学習系イベントを振り返る

今年もあっという間に過ぎ去りあと1ヶ月ちょっとで新年になる。しばらくじっくりと振り返る時期にしよう。毎年2週間ほど時間を使ってうまくいったこと、うまくいかなかったことを反省することにしている。特に時間を使って活動したことは何か。成果があったのか。それを探るひとつに参加した学習系イベントがある。ほとんどのイベントは以前から続けているもの。さてわたしは参加者として来年どうしようか。読者の方の推薦できるのか。

わたしが参加しているイベントは7つほどある。法律やビジネスで日頃から情報をアップデートしたい。そのためには専門に近い人たちと交流する。それが狙いだ。個人としての関心は経営であり、その中でも財務とITに関心が高い。ただイベントに参加してもなかなか学習に結びつかないというのが率直な意見だ。不正や迷惑も起きて参加した後に不快になるのが原因だ。あえてそういったことも書いてみます。

これらはわたしが参加したかぎりの評価であってだれにでもあてはまるわけではありません。個人によって目的や関心事が違うのは当たり前です。成果がなくても参加することだけで時間を過ごしているひとがいることは承知しています。これを最初にお断りしておきます。

それぞれにつき最初に概要を書き、続けてイベントの理想形というものをベースで書いてみます。理想は1.健全であること。2.目的がありそれに忠実に向かっていること。3.学習できること。そして4.信頼できること。これら4点です。それぞれどいういうことか。

まずは健全であること。これはいいスポーツのようにすがすがしいこと。勝っても負けてもあとくされなし。勝敗に関係ないところで学びがある。その前提にはルールがあり、規律正しく行われていること。どうでないと反則がおきる。円滑な運営ができない。参加しても悔しさや喪失感が残る。

健全であればお得でありお金を払ってもいいと思える。会費制にしても人は集まり増えていく。またスポンサーもつきたがる。主催者がひとりよがりで金銭的負担を負うこともないし、労力を強いることがない。

次に目的が明記され共通認識されていること。目的は何なのか。それが着実に実行されているか。どんな関心の的があるのか。ある程度の範囲がないといけない。企業であればミッションやビジョン(姿)に相当するもの。案内文にどおりにされていること。つまり表向きと実態に相違ないこと。

そして学習。まず形式的にちゃんとしていること。場がつくられ決まった流れで進行すること。時間を使った甲斐があり負担の分担が公平であること。スキルとして聞く力と話す力がつく。ファシリテーションができる。内容面では知識が着実に増えていき学びがあること。

最後に、これが一番大事なことであるが、協力的であること。主催者、発表者、そして参加者が友好的であること。そうでないといい関係が築けない。信頼できる場にならない。安全であり脅威がないこと。不必要な摩擦や闘争があると参加する人が防衛的になってしまう。心理的安定性がありフレンドリーであること。

最後に読者の大学生の皆さんに参加してほしいかどうかで締めます。

GRIPS政策研究大学院大学

大学院生を対象としたセミナーを主催している。ズームで開催されるものと対面形式と両方ある。

健全性は良好。主催者が物理的な施設を六本木に構えている。政府・民間より財務的な支援を受けている。学習面として案内、イベント内容、質疑すべてでしっかりしている。形式面・内容面においてなんら問題がない。目的としては識者が政策について専門的な立場から講演を行う。それで参加者は最新の情報を入手できる。内容面でも信頼性、信憑性は高い。

わたしは来年も引き続き参加していく。自分の関心のあるテーマに絞って参加すればためになる。他にいえることは政策に関わるひとは参加したほうがよい。大学院への入学希望者も参加した方がよい。一般聴講であって聞くだけも価値のあるセミナーとしてお勧めできる。無料。

Harvard Business School Club of Japan

ここはハーバード・ビジネス・スクールの卒業生が運営している。一般公開したことによりわたしも参加するようになった。HBRの記事を紹介しているウェブサイトもある。

目的は2つ。ひとつは日本市場のリサーチと日本人のHBS合格者を増やすこと。もうひとつはHBSの広告媒体でありネットワーキングの場。学習としてはビジネスで何が起きているかを知るにはよい場所であること。ただしHBSという過度のリベラル思考の学校であることを念頭にする。日ごろから経営書や実務経験をとおしてバランスをとること。日本の経営は保守的。イベントは参加型でないため協調性については判断できない。

HBS含めアメリカのビジネススクールは学費が高すぎることで日本人はほとんどいかなくなった。2023年度の合格者は2名だけだった。応募しないのはアメリカでMBAを取得して帰国してもビジネスで成功しないため。以前は毎月開催されていたが今年はイベント実施回数が減った。年6回まで減っている。目的と照らし合わせて参加をすべきかどうかを判断すべし。

わたしはあまり参加することはないだろう。イベントが減っている。また何をテーマにしているのかいまひとつつかみどころがない。他にはHBSに留学したい人は参加したほうがいいだろう。

ここから以下は母体のないイベント。つまり個人あるいは有志によるイベント。当然のことながら完全には程遠くイベント中に不正、迷惑、違反行為が発生します。

NY MBA日本人会

オンラインイベントを探していたところでたまたま見つけたもの。facebook上で「MBA」と検索して見つかった。ニューヨークでMBAを取得したひとたちが集まる会。日本人のひとたちが金曜日の夜8:00に集まる。組織の外でビジネスの関心事をまじめに話す会。日本では土曜の朝から2時間。毎回主催者がゲストを迎えて1時間ほど発表をしてくれる。それを視聴して質疑30分と懇親会30分。

健全性としては母体はなくNYにいる6人の有志によるもの。金銭的支援なし。会費なし。スポンサーなし。一般常識は守られている。目的は組織の外でビジネスのことを語る。懇親会をベースに交流を主体としたイベント。主催者がハーバード大学出身。学習面では主催者がビジネスと社会課題に関心があり法律の専門家が発表に招く。その場合は法律用語を理解する必要あり。学習系オープンイベントとしては珍しく不正や迷惑行為がない。日本語で開催しているのと外国人が少ないためであろう。

わたしは3年続けたが2024年からは開催後に送付される開催レポート読むのみとする。理由は経営以外の分野で内容が難しいため参加を見合わせる。参加人数は15~30名程度と増減なし。

ハーバード・ビジネス・レビュー読書会

DHBRを読んで参加者と論点を話し合う会。Peatix上で募集をかけている。毎月第二日曜日朝10時から2時間。3名のファシリテーターがひとりづつ各部屋につく。部屋には5人くらいいる。

DHBRは経営者や経営コンサルタント向けの月刊誌。大学教授や経営コンサルタントが寄稿している。彼らの研究やプロジェクトを紹介したものを記事にしている。学術論文ではないため専門性は低い。またプロジェクトの発表ではないため一般向けの紹介記事としてとらえる。記事の構造は課題→原因→解決策の流れをとる場合が多い。ただし一般向けにしては難解。内容はリーダーシップ、組織開発、そして企業戦略が多い。

健全性としては有志によるもので母体はない。金銭的支援なし。会費なし。運営の負担が多く無理がかかっている。あまりよろしくない。参加人数は15名程度。人数が増える傾向なし。目的は記事を読んで感想を述べそこで気づきを得る。協調性はやや低い。それは参加者はおそらく記事をそれほど読んできていないため。要約をしない。論点がなかなか提示されない。議論があまり成立しない。そのため2時間あってもなかなか成果が期待できない。

わたしはテーマに興味があるときのみに参加していく。一般の読者の方にはあまりお勧めしないイベント。

TSEP東京政治経済政策研究会

経営コンサルタントが集う勉強会。課題図書が指定してありそれを読んでくる。発表後に質疑をする時間あり。毎月第三土曜日3時30分から5時まで。参加者は不特定多数のビジネスマン。人数の増減はない。

健全性としてはやや低い。会費なし、金銭的支援なし。有志によるもの。ルールはあまり守られていない。学習面では若手コンサルタントによる課題図書の発表は一見の価値あり。Youtubeで公開されているものを視聴できる。経済、両利きの経営、ESGをテーマにしたものを視聴できる。協調面では低い。参加者が発表しない。主催者の要求が高すぎる傾向あり。そのため主催者および参加者が図書を読んでこないことがある。主催者自らその旨発言している。目的は政治・経済の知識を深めること。

30代の経営コンサルタント対象。シニアは参加対象外。一般参加はあまりお勧めしない。Youtubeで公開されているものを視聴できる。

エコノミストを読む会

2010年よりfacebook上で開催されているイベント。2023年10月末時点の状況。毎週日曜日9時から2時間。選ばれた3つの記事を30分程度討議する。参加者は10人程度。シニアが大半。若手は少ない。

健全性としてはよくない。金銭的支援なし。スポンサー企業なし。半年でズーム代3千円が発生。ルールを守らない。有志による運営。協調性はかなり低い。運営のなりてが不足。在任が長期化し運営を離れている。運営者がイベントに参加してこない。それによる不正行為、迷惑行為、違反行為が発生する。不快であること多し。不正行為は外国人によるもの。発言制限時間を守らない。討議の割当時間を過ぎても話す参加者あり。とびいりの外国人による不正行為も発生する。それを運営が制御しない。

議論に強くなることを目的とする会。海外留学先や国際会議を想定する。海外留学が減っており、国際会議に行く機会がないため参加人数は増えない。

学習面も質が低下。上半期は記事を読んでこない参加者が複数入室。いつまでもファシリテーションをしないで聞いているだけ。聞き専でファシリテーションに割り当てられると他の記事をディスカッションしているときにカメラオフにして要約をつくる。スライドをつくるという非礼行為が発生。運営がそれを一切指摘しない。

協調性は低い。負荷の高いファシリテーションをだれもやりたがらない。ファシリテーターは要約、論点整理、交通整理、時間管理、不正行為監視とすべてひとりでやらなければならない。運営側ですらやらない。ルールを作成した運営者がひとりもイベントにこない。

わたしは参加しない。facebook上でたまにどのような記事が選ばれたかを見るくらいにしておく。記事はひとりで読める。一般の人たちはこのイベントには参加はしないほうがよい。

Let' s talk about our world

2022年5月末から参加しているMeetup上のイベント。Meetupはデートアプリ。平日朝7:30から8:00まで。引退したシニアがほとんど毎回参加して大半を占める。参加人数は15名程度で増えない。去った人はもどってはこない。

健全ではない。会費なし。金銭を支援するスポンサーなし。主催者がひとりで負担。学習効果は低い。

参加の目的が不明。関心事もよくわからない。

協調面でかなりの問題がある。わたしは100回参加して50回以上話題を提供した。参加してくるひとたちは積極的に話題を提供しようとしない。むしろ話題を提供した参加者が迷惑行為により不快になる。

提供した話題に対して非礼な発言あり。「興味なし、他の話題に変えろ」、「そんな話題は話しても時間の無駄」、「そんなこと知らない、もっと一般的な話題に変えろ」など自己中心的な発言をする参加者あり。それを主催者は見ていながら注意しない。また参加者の中には横柄でおおいかぶさり場を占領してしまうひとがいる。友好的ではない。

参加者の協調性は低い。話題を持ってくるようにと複数回主催者と参加者にお願いした。それでも改善なし。ほとんどが受け身で話題を持ってこない。主催者自身も話題を持ってこない。案内には話題を持ってくるようにと書いてある。

わたしは参加はしない。一般の人はこのイベントには参加はしない方がよい。どちらかというと有害なイベントである。

以上

ここまで今年に参加したイベントについての個人的な感想です。結論としては母体があること。金銭的支援があることが必要でしょう。例えば会費制。スポンサー企業があること。無料というのはどこか怪しい。

個人によるもの、あるいは有志によるものはどこか不正、迷惑行為、不快感が発生。それを運営側が規制していない。主催側、参加側双方にとって負荷が大きいだけになりがちであること。

時間の有効的な使い方や努力しがいがあるかどうかを熟慮する必要がありましょう。