました!
実は金沢に行ったらぜひ訪れてみたかったお店が、この市場の中にあるのです。
それがこちら、『もりもり寿し』です!
数年前に金沢で宿泊した際、ホテルの人に「おいしい海鮮のお店はないですか?」と尋ねたら、「ぜったいここがおすすめです!」と教えてもらったのが『もりもり寿し』でした。
地元の人が太鼓判を押すお店……。
どんな味なんだろうといざ行ってみると、コロナ禍の影響か何かで早めに店じまいをされていて、まさかのおあずけ……!
「今度金沢に行ったら絶対あの店に行ってやる!」と悶々しながら過ごしていたのですが、ようやく念願叶う時がきました!
まるで立体迷路のような『近江町市場』
さすがにお昼時とあって、店の前には行列ができていました。
ここまで来たら一時間でも待ちましょうという覚悟で来たので、受付票に名前を迷わず記入しました。
すぐに名前を呼ばれることはないだろうと思い、近江町市場の中を少し散策してみます。
「おみちょ」という呼び名で親しまれている市場は、なんと2階部分もあり、ところどころに連絡通路がアーケードの中を横切っています。
まるで立体迷路のようで、歩いているだけで冒険気分!
散策中、コロッケ屋から漂ってきた揚げ物の匂いに足を止めました。
商店街の中のコロッケって、なんでこうおいしそうにみえるのだろう。
しかも金沢らしく、海鮮系のコロッケも!
お寿司を食べる前ですが、ちょっとだけならと甘えびコロッケと、のどぐろコロッケを購入。
早速甘えびコロッケをかじってみると、コショウがきいたタネと小ぶりな海老のぷりぷりの食感!
さくさくの衣自体もしっかり味がしみている一品でした。
のどぐろコロッケは持ち帰りで家で食べましたが、フィッシュフライに近い味わいで、少し時間が経ったあとでも充分おいしかったです!
いざ、『もりもり寿し』へ!
コロッケを食べ終えた後、名前を呼ばれました。
意外と回転率が速く、30分ほどで席に着けた気がします。
ちなみに『もりもり寿し』は回転寿司屋さんですが、今回はすべてタッチパネルから注文させてもらいます。
そして最初に頼んだのが、『北陸五点盛』と地酒です!
まさかのおあずけをくらってから数年、そのお寿司がどんなものか、味わわせていただきます!
まずはのどぐろから。
(写真右端手前)
……
あっっっめぇええええええええええ…………
な、ななななんだこの脂の甘さは?
これはもはやトロ。
あっさりと、上品なトロ。
私、回転寿司屋に行ったら必ずといっていいほど甘ダレをつけて食べますし、この時も甘ダレを用意していたのですが。
まったくいらん。
甘ダレも、しょうゆも、わさびも、まったくいらん。
のどぐろさえあればいい!!
その勢いで左上のイカっぽい軍艦巻きもぱくり。
え、……海苔がパリッパリなんですけど?
だめだ、スーパーの寿司パックの軍艦巻きのイメージで臨んでいた私のイメージが軍艦の主砲でバリバリに破壊されていく。
そしたなんだ、このねっちょりと舌の上でとろけていく身は……?
……白エビだ。
――寿司には甘ダレ。
――軍艦巻の海苔はやわらかい。
そんな凝り固まった定石を、新戦法によってボロボロに破られた私は、未だ衝撃が癒えないまま、真いわしを追加で注文しました。
いわしってあれだろ、節分とかで焼いてたべる――
あっまーーーーーい!!!!
ねっとねとのトロ!
濃厚な甘みがずっしりと舌に絡みつくぅぅぅ!!
いわしって、こんな味がする魚だったんだ……
そして箸休めに地酒をぐびり。
終始「ツーン!」と来るキレが、魚の脂をさっぱりとリセットしてくれます。
そして大好物のつぶ貝を注文。
こんな大粒なつぶ貝も初めてだぁ。
噛み応え抜群で、コリッコリッという食感とともに磯のしょっぱさと身の甘みがやってくる……!
そうか、なぜ醤油につけなくてもおいしいかわかりました。
スイカに塩をかけたら甘みが増すように、この磯の風味が食材の甘みや旨味を引き出しているのかも。※あくまで素人の考えです。
その後もさざえやあわびなどの貝類を立て続けに注文。
さざえはしょっぱくてクセがあるかなーと思ったので、ここで初めて甘ダレを試してみたら、クセが消えた!
甘ダレは塩味が強めの貝類に合わせるといい、と個人的に学びました。
その後、鯛に近い食感のうまづらはぎを頼み、〆の一品で頼んだのが……
真いわしです。
すんません、一番ハマっておかわりしました。
あー、大満足。
それまで寿司や魚になんとなく抱いていたイメージを、一貫一貫が違った形で撃ち砕いてくれた『もりもり寿し』でした。
おまけ:未練のない一杯を
食事や散策を終えて金沢駅に戻ってきた際に、立ち寄ったお店があります。
地酒を扱う「金沢地酒蔵」です。
ここでは石川県内の地酒を豊富なラインナップで取り揃えているほか、100~300円の価格で試飲を味わうことができます!
これなら「あ! あのお酒気になってたんだよね!」と北陸旅に未練を残さずにすみますね。
私も『もりもり寿し』で気になっていた地酒をここで試してみました!
列車旅も、お寿司もお酒も絶品。
新しい価値観を堪能できた金沢旅でした。
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