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アトピー考 その24 ー 一病息災

一病息災という言葉がある。意味するところは、何か一つ持病があれば日常の生活で無理をせず体調にも気を遣い他の病気には無縁になる、といったところだろうか。

アトピーにもこれは当てはまる。不摂生がすぐに皮膚の痒みや痛みや敏感肌の反応になる。

船の機関部の設計をしていたので様々な機器の圧力、温度などの警報値や強制停止の閾値を設定した。アトピーはまるでこの警報値が正常値と離れておらずすぐアラームが鳴る機械の様に感じる。ほんのちょっと異常を感知するとけたたましく警報が鳴る。そんな感じなのだ。

普通こうなると船員は2つの方法を考える。

まず初めに考えるのは警報の設定値を緩くすることだ。正常値と設定値の差を大きくしてアラームの頻度を減らして警報が鳴る度に対処する頻度を減らす。こうしたことで機器にかかる手間や労力を省く。ただし、これは機械そのものに負担をかけることになり最終的には機器の寿命を短くする嫌いがある。

もう一つはメンテナンスを細かく丁寧にすることだ。機器を良く整備して警報が鳴る頻度を減らす。一般にはこちらが問題に即した正攻法の対処となる。いわば、正しいあるべき対応と言える。

アトピーの場合は後者の対応しかない。痒みや痛みを制御するに薬に頼るなどの手はあるが自分の経験では長続きしない。薬の効きが使う頻度に従い悪くなる。更に副作用が恐ろしい。

結局正攻法である身体のメンテナンスを日頃からしっかりするという方法しか選択肢がないことに辿り着く。

脱砂糖の道もそうだった。筋金入りの甘党だった自分が道半ばとはいえ今相当に甘党返上を果たしている。街のスイーツ店の前を通って匂いを嗅いだだけで嫌悪感が走るまでになった。感覚が正常に戻った。今までが異常だったと気づいた。(今更?)

これは間違いなくアトピーのおかげである。砂糖摂取した後の痒みを体験する度にもう砂糖は止めようと決意する。で、日が経つとその決意はいつの間にか忘れる。再び甘いものを口にする。またまた痒みに苦しむ。ああやっぱり自分はアホだったなと気づき反省し脱砂糖を再び決意する。そんなことの繰り返し。この1年は脱砂糖の闘いだった。(まだまだ続いているが。)少しずつではあるが間違いなく甘党返上のレベルが上がっている。

自分の経験を振り返るとアトピー であるが故に身体を見つめ振り返りここまでやってこれた。典型的な一病息災だったと思う。

逆説的な表現になるが、アトピーに感謝している。

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