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画面は誰のもの?(ソフトウェア分析)

ソフトウェアを開発するときに一番、ユーザとベンダが議論するのが、そして議論できるのが、この画面やそのユーザインタフェース(UI)です。もちろん、この傾向は本末転倒でよくないでしょうが、ここを起点としてユーザとベンダの共創が始まるかもしれません。しかし残念ながら画面だけで終わってしまう場合がほとんどです。これは画面とUI設計のベースにあるユーザ体験(UX)を議論せずに表面的なものになってしまうからです。UX=価値ということで共創しましょう。図引用元:IPA ソフトウェア開発分析データ集 FAQ

画面とUI設計にあるもの

ソフトウェア開発で、ユーザとベンダが一番エキサイティングして議論するのが画面です。画面設計とそのユーザインタフェース(UI)周りには、ユーザに譲れないものがあります。それが過去からのしがらみであろうが、現場からの新しく操作を覚えたくないという願望なのかはわかりませんが、ユーザ側から譲れないものがあります。
 
それが作り手のベンダ側から見て、画面やUIが面倒なことであったり、無駄なことであったり、古臭いUIであったり、あまりにも独特なUIであったりすると、議論が白熱し、伯仲します。
 
画面設計やUI設計は、今の時代は設計図を描くのではなく、プロトタイプを作り、実際の画面とUIと同じものを作り、それで議論します。だからこそ、細かいところまで、議論できていまい、趣味直しの要求が出てきます。
 
そしてますます議論は枝葉末節になってしまい、時間は湯水のごとく消費してしまいます。私たちはどこで間違ったのでしょうか。

画面は誰がどのように決めるのか

それではどうしたら良かったのでしょうか。目の前にあるプロトタイプの画面が、まるで獲物、ネギを背負った鴨のように見え、それを狙い撃ちして狩りたくなります。
 
でも待ってください。画面設計はいつでも変更できます。なんせプロトタイプを作ってきているのですから。画面を後回しにしても大丈夫です。安心してください。
 
問題は過去の画面とUIの踏襲する保守派です。現場にいる保守派の圧力ほど、きついものはありません。現場目線はいいときが多いですが、悪いときもあります。はい、あります。この対応を表面的な画面とUI設計の議論にすると、悲劇になります。
 
そこでシステムの決定権を持つステークホルダの方に、表面的な画面とUIではなく、ユーザ体験(UX)による価値の点で合意形成を図るようにします。これしかありません。
 
UXの観点は色々あります。一番手強い過去の踏襲ももちろんUXの観点ですが、トータルで見れば大きいものではありません。価値を導けるUXが大事です。時代とともに画面やUIの思想や流行が変化していきます。新しいUIに慣れた人も多くなってきます。古いUIは害悪にさえなります。

どんなユーザ体験をしたいのか

ユーザ体験(UX)がこのシステムの価値になります。どのようなUXで、どのような価値を掴めるのか、これをベースに考えます。
 
例えば、項目を自由に組み合わせることができ、新規の項目を創造できるUXは優れたものでしょう。新しい発想の手助けになります。また例えば、未来を予測できるようなUXには、目を奪われるでしょう。一緒になって伴走支援してくれるUXには感動するでしょう。
 
もちろん、上記のような優秀なUXでなくても構いません。欲しいときに欲しいものが簡単に手に入るUXであれば、みんなが満足するでしょう。そこには価値が生まれるでしょう。

UXは価値だけど

UXは価値に直結しています。画面やUIはそのほんの一部です。UXのために、その一部のために、UIがあります。議論もUXをベースにしたUIにしましょう。でもここでUIを価値創造のように大げさに考えると、また時間を湯水のように使うことになりますので注意しましょう。

ということで今日の結論。「UXは価値、画面はほんの一部」以上です。

マンガFAQの引用元:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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