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一国二制度 中国経済用語

《一個國家,兩種制度》一九八四年六月二十二日,二十三日。這是鄧小平同志分別會見香港工商界訪京團和香港知名人士鈡士元等的談話要點。《鄧小平文選 第三卷》人民出版社1993年pp.58-61

p.58  中国政府が香港問題を解決するため、採用した立場、方針、政策は確固としており不変(堅定不移的)である。何度も話したように、わが国政府が一九九七年香港の主権を回復行使したあと、香港の現在の社会は、経済制度は変わらず、法律の基本は変わらず、生活方式は変わらず、香港の自由港としての地位と国際貿易、金融の中心としての地位も変わらない。香港は他の国家や地区と経済関係を維持発展、継続してよい。何度も話したように、北京は軍隊を派遣することを別にすれば、香港特区政府に対し幹部を派遣しない。このこともまた変わらない。我々が派遣する軍隊は国家の安全を維持擁護(維護)するためであり、香港の内部事務には関与しない。我々の香港に対する政策は五十年変わらない、我々のこの話は信頼していい(算數的)。
    我々の政策は「一つの国に二つの制度」を実行するもので、具体的にいえば、中華人民共和国の中で、十億の人口の大陸は社会主義制度を実行し、香港、台湾は資本主義制度を実行するものである。この数年間というもの、中国は一貫して「左」寄りの誤りを克服して、実際から出発することを堅持し、実際から出発して正しく問題を処理することで(實事求是)、各方面の工作政策を定めてきた。五年半経ち、現在すでに効果が表れている(已經見效了)。まさにこの精神のもとで、我々は「一つの国に二つの制度」の方法を香港と台湾の問題を解決するために提起したところである。
p.59   「一つの国に二つの制度」について、すでに何度も話し、全国人民代表大会はすでにこの政策を可決している。この政策が変わるかもしれないと心配する人がいるが、私は変わらないという。核心的問題、決定的要素は、この政策が正しいかどうかだ。もし正しくないなら、変わることもあるだろう。もし正しいなら、変わらないだろう。さらに突っ込んで言うと、中国が現在実行している対外開放、対内の活性化(搞活)経済政策、(これを)誰が変えられますか?もし変えれば、中国の80%人の生活はすぐに悪化し、われわれはたちまち人心を失うだろう。我々の道は正しく、人民は賛成しており、だから変わらないのだ。
 我々の香港政策は長期不変だが、大陸の社会主義に影響するものではない。中国の主体は社会主義でなければならないが、国内のいくつかの地区、たとえば香港、台湾で資本主義制度の実行を許す。大陸(では)一部の都市を開放し、一部の外資の侵入を許す、これは社会主義経済の補充のためであり、社会主義社会の生産力の発展に役立つ。たとえば外資が上海に来たとして、当然、全上海が資本主義制度を実行するわけではない。深圳も同じく資本主義制度を実行するわけではなくて、社会主義制度を実行する。中国の主体は社会主義である。
  「一つの国に二つの制度」の構想は我々が中国自身の情況にもとづいて提起したものであり、現在すでに国際的に注目(注意)される問題になっている。中国には香港、台湾問題があり、この問題の解決の糸口(出路)はどこにあるのか?社会主義が台湾を飲み込んでしまうのか、あるいは台湾が宣揚する「三民主義」が大陸を飲み込むのか?誰が誰が飲み込んでよいといいのか?もし平和的に解決できないなら、武力を用いるしかないが、これはどちらにとっても利益にならない。国家統一することは民族の願望であり、百年不統一としても、千年ではやはり統一されねばならない。いかにこの問題を解決するか、私は唯一「一つの国に二つの制度」を実行することによってだと判断する。世界では一連の問題が、平和的に解決するかあるいは非平和的に解決するかに直面している。方法を探り出さねばならない、新たな問題は新たな方法で解決できる。香港問題が解決に成功することは、国際的には
p.60  多くの問題に有益な(解決の)糸口を提供できる。世界の歴史からみて、どの政府が我々のこのように開明的政策をとったことがあったろうか。資本主義の歴史を見、西欧国家を見て、(一体)どの国がこのようなことをしたことがあったろうか?我々が「一つの国に二つの制度」の方法を採用して香港問題を解決するのは、一時の感情の高ぶりではなく、方法をもてあそんでいるのでもなく、完全に実際から出発しているのであり、香港の歴史と現実の情況を十分考慮している。
 香港の中国人が香港をよく治めることができる(能治理好香港)ことを信じねばならない。中国人が香港をよく管理できる(有能力管好香港)ことを信じないーこれは古い植民地主義が遺産として残した思想状態だ。アヘン戦争以来1世紀余りの間、外国人は中国人を馬鹿にし、中国人を侮辱してきた。中華人民共和国建国後、中国のイメージ(形象)は変わった。中国の今日のイメージは、清末期政府のそれでなく、北洋軍閥のそれでもなく、蒋父子が作り出したものでもない。(今では)およそ中国の子供たちは、どのような服装をしているかは問わず、どのような立場であるかは問わず、誰もがすべて中華民族としての自信(自豪感)を持っている。香港人もまたこの種の民族的優越感(自豪感)をもっている。香港人は香港をよく治めており、この自信(自信心)をもつべきである。香港の過去の繁栄は、中国人が主体の香港人が生み出したものである。中国人の智力は外国人に比べて劣っていないし、中国人は能力が低くはない。外国人だけができると考える必要はない。我々中国人自身がよくできると信ずるべきである。香港人は信頼していない(沒有信心)というのは、香港人の正確な意見ではない。目下、中英交渉の内容は開示されておらず、多くの香港人は中国政府の政策を了解していないが、ひとたび彼らが正確に了解すれば、完全に信頼するだろう。我々が香港問題解決に対して採用した政策は、国務院総理が第六届全国人民代表大会第二次会議の政府工作報告中で宣布したものであり、大会(の了解)を経たものであり、大変厳粛なものである。もし現在なお信頼できないと議論する人がいるなら、中華人民共和国に対し、中国政府に対し信用して託することができない(沒有信任感)というなら、(そういう人とは)ほかのこともすべて話すまでもない(談不上了)。我々は香港人が香港をよく治めることができる、
p.61 (香港人は)外国人の統治の継続させることができないと信ずる。さもなければ香港人は、断固として(香港の中国への返還を)拒否するということである(そんなことがありうるだろうか)。
 香港人が香港を治めるには限界(界限)基準(標準)がある。それは愛国者が主体の香港人が香港を治めるということでなければならない。将来の香港特区政府の主要成分は愛国者だが、当然別の人が含まれていいし、外国人を顧問に招くといったことさえあってよい。愛国者とは何か。愛国者の基準は自己の民族を尊重すること、誠心誠意祖国を擁護し香港に対する主権の回復行使を行うこと、香港の繁栄と安定を脅かさないことである。これらの条件を備えるのであれば、資本主義を信じていようと、封建主義を信じていようと、奴隷主義を信ずる者さえ、すべて愛国者である。我々は彼らすべてが中国の社会主義制度に賛成することを求めない。ただ彼らに祖国を愛し、香港を愛することを求める。
    一九九七年までなお十三年ある。現在から少しずつ過渡期の問題を解決する必要がある。この過渡期においては、一つには、大きな波動、曲折を起こす必要はなく、香港の繁栄と安定を保持する。二つには、香港人が順調に政府の管理を受け継げるように、条件を作り出す必要がある。香港の各界人士におかれてはこのためにご尽力いただきたい。

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