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ワーキングホリデーを支持する理由

30年前にジョージア州アトランタにあるジョージア州工科大学に留学していた。1年目が終わってホッとしていた頃、結構まじめにアメリカで働くことを考えていた。アメリカはおおらかなで細かいことをいわない国。のんびりと働くことも選択肢としてある。東京のように満員電車に揺られることがない。そういったことが理由としてあった。

ビジネススクールの在校生向けに掲示してある求人欄が目に入った。日本企業からの案件はほとんどなかった。そこで大学が主催するキャリアイベントに参加した。わたしが聞いたこともない会社ばかりでどこにいったらいいのか迷った。当時6年間の銀行勤務の職歴があったためにローカルの銀行のブースにいって係のひとに話をした。日本人は採用しないという。

あるオンラインイベントでワーキングホリデーについて話をする予定がある。制度を利用して海外に働きに行くのかどうか。最近若い日本人の中で海外にいくひとが増えているという。年齢は31歳まででオーストラリアやカナダが行先として選ばれる。増えている理由は最低賃金が日本の倍近く支払われるため。ワーキングホリデーを選択したほうがいいかどうか。わたしはこの制度を利用して海外にいったほうがいいと考えている。

理由は賃金と仕事内容そして英語が学べるといった理由です。

オーストラリアの最低賃金は$14.9(2000円、Y/$=134)であって日本の945円と比較して倍近く支払われる。1日8時間、週5日、月間20日として32万円の給料になる。これは日本国内で同じ時間働いたとしたときの16万円と比較して倍近い計算になる。

海外でなんとか切り詰めて生活したとしたら月に10万円の貯金ができる。友人と部屋をシェアすれば光熱費や食費で節約できる。1年約100万円の貯金も無理ではない。目標として5年間で500万円を持ってもよい。日本で月16万円の給料では5年間で500万円の貯金はできない。

仕事内容はバリスタやカフェのバイトといったことを想定している。そこでは仕事内容がほぼ決められており必要以外のことで働く必要はなかろう。労働基準も日本よりも厳しくない。サービスも日本のように過剰に期待されない。時間通りにはじめておわる。もちろん週末やバカンスといったことも期待できる。週2日は必ず休めるだろう。

そして英語が勉強できる。現地で仕事をしながら英語を身に着けることができるというのはなんとも魅力的。日本人となるべく会話をすることを意識的に避けてみる。現地の人たちの会話の中に積極的に入っていけばいい。そのような機会を自分から探していけばよい。

わたしはアメリカでそうしていた。例えば週末にゴルフをする。日本のように形式ばったマナーにこだわることがなく気軽に会話が楽しめる。31歳まではワーキングホリデーを利用をして海外で働く。このような選択肢を支持する。なにも留学して大学にいくことだけが選択肢としてあるわけではない。

わたしがアメリカで仕事を探していた時は31歳だった。女房と長男がいてどちらとも帰国したいという。それに就職も渋谷にある日本コカ・コーラに運よく決まっていた。そのために帰国をしてアメリカで働く選択肢を捨ててしまった。その後渋谷オフィスで働いていた時に国内のなにかどんよりとした雰囲気にほとほとまいってしまった記憶がある。

ねっとりとした気質と悲観的な根暗なひとたちが多かった。陰鬱に接してくるところもある。ところがたまに開催されるパーティになるととんでもなくはしゃいで大声で笑っている職員もいた。その二極性にほとほとまいってしまったこと。なぜにこうなってしまうのかわからなかった。

さて大学生の読者の方はどうだろう。就職して16万円くらいの給料しかもらえないというのならワーキングホリデーを利用して海外にいくのもどうだろう。迷うことなく応募して羽田空港に向かう。それでなんとかなるだろう。5年間で500万円の貯金を目標にしてみよう。31歳までしかできないことをしてみる。

国内での就職はあまりよくない。