証券マンの営業ノウハウ『商談の場にいない人の重要性』
今回は、『商談の場にいない人の重要性』についてお話させていただきます。
貴方がお客様の自宅に伺ったとします。
お客様はその家のご主人で、客間で商談を始めたとします。
お客様は熱心にこちらの話を聞いてくれるので、貴方も自然と力が入ります。
そこに奥様がお茶とお茶受けを持ってきてくれました。
奥様は投資に興味がありません。
ご主人様に全部任せているとのことで、いつも貴方が来た時はお茶を出すだけです。
同席はしません。
その日も奥様はお茶とお茶請けをテーブルに置くといつものように奥へいきました。
貴方は軽く頭を下げ、説明を続けます。
そして説明が終わり、主人からは
「前向きに考える。明日返事するよ」
と言われます。
帰る時は笑顔で見送りまでしてくれました。
貴方は手応えを感じたのでいけると思い、翌日電話します。
しかし、返事は
「今回はやめておく」
とのことでした。
しかも声のトーンも昨日とはうって変わって、迷惑そうな声です。
貴方はがっかりしますし、何故と疑問を感じます。
営業をしていると、突然顧客の態度が変わる時があります。
そしてそれには絶対に理由があります。
その中で一番多いのは、その場にいなかった誰かに何か言われた、です。
例えば今回のケースなら奥様かもしれません。
お茶を出した時に、ただ頭を下げるだけの態度にイラッとして
「なんかあの人感じ悪いわ。取引やめたら」
と言ったのかもしれません。
私の経験ですが旦那は奥様の意見をかなり聞きます。
歳を取れば取るほど今まで聞かなかった人も聞くようになります。
だから貴方がお茶を出された時に、一度主人との話を止めて、奥様に
「いつもありがとうございます、このティカップ素敵ですね。奥様の趣味なんですか?」
と言っていたらどうだっでしょうか。
商談で伺うたびに、奥様に会社の粗品を(サランラップとかちり紙とかウェットティッシュみたいな消耗品でいいのです)、お持ちしていたらそんなこと言われなかったかもしれません。
営業マンの中にはお客様しか目に入らない人もいますが、それが貴方の数字を減らしている原因の一つです。
社長や医者であればその従業員に、お年寄りなら子供や孫に好かれる努力は絶対にすべきです。
何度も言いますが、突然顧客の態度が変わるのは、ほとんどが他の誰かから何か言われた時です。
従業員なら社長や先生に会う前に、「皆でお召し上がりになってください」と、千円くらいのクッキーの詰め合わせを渡すだけで違います。
笑顔で
「いつもありがとうございます!」
そう言うだけでいいのです。
ある会社は新卒採用の時に、面接室の前に人を置いているそうです。
それは面接を受けに来た人を受付するのが表向きな理由。
裏の理由は面接を待つ態度や、出てきた時の態度をチェックするためです。
面接が終わって部屋を出ると、そこで気が抜け素が出る人が多いそうです。
受付に挨拶もせずに出て行く人も多いそうで、そういう人を落とすためにいるのです。
面接では当然皆ちゃんとしますが、受付の人だって採用する会社の人なのです。
そう言うところに気を使えると、貴方の成績は必ず伸びます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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