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ファイナンスと経済の落とし穴

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経済学部に所属する大学生向けに書いています。金融や経済で気づいたことです。 抑制と均衡(Check and Balance)とは権力が特定部門に集中するのをさけ各部門間相互の均…
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2023年3月の記事一覧

グローバル化は裏目に出ている

30年前に投資銀行では二度と働かないと決意した。スイス銀行コーポレーション東京での7年間を振り返った。あんなことがあってたまるか。どこかがおかしかった。転職しようにも銀行以外のところに行くあてがない。そこでアメリカのビジネススクールにいった。転職のためにしたことだ。ビジネススクールは徹底的な軍隊教育方式でビジネスを学ぶところ。院生は朝から晩まで学習のみ。成績が平均B以下になれば放校。つまり学校から追放されてしまう。もう引き下げれない。 ひたすらビジネス戦士になることを目指す

中央銀行は万能ではない

今から35年前、東京丸の内にあった古川総合ビル内で働いていた。古河電気工業株式会社勤務ではなかった。そこにいくつか外資系金融機関がオフィスを借りていた時のことである。勤務先はスイス銀行コーポレーション(SBC)といってスイスの三大銀行のひとつだった。外資系でも職員に上下関係が残っており先輩のいうことは素直に聞かなければならない。 しばらくすると親切な先輩が外銀の在り方について面白いエピソードを話してくれた。スイス銀行の副支店長が秘書を呼び出してあることを依頼した。日本銀行職

銀行破綻後も規制強化せず

2007年くらいから始まった金融危機。ニューヨークにあったリーマン・ブラザーズの経営破綻はだれもが記憶していることだろう。当時は金融機関による無謀な貸付や住宅ローンの崩壊がとりだたされていた。リーマンという投資銀行の中でも優秀な人材を集めていたところで金融派生商品(ディリばてぃぶ)を扱っていた。ほとんどだれでも豪邸が買えるようなうそっぽい話がささやかれた。うまくいくはずはない。 大銀行の倒産により連邦準備銀行(中央銀行)は税金を投入して救済しなければならなかった。銀行の不祥

SVB破綻から推察する銀行で働くということ

40年前にアメリカから帰国して仕事を探していた。とくにあてもあるわけではなくかったぱしから電話をかけて面接をとりつけた。なかなかうまくいかない。いかないけど面接でちょっと思い出深いところもある。それは浜松町駅に直結する東芝。そこの最上階に面接に行くとオレンジジュースが置いてあった。どうぞということでおいしくいただいた。その後東芝にいくことはなかった。これはいまからすればよかったのかもしれない。 職探しは難航した。気晴らしに飯田橋にあるユースホステルに泊まった。夕食後にいろい