【ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023】挑戦者の紹介VOL.13⦅native.合同会社⦆
「広島から、ユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く急成長する企業を10年間で10社創出する」ことを目標に掲げた「ひろしまユニコーン10」プロジェクト。このプロジェクトの一環であり、事業の急成長を伴走支援する「ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023」に挑戦中の16社に、改めて事業の概要や今後の展望などをインタビューしました。
■native.合同会社 CEO 川本寛之さん
「インドでの婚活アプリ開発・運営ノウハウを活用した日本展開」
プロフィール
広島市出身。D2Cコスメブランドでマーケティング、メガベンチャーでインド海外子会社を創業。現地代表として、子会社経営、経営管理に従事した。インドのデカコーン企業OYO日本法人創業メンバーとして事業開発、人事、PM、グロースを経験。独立系VCグローバルブレインにてインド投資チームの立ち上げ、リード、CVCファンドの立ち上げを実行。
2022年にインド(バンガロール)に移住し、DID、NFT等のweb3スタートアップの経営支援に従事。2023年8月にコミュニケーションTechサービスを開発、提供するnative. 合同会社を創業。
― 創業のきっかけは ―
2021年の定期検診で医者から持病の難病の悪化に伴い、緊急入院を促されました。追い打ちをかけるように告げられたのは「余命10年かもしれない」という宣告。それでも気持ちを切り替え、残り3650日で何ができるだろうと考えた末、失敗してでも何かに挑戦する姿を我が子に見せたいと思い、起業を決意。前職で人材業務に携わる中で「人と人をつなぐ仕事」に価値を見いだし、趣味として1000人以上を占った経験を生かせる事業がないかと模索し、新たなコミュニケーションツールの開発に至りました。
― 事業内容は ―
インドで20~30代を中心とする若者向けに、現地で人気を博す日本の伝統思想であるIKIGAI と統計データを掛け合わせたパーソナルカード「native.card」を中心にソウルメイトをマッチングするサービス「native.」の開発・運営を手掛けています。生年月日から性格、運勢を判断する「命学」のロジックを用い、21万6000通りのパターンから抽出します。生年月日を入力すると1秒後に自身の性格、恋愛傾向、理想のデートプランとパートナー、恋愛アドバイス、複数の欲望パラメーターなどが表示される仕組みです。自身の傾向と似た人物が自動的に表示され、プロフィール欄のお気に入りボタンを押すと相手に通知が届き、相手も同ボタンを押すとマッチングが成立。その後はメッセージのやりとりのほか、15分間のオンラインブラインドデートが可能となります。
― 他社との違い、強みは ―
インドでは占い師の社会的地位が高く、外注などで簡単に巻き込めないという背景があるため、経営者である私自身が占いを得意とすることは特長だといえます。インドの20~30代の人口は約5億人で、近年はお見合いから恋愛結婚へのシフトが加速。インドよりもマッチングアプリの開発・運営が先行している日本をベースにしながら、当社はタイムマシンを使って未来からの先端技術をもたらすような存在として、現地でサービスを提供できます。
― プログラムの参加のきっかけは ―
広島県が運営するイノベーション・ハブ・ひろしまCampsで、スタートアップアドバイザーの星山さんからひろしまユニコーン10の情報を得たのがきっかけでした。自身が広島出身ということもあり、一切の迷いなく参加を決意。死期が近づいていく中、ユニコーン企業へと成長を遂げることで育ててくれた広島に恩返しがしたいと思いました。2023年はG7広島サミットの開催もあり、平和について訴求する絶好のタイミング。人間関係がうまくいくような明るいニュースを世の中に届けたいと思ったのです。
― 今後の展望や夢は ―
日本ではアプリと同名のカードを既に展開しています。通信アプリのLINEでQRコードを読み込み、生年月日を入力すると3秒後にカードが発行され、アプリと同様に自身の性格などが表示される仕組みで、既にユーザー1万7000人の実績があります(2024年1月時点)。日本では「価値観の不一致」「互いに歩み寄れない」「自身の価値観を押し付けてしまう」といった理由で3組のうち1組が離婚しているというデータも。他者と良い関係を築き上げていくためには、目の前の人に優しく、感謝の気持ちを持ち、謙虚に向き合う姿勢が必要です。当社のサービスはこういった人間関係をより良いものにするための手助けが出来ると思っています。今後は婚活のほか保険・不動産業界といった営業活動、就職活動の自己分析などでの利用を促し、ユーザー10万人以上の獲得を目指します。
― 編集後記 ―
「世界中で使われるコミュニケーションツールを作る」をミッションに掲げ、現在は日本とインドの2拠点で活動するnative.合同会社。日本は経済大国である一方で、2023年の世界幸福度ランキングでは47位と低い順位であり、川本社長には「経済成長が必ずしも人生幸福度と比例関係ではなく、肉体・精神・社会的に満たされたウェルビーイングが必要だ」という強い思いがありました。生年月日のみをベースとした統計学による手軽さ、トレーディングカードのようなコミュニケーションを誘発し、視認性を高めたデザインで新たなコミュニケーションツールとして多彩な応用が期待できそうです。
★☆native.合同会社の参照サイト★☆
http://bit.ly/3IIYZJc (※サービスリンクのURL)
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