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国際子ども図書館

 上野公園のはずれ。東京国立博物館の左隣。明治39年(1906年)3月に開館した旧帝国図書館の建物が改修復元され、平成14年(2002年)国際子ども図書館として開館したもの。開館に至る経緯は以下に詳しい。
 亀田邦子「国際子ども図書館と私」『教育学雑誌』(2012) 53-69

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 旧帝国図書館で明治39年(1906年)完成したのは当初計画の東側ブロックのみ。昭和4年(1929年)南側の大閲覧室の部分が増築で追加されたが、結果として第二次大戦前に実現できたのは当初計画の3分の1の規模にとどまった。図書館が重視されなかったと言えばそれまでだが、反面、旧帝国図書館の当初計画が壮大な規模であったことも理解される。
 上野の図書館にいろいろな文化人が通ったことが知られている。なかでも樋口一葉(1872明治5-1896明治29)が通ったことは有名。だが、彼女が通ったのは明治39年(1906年)にできた帝国図書館ではない。彼女が実際いつ通い、何を読んだか。青木一夫「樋口一葉の読書について」『城西大学女子短期大学紀要』3巻1号1986年1月, 1-16, esp.11-13は、彼女の読書遍歴を研究した論文の一部でそれを探求している(同論文によれば明治24年6月10日から明治26年11月6日まで32回の記録があるとのこと)。一葉が通ったのは上野にあった「東京図書館」(帝国図書館の前身 明治18年1885年湯島聖堂内より上野に移転・開館)である。
 第15回BELCA賞ベストリフォーム部門
 子ども図書館は、平成14年の開館のあと、さらに平成27年(2015年)にアーチ棟が完成している(屋上に太陽光発電パネル。地下1-2階に65万冊収蔵できる書庫あり)。その結果、帝国図書館の当初計画が実現したらできたであろう中庭をもつ図書館が実現した。
 アクセス JR上野公園口から徒歩10分 
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