どのくらい英語力がいるのか

英語を学ぶことから英語を使うことに変える。この分岐点は35歳。ただ英語ができたからといって年収が高いわけではない。そこまではある程度理解いただけたことでしょう。そうはいっても読者の大学生の方たちはじゃあ、一体英語力はどのくらい必要なのか。そういった疑問を持っていることでしょう。これまで大学生にとって英語は大学に合格するために学んできました。

中学1年生のときから大学生になるまで6年間。その後大学4年間を過ごしたとすれば10年間。10年英語を勉強したのであればどのくらいのレベルに達しているか。あるいは達していなければいけないのか。そういったことに対するわたしの意見を書いてみます。

大学卒業時、22歳。就職を控えて英語力がどこまで達しているといいのか。そういう疑問です。前提を書きます。

大学というところは高校と違います。高校は普通科といっておそらくいまでも国語・算数・理科・社会、それに英語が加わって5大教科といわれるものを学びます。それに体育や芸術(音楽、絵画)というものを学ぶこともあります。大学というのはどこが違うかというと専門的なことを学ぶ。なので大学4年生になっていれば専門をある程度極めていなければいけない。

例えば経済学。これはマクロ経済やミクロ経済の理論を学ぶところ。金融機関に就職する人たちが多い。経済学部→金融機関という就職口になりましょう。金融機関というのは銀行、証券、保険。不動産も含まれるでしょう。

また機械工学。機械ですから将来は重工業、自動車、船舶といったところでしょう。電気工学。ここはIT企業に就職する。データベースやネットワークを学ぶ。つまりコンピューターを使った仕事です。

さてそういった専門性をある程度大学で習得した。そこでさらに英語力がどのレベルまで達していなければいけないのかです。

その前にそういった大学で専門を磨いたのだけれども英語はあくまでも趣味にしたい。趣味で海外旅行にいったときに必要なくらい。だから英語を学んでおこう。そういうひともいるでしょう。旅行先で困らないようにしたい。ちょっと仲間にかっこいいところを見せてみたい。そこで受験英語ではない英会話を学ぶ。それがあります。

この趣味で学ぶ英会話というのはあくまで趣味。レベルはある程度あればいいのではないか。旅行先で困らない程度にしておく。

Rarejob ウェブサイト

この表はオンライン英会話のレアジョブというところのホームページから引用しています。これによると旅行にいって困らない程度の英語レベルというのはA2です。A2というのはTOEICでいえば500点くらいです。500点をとれるようであれば海外で特に困ることはない。電車やタクシーに乗れて食事がオーダーできる。十分です。さらに旅行先で音楽やスポーツについて外国人のひとと会話ができる。

もう少しレベルをあげておきたい。外国人と興味のあることについて30分程度の話がしたい。それにはB1の下のレベル。TOEICでいえば600点。もう少し高いレベル。ボランティアガイドとして浅草を案内する。そのガイドを養成する研修にも無理なく参加できること。そうなるとB1の上のレベル。TOEICでいえば700点。まずこのくらいはレベルとして持っていたい。ガイドをしながら外国人の観光客とやりとりができる。わたしはそれを18年間浅草でやりました。

600点あればガイドはできるといえましょう。ボランティアガイドとして十分に活躍できます。700点あればさらにいいでしょう。海外旅行ができる。旅行先でちょっと外国の人と話ができる。さらには国内にいてボランティアガイドとして活動ができます。ほとんどの大学生の方はここまでは英語のレベルを上げておくのが必要でしょう。600点はほしい。無理ではないはずです。

ところが大卒で専門をもつ。例えば経済学。理論だけでなく普段から新聞、テレビ、ネットで起こっているニュースの中からある程度の幅を持たせて幅広くを理解する。そうなると経済だけでなく政治、経済、社会といったところまで範囲が広がる。国際社会についても広げる。そして法律、ビジネス、技術、文化にも広げていく。そういったところまで英語で理解して討議する。つまり論理的に話がしたい。そうなるとB2。つまり700点を超えて800点に向かうのです。

このTOIEC800点、上級レベルにいくことが大学生にとって英語レベルの最終目標でしょう。大学生で800点をとれる人はそんなにいないはずです。しかしながらこの点数に向けて英語を学んでおくことは意味があります。なぜでしょうか。

日米会話学院、ウェブサイト

この表は四谷にある日米会話学院のホームページから引用しています。ここは良質な教育をするところで知られており、講師の方々も英語教育の専門家をそろえています。試しに受けてみることをお勧めします。わたしは社会人になって東京に来て通っていました。

B2、上級1です。ここのレベルに到達する。ここではじめて論理的に話せるかどうかが問われます。しかも抽象的な話題についてもとりあげて話すことができる。これはアメリカの大学レベルに近い英語力です。ここまでくると英語が楽しくなります。わかるというのがこれほど楽しいものなのか。

ただ10年英語を学んだからといって800点がとれるかというとそうでもありません。英語学習には試練がつきものです。中学の時からはじめて、毎日最低30分できれば1時間。それを大学卒業までの10年間欠かさず読む、聞く。そしてなるべく話す。こうしていればなんとかとれる点数でしょう。大卒のときに800点あるといわれれば就職先では褒められることでしょう。だからといって就職できるわけではありません。

その上もあります。C1といってTOIEC900点以上。950点にも近いレベルです。さすがにここまで極める必要はない。800点で十分です。C1というのはネイティブと同じように話せるということです。アメリカの大学で単位がとれる。またはビジネススクールにいくことができる。MBA向けです。そういったひとたちであって日本で仕事をするひとがめざすところではない。年収において差がつきません。

日本で仕事をする。そこでは日本人相手に仕事をしている。なので英語は必要だけれども日本語で仕事ができてしまう。できてしまうのであればそちらを使った方がいいではないでしょうか。わざわざ外国語で仕事をする必要がない。

ただしアメリカの大学院にいくのは900点はいるでしょう。また海外移住をして現地で仕事をするとなったら800点はあったほうがいい。

大学卒業で22歳。35歳まで続けたとして13年間あります。その間少しでも早く800点に近づければそれでいいのではないでしょうか。もし600点あったとします。そこから13年かけて200点スコアをあげるのは無理ではないでしょう。

毎日30分。それを13年かける。それでも200点あがらなかったらどこかおかしい。やり方が間違っているか。友人に相談してみましょう。その友人がある程度のスコアを持っていることが前提です。

参考になりますように。