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東京都復興記念館

 東京都復興記念館は東京都慰霊堂とともに、都立横綱町公園内にある。場所は、都営地下鉄大江戸線両国下車A1出口出てすぐである。
 公園は震災で大きな人身被害が出た陸軍省被服廠跡に設けられている。大正12年1923年9月の震災発生時、ここは東京都が買収した空き地で、周辺の人々の避難場所になったが、持ち込まれた家財道具に飛び火したことと、折からの強風により、多数の焼死者を出すことになってしまった。
 東京都慰霊堂(旧震災記念堂)は昭和5年1930年9月に公園が開設されたときに震災記念堂として、同時に落成をみている。伊藤忠太の設計とされる。第二次大戦後、東京空襲の犠牲者の遺骨も安置することになり、東京都慰霊堂と改称して現在に至っている。
 復興記念館は、震災復興事業のおそらくは仕上げとして、東京都慰霊堂の付帯施設として翌昭和6年1931年8月に竣工をみている。2階建で、1階は震災の被害を伝える展示であり、2階には復興事業に関する展示がある。また2階の一角には、東京大空襲など戦災の被害を伝える展示もある。なお玄関から入って右手に2階に上がるエレベーターが設置されている。
 疑問を感じたのは1階でも2階でも、震災の模様についての落語のビデオが大音量で流されていることであった。演者には申し訳ないが、正直な印象はこの音は「うるさく」、落ち着いて資料を見るのに邪魔だと感じた。当時のニュース映像などを、低音量で流した方がいいのではないか。展示品は多いので、ボランティアなどを募集して、展示物の説明をするといった試みも欲しいと感じた。なお復興記念館を含め、公園の管理は東京都ではなく、公益財団法人東京都慰霊協会なる団体がおこなっている。
 横綱町公園は2万平方メートル弱で決して大きな公園ではない。そこに、復興記念館のほか東京都慰霊堂、東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑などの追悼碑、日本庭園などが、詰め込まれている。少し詰め込みすぎの印象もある。小さな日本庭園と、復興記念館脇の小さなイチョウ並木は気に入った。小さいスペースに、いろいろなものを詰め込み過ぎている印象はあるが、よく管理されていることは特筆されていい。
 アクセス:都営地下鉄大江戸線両国下車A1出口出てすぐ

東京都慰霊堂
東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑
日本庭園 小規模だが素晴らしい


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