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【ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023】挑戦者の紹介VOL.11⦅株式会社VISUALIZ⦆

「広島から、ユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く急成長する企業を10年間で10社創出する」ことを目標に掲げたひろしまユニコーン10」プロジェクト。このプロジェクトの一環であり、事業の急成長を伴走支援する「ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023」に挑戦中の16社に、改めて事業の概要や今後の展望などをインタビューしました。

■株式会社VISUALIZ(ヴィジュアライズ) 代表取締役 高尾 雅史さん
「AI・AR活用する街の情報アプリ」

代表取締役 高尾 雅史さん

プロフィール
神奈川県に生まれ、広島県府中市で育った。1984年に東京の美術学校「セツ・モードセミナー」を卒業。貿易会社で働いた後、先輩が立ち上げた会社に入社し、社内ベンチャーとしてマーケティングやシステムの受託開発に取り組むコンピュータ部門を統括。リーマンショックによる経営難を背景に同部門を引き継ぎ、2009年に個人事業主としてBuddys Creative Officeを創業した。同事業の傍ら、2015年にCG制作、ウェブサービス開発のヴィジュアライズを設立。(現在はBuddys Creative Officeをヴィジュアライズに統合)


― 事業内容は ―

AIとAR(拡張現実)を使う「次世代情報サービス」を開発しています。具体的には、インターネットやSNSからイベント情報を収集・分類するAIシステムを構築。グルメ・美容などのジャンルを自動で付与し、日時や座標(緯度・経度)に変換した住所などとともに蓄積します。これをARと組み合わせ、建物や商店街などの街並みにスマホをかざすだけで、近隣のイベントが吹き出しなどの形で表示される〝街の情報アプリ〟を作ります。ARで実際の風景に重ねて表示するため、土地勘のない観光客などにも視覚的に伝えられます。
閲覧者が実際に訪れたかどうかGPSなどから分かるため効果測定がしやすく、将来はイベントやセールの告知を有料で行う広告媒体として運営したいと考えています。データのみの販売も計画し、スマートシティ構想に取り組む大手デベロッパーなどから引き合いがあります。車のフロントガラスに案内を出す「ARナビ」用途も見込んでいます。データ提供は2024年春、アプリは24年中のリリースを目指します。データの販売先を含め、当システムで集めたデータの閲覧者を25年までに100万人にするのが目標です。

Webデータと現実世界を融合させたサービス


― 他社との違い、強みは ―

着想は4~5年前。休日に「今日どこかに行きたいな」と思った時、そういうものを網羅したウェブサイトは少なく、あっても過去の情報ばかりでした。私が知る限り、「今ここで何が起きているか」分かるものは現在もありません。さらにそれらをAR表示する取り組みは他にないと自負しています。22年にマイクロソフトのスタートアップ支援プログラムに採択されたほか23年10月に特許を取得しています。


― プログラムの参加のきっかけは ―

事業化に向けて伴走支援先を探していたとき、コンサル会社から県の担当者を紹介されたのが縁で参加しました。経験豊富なメンターの方から投資家がどんなことを考えているか、実際の投資のプロセスなどを教えていただき、資金調達に向けた動き方を定めることができました。現在、県外の企業と資本・業務提携をする方向で話を進めています。調達資金でAIに例題と正解を学ばせる「教師データ」の作成業務の一部を外注して、精度と開発速度を上げたいと考えています。


― 解決したい社会課題など ―

システムの受託開発をしていた創業時から一貫しているのは「物事にかかる時間を少しでも早くしたい」という思い。年齢を重ねるごとにいっそう時間の大切さが身に沁み、時間泥棒から時間を取り返すストーリーの児童文学にちなみ「プロジェクト・モモ」と名付けて当社のビジョンの一つにしています。ここ数年でDXが叫ばれ世の中が随分と便利になりましたが、まだできることはたくさんあります。例えば、何かを調べるときに検索サイトを使いますが、これはウェブサイトを探すものなので、さらに何度かクリックする必要があります。AIを活用することで欲しい情報にワンアクションでたどり着ければ、真に便利な世の中に近づくのではないでしょうか。

オフィス風景


― 今後の展望、夢は ―

開発中の技術はイベント情報にとどまらず、幅広く活用できると考えています。例えば、今働いてくれる人員が欲しい企業の情報を近くの人に通知すれば、さまざまな業界で問題になる人手不足の解決に役立てられるのではないでしょうか。災害時に近隣の避難所情報を提供したりすることもできます。


― 編集後記 ―

インターネット上の情報を収集・分類するAIシステムを手掛けるヴィジュアライズさん。開発中の街の情報アプリは、手軽に近隣のイベント情報を得たい消費者と、集客したい事業者などの双方にメリットがあり、地域経済の活性化に一役買いそうです。ゆくゆくはARに加えて、現実と仮想空間を融合したクロスリアリティー(XR)などのメタバース分野にも対応していく計画とのことで、今後の展開に期待が広がります。

★☆ 株式会社VISUALIZについての参照サイト ★☆
https://www.visualiz.jp/


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