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『アトリエの街にて』音楽&動画制作Note

ヒロスノウノヲトMusic Worksのミュージック・ビデオ第5弾は、タイム・カプセルを開いて、昔むかしの遠~い昔、僕が学生時代に作った曲をお届けすることにしました。
…とは言っても、録音は2019年にしたものです。

まずはこちらの動画をご覧下さい。(所要時間:4分38秒)

メロディーやギターの響きがちょっと不思議な雰囲気に聞こえませんか?
この曲では「オープンD」という変則チューニングを使っています。

今では押尾コータローさんなどをはじめ、こうした変則チューニングを使うアコースティックギタリストはたくさんいますが、当時は、このような変則チューニングを使った演奏はずいぶん珍しがられて、初めて応募したヤマハ主催のポピュラーソングコンテストでは一次審査を通り、東京大会への出場を叶えた僕にとっては記念すべき楽曲です。

当時はこの曲をギター1本だけの弾き語りで演奏してましたが、動画の中でのギターアレンジはほぼ当時のままです。

ただ唯一違うのは、当時は2カポでこの動画より1音高いキーで演奏していました。

『WANTED』

動画の最後にアナウンスしておりますが、この曲の冒頭の歌詞にはある詩人の詩の一節を引用しています。
当時読んだ詩集の中にみつけた詩がとても気に入り、その一節にメロディーをつけてみたことからこの曲ができました。

その詩の一節がこちらです。

「コタン小路には昔の恋人が感心できない暮らしを続けている」

当時フランスに憧れて、パリの街並みの写真集をよく眺めていました。
そんな中、この詩に出会い、ブワーッとイメージが膨らんで。。

そして大好きな響きのオープンDにチューニングしたギターを爪弾きながら15分くらいでこの曲が完成してしまったことを覚えています。

そして長い年月が経過して、大切なタイムカプセルを開けるような気持ちでこの曲をきちんと録音しようと思い立ったのが2018年のこと。

そこでこの曲を生むきっかけとなったあの素敵な詩は、誰が書いた何という詩だったんだろう…と一生懸命探してみたのですが、未だに見つけることができないのです。。

もしご存知の方がいらっしゃたら、是非ともお知らせいただけますと非常に嬉しいです。。

さて曲の話に戻りますが、そんなわけで2018年7月、編曲のために初めてこの曲の採譜をしてみました。

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変則チューニングですし、当時、響きの気持ち良さだけで考えたギター演奏ですから、今回の採譜でこの曲がどんなコード進行だったのかを、僕自身も初めて知ることになりました。

||: D7                 | D6                  | D(b13)          | D                    :||
|| D                    | C69                | Gm9/D              | D                     ||
|| D                    | C69                | Gm9/D              | D       Em F#m ||
|| G9                  | F#m+5           | Em11                | D        Em F#m ||
|| Gm9               | F#m+5           | Em      Em/D     |A7(9)   A7(-9)    ||
|| D                    | D                    ||

ある程度予想はしてましたが、やはり変なコード進行ですね…笑。

ブルースでもないのに7thコードで始まっていたり、コードの性格を決める3度の音が抜けているコードもチラリホラリ。。

そして、ちょっとマニアックな^^話をするとですね・・・
面白いと思ったのは3小節目のD(b13)のコード。この(b13)というのはBbの音なのですが、分散された和音の中には5度のA音も入っているのでBb音は5度が変化したオーギュメントコードではなく、テンションノートのb13という解釈になってます。

このようにA音とBb音が混在していて、しかもテンションのb13がトップではなく、内声で鳴っているというのが不思議な響きに聞こえているひとつの要素なのかな…と感じました。

また、ずっとD音が鳴っているのもこのチューニングの特徴で、このようにフワッとした不思議サウンドが出来るわけですね!

こうして歌のメロディーと、コードをスコアに落としたら、あとは音を紡ぐ楽しい作業です!!

僕の場合は、どことなくパズルを組み上げていく感覚でアレンジが進んで行きます^^

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基本はオブリガードやリズムなど、頭の中に鳴った音を楽譜に落として行くのですが、音の選択に悩んだ時や何も出てこない時などは、理論や定石などがとても役に立ちます。

そして原曲は弾き語りですから、あまり大げさではなくあくまでギターと歌が中心の素朴なアレンジにすることを心掛けました。

今回はパリの雰囲気を出すため、曲中のオブリガードにバンドネオンの音を入れてみました。バンドネオンとは、鍵盤のついていないアコーディオンのような楽器です。

そしてパリの街角や、シャンソニエで演奏されるバンドネオンの演奏を思い浮かべながらフレーズを考えました。

しかしながら…実は僕、まだ一度もパリに行ったことがありません。。
そんなわけで実際にパリの街角や、シャンソニエでバンドネオンが演奏されているのかどうかも知りません…。

パリの風景に憧れて写真集まで買って眺めていたのにねぇ…笑。

でもパリといったらバンドネオンですよね?!僕のパリのイメージは果たして正しいのか…いつかパリを訪ねて確かめてみたいと思います!

おそらく、当時の弾き語り音源も、東京大会での演奏もどこかに眠っているはずなんですが、いつか見つけたらまたお披露目したいと思います^^


『アトリエの街にて』
【作詞・作曲・編曲】ヒロスノウノヲト
(但し、詞の一部にある詩の一節を引用)

【演奏&コンピュータープログラミング】
Vocal, Chorus, Guitar & Other Instruments
ヒロスノウノヲト

【動画制作】ヒロスノウノヲト

【イラスト~パリの風景~】鳥伊くるみ

【使用機材】
Guitar:Jack Spira 0000-250
Microphone:RODE NT2-A
Mic Pre Amp:Golden Age PRE73MKIIIPlus (Guitar& Lead Vo. only)
Interface:Apogee Duet

【作曲&ギターアレンジ】When Hiro was 23 years old!!
【編曲】2019年1月4日~
【録音完了】2019年3月31日
【ミックスダウン完了】2019年4月3日

Hiro Snownote Music Works

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