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アトピー考 その10 −着る服

アトピーについて考える。1つ目は身体の緊張とアトピーの関係について、2つ目は喘息とアトピーについて、3つ目は体温について、4つ目と5つ目は感情について、6つ目と7つ目に脱砂糖について、8つ目に求められる即効性とタイムラグについて9つ目では身体を振り返る、体調を知る方法について私見を書いた。

10回目の今回は着る服について考えたというより自分の過去を振り返った。

参考にして頂ければと思います。

アトピー で着れない服として最初に思い浮かぶのが丸首のセーター。頸のところが痒くてムズムズして気になって仕方がない。丸首のセーターを着ている人を見かけるとアレルギー体質ではない自由人、と無条件に判断してしまう。今では慣れてしまったが子供の頃は羨ましいというより不思議だった。何にも感じないのかなぁという不思議さ。

脱ステロイドを始めて滲出液が身体のあちこちから滲み出てきた。最初は無色透明だった。だんだん色が出てきて黄色くなってきた。色が濃くなるにつれ無臭だった液が臭ってきてついには強烈な臭さとなった。この頃肌着はもちろんすぐに汚れる。洗濯して着てもすぐに汚れる。その繰り返しで肌着の黄ばみが取れなくなるほどだった。問題は肌着の上に着るYシャツだ。肌着を通り越して滲出液がYシャツまで染みてくる。朝新しいYシャツを着ても数時間経つと滲出液が肌着に染み込みYシャツまで到達する。やがて人の目につくほどのシミとなって目立ってくる。特に腕と背中が酷かった。

滲出液でシミになるYシャツは白色だと致命的ですぐに目立つ。ところが、暗い色特に黒とかだとほとんど目立たない。

出張で客先との打ち合わせがあった際黒ではなかったがダークな紺色のYシャツを着ていったことがある。同行した上司からマナーとして白いYシャツにするもんだぞとやんわりたしなめられた。分かってはいたが仕方がない。今ではほろ苦くも懐かしい思い出であるが当時は泣きたい気持ちだったことを覚えている。

脱ステロイドの副作用がある程度落ち着くと滲出液が皮膚から滲み出るのはなくたった訳ではないがだいぶおさまった。その代わりに落ち屑が目立つ様になる。そうなると逆に暗い色の服は落ち屑が目立つ。滲出液は皮膚から外に向かって攻めてくる。一方、落ち屑は顔や頸や手や腕などから服の上に直接落ちる。それまではダークなYシャツを着てヤクザ(?)っぽい雰囲気だったのが明るい白やグレーや青のYシャツに変えた。周りから見れば性格が変わったと思われたかも知れない。

ここまで書いて順調に皮膚の状態が良くなったと印象を持たれるかも知れない。実際のところは季節や体調の影響もあり落ち屑が減って滲出液が再び増えたりまた落ち屑が優勢になったりと同じことの繰り返しだった。

家の中ではある程度気にせず自由にすることで少しでもストレスを感じない様に努めたが外出するときは色々制約を感じながらああでもないこうでもないと考えあぐねて着る服を決める。そんな感じでファッションを楽しむといった心境からはほど遠い日々が長く続いた。

服の色についてはだいたいそんなところ。

次に素材、特に肌に直接触れる肌着の素材について書いてみる。

やはり自然のもの、自然に近いものが良い。綿100%をだいたい使っている。木綿がさらに良いと聞くが手頃にどこでも買えるという訳ではない。それでもこだわった方が良いのかも知れない。しかし、やはり綿製のものを選ぶ。理由は二つある。一つは汚れ易いこと。二つ目は上の下着は頚周りから手を突っ込んで掻いてしまうので丸首であれV首であれびろっと広がってへたれ易い。なので手に入り易いものであまり長く使わずに捨てることになってもよいさほど高価でないものを選ぶ。

最近は人工のポリエステルの合成繊維でも良いものがあるようだが詳しくない。ただ綿に比べて軽くて機能性に富んだものが開発されているらしい。だが、皮膚への直接の影響を考えると総合的に綿が一番良いのではないかと経験上考えている。

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