スターバックス「Investor Day 2022」の全内容を日本語で要約してみた(5)
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目次
イントロダクション
ミッションとアンビションの話(Howard Schultz, Interim CEO)
「Reinvention」について(Frank Britt, CSO)
「パートナー」について(Frank Britt, CSO)
「カスタマー」について(Brady Brewer, CMO)
「ストア」について(John Culver, COO)
スターバックス中国について(Belinda Wong, China Chairwoman)👉 この記事
北米と中国以外のスターバックスについて(Michael Conway, Group President, International and Channel Development)👉 この記事
CPG(Consumer Package Goods)について(Chanda Beppu, VP of Global Channel Development)👉 この記事
「テクノロジー」について(Deb Hall Lefevre, CTO)
財務目標について(Rachel Ruggeri, CFO)
アナリストからのQ&Aセッション
スターバックス中国について by Belinda Wong, China Chairwoman
上海のロックダウン、そして店舗が再オープンするまでの動画
中国でのスターバックスの存在感は増している
店舗数: 6,000店舗
パートナー数: 60,000人
デジタル比率: 40%
中国は巨大な成長可能性を持つ市場
コーヒー市場の成長率は2025年まででCAGR23%を予測
都市化が進んでいる
ミドルクラスが増えている
中国の一人当たり年間コーヒー消費は 12cup だが、日本は200cup、アメリカは380cup(ちなみに2012年に調査したときはわずか年間3cup だった)
成長アジェンダ 3.0
店舗ポートフォリオを増やす
オムニチャネルの拡大
自宅とテイクアウトの需要を増やす
デジタルとテクノロジーの強化
スターバックスリワードメンバーのエンゲージメント向上
商品のイノベーションとコーヒー業界におけるリーダーシップの強化
パートナー体験の向上
サプライチェーンとコーヒーエコシステムの強化
2025年までの目標
9000店舗(+3000店舗) ※アメリカの直営店舗数と並ぶ
FY22と比較して +50% の売上成長
300都市に進出
9時間に1店舗の新規出店
2:1 売上投資比率
2年で店舗の投資回収
すべてのカスタマーのオケージョンをカバーする
流通チャネル
Proudly Serve Starbucks (オフィスとか売店とか、スタバの店じゃないところでスタバのコーヒー売るやつ)を 5000箇所まで増やす
55万カ所のスーパーやコンビニでCPGを販売する
デリバリー
2018年から開始(自社配送)。平均デリバリー到着時間は19分。
2025年までに2倍に増やす
今後3年で4億注文
ギフティング
CAGR 30%で成長している
さまざまなデジタルプラットフォームで扱えるようにする
スターバックスリワードの強化
2025年までにメンバーを 1.7億人まで増やす
90日アクティブメンバーを2倍に
パートナー体験の強化
カルチャーの共創
給与と福利厚生
コーヒーへのパッションとプライド
デジタルへの投資
シンプル化
インテリジェント在庫管理
品質保証
フードセーフティ管理
最適化
パートナーのシフト管理
自動化
IoTの活用
テクノロジーとデータ基盤に3年で2.2億ドル投資する
コーヒーエコシステムを完成させる
焙煎工場
統合された物流センター
体験センター(open to public)
サステナビリティ(3年で1,200万ドルをサステナビリティに投資)
2025年のビジョン
売上2倍
営業利益4倍
9,000店舗
95,000人のパートナー
北米と中国以外のスターバックスについて by Michael Conway, Group President, International and Channel Development
スターバックスインターナショナルの現状(北米以外)
1996年以来、世界で81の地域にまで成長
20万人のパートナー
18,000店舗
世界のスターバックスの50%以上を占める
グローバル展開
1000店舗以上の地域:日本、韓国、中国、UK
500店舗以上の地域: インドネシア、メキシコ、台湾、トルコ
500店舗に迫る成長地域:タイ、フィリピン、サウジアラビア、インド
100店舗以上の地域は24もある
店舗数の成長率でもグローバルリーダー(2019-2021 : 16%)
主要グローバルマーケットで No.1 コーヒーブランド
中国、トルコ、サウジアラビア、日本、韓国、UAE、フランス、インドネシア、インドで No.1
インターナショナルのFY2023目標
売上成長率 〜30%
営業利益成長率 〜50%
新店舗開業 600+
直営とライセンス店舗のバランスをとったアプローチ
直営(56%)
中国や日本などスケーラビリティの高い地域
高い成長
資本の制約がない
収益への貢献度が高い
ライセンス店舗(44%)
高い営業利益
最低限の資本投下
ROICへの貢献度が高い
直営地域の紹介(日本)
そろそろ2,000店舗
2019年に導入したばかりのモバイルオーダーが 6% まで増加してきている
ちなみに日本は2022Q3で過去最高売上と営業利益を更新した
中国(40%)やUS(25%)と比べるとデジタルの伸び代は大きい
ライセンス地域
ライセンスビジネスはスターバックスにとって真の競争優位性
ライセンシーの特徴
地域内で既に市場シェアを持っているプレイヤー
非常に有能
大資本であり、店舗を運営するだけではなくパートナー・ストア・デジタルへのイノベーションに投資ができる
南米のライセンシー「Alsea」
Alseaの紹介 by Alberto Torrado Martinez, Chairman, Alsea SAB de CV
元々個人的にスターバックスのファンだった
メキシコでも全く同じスターバックス体験を提供したいと考えて始めた
ちょうどスターバックスとパートナーシップが始まって20周年
最初の計画は 350店舗だったが、今はメキシコだけで750店舗、南米全体で1500店舗を展開している
スターバックスのビジネスモデルについて
他のブランドと比べてユニーク
ユニットエコノミクスがとにかくいい。投資が低く面積も少ない、メニューも少ないしキッチンもない、人員も少なくて良い
カスタマーの来店頻度が高い
ROIの高さとブランドのユニークさで No.1 ブランド
パートナーへの投資と、それがビジネスに与える好影響について
これから2.25億ドルのパートナーとストアへの投資をコミットする
パートナーに成長機会を与えることで、離職率は30%
ヨーロッパ・中東地域のライセンシー「Alshayaグループ」
Alshayaの紹介 by John Hadden, CEO, Alshaya Group
クエートの家族経営企業
50年の歴史と18地域で70の国際ブランドの展開
スターバックスとは22年前から。最初は50店舗だけの契約だったが、今は13の地域で1,700店舗を展開
スターバックスのビジネスモデルについて
ブランドとの信頼が成功の要因
他の国際ブランドと比べてもユニットエコノミクスが比較にならないほど良い
投資、マージン、ROI、人員、外食に限らず全てにおいて優位
スターバックスブランドはCOVID後の回復力が高い
ストアへの投資と、それがビジネスに与える好影響について
ストアデザインはカスタマーにとって非常に重要
この地域はほとんどのカスタマーがイートイン
スターバックスの本社は地域性を理解してコラボレートしてくれる
デベロッパー(家主)がスターバックスを欲しがる。一つのモールに16店舗もスターバックスがあるモールもある
スターバックスはたくさんの店舗フォーマットがあるのも魅力。多くの立地に出店できる。スターバックスのユニークネスの一つに「フォーマットの自由度」
韓国のライセンシー「新世界グループ(Shinsegae)」
Shinsengaeの紹介 by David Song, CEO, Starbucks Korea
元々は韓国サムソンのリテール部門だった
スターバックとは23年間のパートナーシップで1700店舗を韓国で展開
売上も利益も2桁成長を続けている
スターバックスのビジネスモデルについて
高いキャッシュフローによって現状は自己資金で成長ができる
カスタマーとのインタラクションが多いので、グループ全体のリテール部門のカスタマータッチポイントとなりグループのモメンタムを作っている
テクノロジーへの投資と、それがビジネスに与える好影響について
アジアの中で中国と日本というスーパーパワーに挟まれているのでイノベーションは韓国にとって必須。政府一丸となってテクノロジー、イノベーション、インフラに投資してきた
24/7のハイスピード回線が当たり前
韓国スターバックスアプリは全ての韓国のアプリの中で top50 のダウンロード数
2014年にスターバックスで最も早くモバイルオーダーを導入した
My Drive-thru Pass でドライブスルーのカスタマーの車のナンバーを読み取ってコンタクトレス決済ができる
インターナショナルの3つの機会
ライセンシーと一緒に、ストアパートナーに投資しパートナー体験を向上させる
コーヒーマスタープログラム
バリスタチャンピオンシップ
ドライブスルー
日本ではドライブスルーは FY2019の9%からFY2022は15%まで伸びた。これから3年で開業する新規店舗のうち2/3はドライブスルー店舗になる
UK(世界で4番目に大きなスタバ市場)は新店の75%をドライブスルー対応に
中国以外のインターナショナルの新店舗の45%がドライブスルー店舗になる
USでもドライブスルー店舗はより高いAUV、高いマージン、高いROI
中国を含めたインターナショナルで今後3年間で30%の店舗数成長率を目指す(25,000店舗)
カスタマー志向の商品イノベーション
USで成功した商品を世界展開(Shaken Espresso, Refreshersなど)
ローカル商品も成功している。韓国の Chocolate Glazed Latte や、日本のメロンofメロンフラペチーノ
日本のメロンofメロンフラペチーノは、1日・1店舗あたりの注文数はUSで大成功しているパンプキンスパイスラテの2倍もある。
ローカルな商品イノベーションはインターナショナルの成功に必須
デジタルへの投資
デリバリーは 52%の店舗で導入済み。主要地域では売上の10%以上ある
モバイルオーダーは 59% の店舗で導入済み。売上比率は10%程度だが、まだまだ伸びる余地がある
Starbucks Digital Solution で世界中のライセンス店舗でモバイルオーダーをシームレスに導入できるようになる
CPG(Consumer Package Goods)について by Chanda Beppu, VP of Global Channel Development
CPGの戦略的なブランドルール
店舗の外でスターバックスへのアフィニティ(親近感)を育てること
Coffee Addressable Market(獲得可能なコーヒー市場)
フードサービス
Ready-to-drink
コーヒー豆(ホール)
コーヒー豆(挽き豆)
インスタント
シングルサーブ
これらは世界のコーヒー市場の 70% を占める
スターバックスのCPG
世界で86の地域に展開
毎週3億人のカスタマー
コロナ禍でもシステム売上がCAGR 19% の成長
まだシェアは小さいのでこれからの伸び代が大きい
グローバルリーダー企業とのパートナーシップで市場開拓
ネスレ
2018年にグローバルパートナーシップ締結
ペプシコ
28年間のパートナーシップ
成功のドライバーは3つ
ブランドリーダーシップ
広いリーチ
幅広いポートフォリオ
at-home コーヒー
USで No.1 ブランド
USの市場規模は 110億ドル
世界73地域に展開
14つのキープラットフォームに展開(K-Cup、Nespressoなど)
新しいカテゴリの Starbucks Creamers は 24% 成長。2億ドルのビジネスになった
Nespressoコーヒーの中で売上シェア 65%
Ready-to-drink
ready-to-drinkコーヒーは世界で 220億ドルの市場規模
世界で No.1 ブランド(シェア率15%)
世界で 65 地域に展開
22のキープラットフォーム
ボトルフラペチーノは発売から25年
新しいカテゴリーの開拓
エナジードリンク
BAYA
プラントベース商品
ココナッツベースフラペチーノ
コールドドリンク
ピンクドリンク
目標
2030年までにシステム売上を2倍に
よりスターバックスに貢献するマージン
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