日本の貧困化は『単純で純粋な政策のミス』
カナダの大学の経済学の授業で、こんな授業があったそうです。
『日本の貧困者は薬物もやらない。
犯罪者の家族でもない。
移民でもない。
教育水準が低いわけでもない。
怠惰でもなくむしろ勤勉で労働時間も長い。
スキルが低いわけでもない。
日本の貧困は世界的にも例の無い、完全な「政策のミス」による貧困だ』
私も本当にその通りだと思います。
日本の現実を見てみましょう。
SMBCコンシューマーファイナンスが2019年に行った30歳~49歳の男女「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」によると、
30・40代で「貯金ゼロ」の人は23.1%、貯蓄額100万円以下は6割だそうです。
30・40代と言えば社会の中核を担う世代です。彼らがなぜこんなことになっているのか。
単純に政策が間違っているからです。
その結果、今の日本は
薬物もやらず、犯罪者の家族でもなく、ちゃんと学校に行って、まじめにスキルも人並みに長時間労働する人でも貧しくなる国になりました。
これだけでも残酷な国なのに、それに加えて日本には「あなたがしんどいのは、あなたのせい」という考え方が蔓延しています。
本当に日本は国民を幸せにしない国です。
でも日本人がこう思っているのは何故なのでしょうか。
それは昔、縁故や血筋によって社会的な立場が決まる時代があったからです。
身分制ですね。
それに対して、身分ではなく能力で評価されるべきだという考えが生まれました。
能力主義です。
そしてそれは確かに一定の正しさも持っています。
ただ、これが行き過ぎると成功者は
「自分は能力があるのだから人より裕福で当然だ」と思うようになりますし、
貧しい人に対して「能力がない人間は貧しくて当然だ」と考えるようになります。
日本はこの30年間こういう考え方で政治を行っています。
橋本龍太郎氏や森喜朗氏、小泉純一郎氏や安倍晋三氏、菅義偉氏もそうですね。
彼らは「頑張れば公正に報われる」と思っています。
だから貧しい人は頑張っていない人だと思い込んでいます。
例えば勉強に、例えばスポーツに、例えば芸術にあなたは頑張ってこなかったから貧しいのだと考えています。
こういう人達が経済政策を考えると、貧しい人はサボっているのだから、サボれないような環境に貧しい人を追い込めばいいだろうとなります。
その結果、自由貿易や国際化、雇用の流動化などがさらに行われて日本は真面目に働いても貧しくなる国になりました。少子化も進みました。
恐ろしいのは彼らはそれを正義感や愛国心、そして貧しい人のためになると信じて親切心で行うことです。
それで景気が回復しないと彼らはどう思うのか。
そこまでしたやったのにまだ貧しいなんて、あなたはなんでダメなやつなんだ。もっとサボれないようにしてやる、とより間違った政策を推し進めるわけです。
今の岸田首相も増税と国際化、雇用の流動化を進めようとしていますよね。
「がんばれば公正に報われる」
それは恵まれた人の発想です。しかし誰もが恵まれた環境で生まれ、育つわけではないのです。
この考え方が変わらない限り、日本は貧しく弱い人を守ることはありません。
だから自分は自分で守るしかないのだと思います。
そのためにもますます資産運用が大事になると思いますし、運用アドバイスが求められる時代になると思います。
証券マンの社会的使命はここにあると思います。
私もブログを通して、できる限り応援します。
この残酷な日本で、一緒に頑張っていければと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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