
馴染みのない業界についてインタビューする方法
ライターやってると、たまに全く馴染みがない「知らんがな案件」を振られる事があります。
特に専門分野がない自分の場合、金融、製造業、テクノロジー、財務、小売、卸、なんかいろいろ頑張ってるオジサンなど、いろんな人達を取材する事になるのですが、
「クライアントのバリューをマキシマイズするためにシームレスなソリューションをギブするコミットメントによってフラジャイル化しがちなタスクをインテグレートできるHRテックによるアサインがSDGsなんです。で、最近どぉ?」
みたいな訳の分からない話をされて無の境地に入る事も。
そんな場面でも極力慌てないための方法を書いてみます。
「ふんわり理解力」を駆使
まず、インタビューの事前準備ですが、相手の業界用語を知らなければ話になりません。なので出来るだけ多くの言葉の意味を調べる事になります。
インタビュー対象の過去記事や動画があれば出来るだけ見て、知らない言葉の意味をネット検索で潰していきます。ただ、用語解説を見てもイマイチ分からん(大体がそう)場合、「ふんわり理解力」を発揮します。
例えば「SDGs」について、その項目を全て知らなくても「ああ、なんか地球に優しい事して目先の損得よりも長い目で見ましょうって事ね」くらいの理解で十分です。
「メタバース」は「仮想空間でなんかいろいろ楽しい事するやつ」、「ブロックチェーン」は「いろんな人が監視してるから安心なやつ」、「ゴーイングコンサーン」は「この会社大丈夫?って疑ってる感じ」等々、映像としてふんわり頭に浮かぶようにしておきます。
出来るだけたくさんの用語をふんわり理解したら、次に過去記事の内容全体やホームページなどで相手が語っている事、事業内容などを理解します。この時もふんわり理解で構いません。相手の資料が乏しい場合は、同じ業界の有名人が語っている記事などを読んで、全体をふんわり理解できるかトライしてみます。
余裕があれば、その道に詳しい第三者に事前レクチャーをもらうという手もあります。その際はお茶でも奢ってあげると良いです。
相手の大きな方向性を捉える
超専門的な媒体に記事を書くなら話は別ですが、人間の関心事って大体決まっていて、経営者の場合なら
どうやったら金儲けできるか
どうやったら商品、サービスが売れるか
どうやったら会社をデカくできるか
どうやったら社会の役に立てるか
といったベクトルに向かっています。難しい用語や言い回しはその為の手段を説明するものに過ぎません。
学者の場合なら
研究が何を解決するのか知って欲しい
今までの研究と何が違うのか知って欲しい
といった感じです。
用語の意味に囚われすぎるより、大きな方向性を外さない方がよほど重要です。
それでも話についていけない時
とは言え、やっぱり取材の現場では話について行けずに困惑する事もあるわけで。
そんな時自分の場合は
「今説明いただいた●●は、●●という解釈で合ってますか?」
と、自分なりの解釈をぶつけて確認していきます。
一般常識があって、大きな方向性さえ忘れなければそれほどトンチンカンな解釈にはならないはず(たぶん)。特に読者も専門外の人が多い場合、この「●●という解釈で合ってますか?」とその答えのやり取りはそのまま原稿に落とし込む事ができるので便利です。
で、冒頭のカタカナコメントを解釈すると
「顧客がやってる仕事がグワーっと伸びるために俺たちがガンガン解決策をくっつけて、みんながバランバランに行動しないように指導できるいい感じの人材をコンピュータに選ばせて送りこむからさ。これで事業長続きするっしょ。で、あんたは最近どぉ?」
てな感じです。
知らない世界を知るのって楽しいです。
結局なんだかんだ言っても好奇心が一番大事だったりするんですけどね。