他社との協力

以前からいつも感じていたのだが、住宅業界というものはあまりにも他社との競合が多い。当然といえば当然だろう。お客様がマイホームづくりということに本気なのだから。本気の心と夢を叶えるに疑わない会社がお客様とのご縁を勝ち取るのだ。

しかしながら、お客様が本気であるが故に、たまに業界の垣根を越えて他社にアドバイスを頂きたいことがあるのだ。簡単に言えば、『構造はここの会社がいいんだけど、内装は嫌だ。こっちの会社にお願いしたい』という場合に、自分のまったく知らないジャンルがそこに出てきた時に、だ。

当然だが、そのジャンルは完璧にはできない。知らないのだから。では理解できるまで勉強してご提案できればいいのだが、そこには莫大な時間と労力がかかり、会社員としてはなかなか辛い。

ではどうすればお客様に喜んで頂けるのか。

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その他社と一緒にプロジェクトを組んで、お客様のために役割分担し、取り組めばいいのだ。この写真のお住まいは、インテリアの大部分を他社と一緒に取り組んだ。他社のコーディネーターを会社にお招きし、通常通りの進め方で、当たり前の打ち合わせを当たり前の時間をかけて取り組んだだけである。もちろん会社間のメリットやデメリットがあるので、その仕組みづくりを事前にしっかりやってはいるが。業界の常識を踏まえ、その垣根を超えることは決して悪いことではない。

そしてお客様の望む構造、保証、インテリア、エクステリアでお客様だけのお住まいが完成した。そして他社も私もお客様もみんな大満足の笑顔があふれた。

様々な条件を理由に、お客様の求めていることを追求できない環境にもがいてる会社員組織の建築士も多いと思う。それはそれで会社のブランドを守ることにもつながるので正しいことだと思う。その結果、お客様を幸せにもできる。ただし、お客様が幸せを感じるというのは、もしかすると20年後くらいなのかもしれない。その時にどんな立場であれ、お客様の隣にいれる建築士でありたいと願う。それは自分にとっても幸せなこと。

そんな同じ想いや志をもった建築士と一緒にこれからも仕事をしていきたい。

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