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信頼幅95%,気になる(ソフトウェア分析)

マンガ:「信頼幅の線、気になる」|五味弘 (note.com)

信頼幅の中に入っているか気になる

マンガのように、散布図に信頼幅の線を描くことが多くあります。例えばX軸にソフトウェアの規模(コード行数)、Y軸に工数(人月)として、プロットした散布図に、予測値の信頼幅の線(50%の上下限の線、95%び上下限の線)を書くと、生産性(工数÷規模)の信頼幅がわかります。
そして自分のソフトウェア開発プロジェクトの規模と工数のデータを使って、まずX軸の点(規模)を見つけ、次にY軸(工数)を探します。そうすると自分のプロジェクトにおけるグラフ上の点(生産性)が見つかります。そのグラフ上の点が信頼幅の二つの線で囲まれる中に入っているかどうか・・・気になります。

信頼幅の中に入っていれば安心、外れれば地獄

自分のプロジェクトが信頼幅の2つの線で囲まれる中に入っていれば安心です。何せ信頼幅の一員になれたのですから。外れていませんから。仲間ですから。でも生産性が良すぎる場合も外れ値となるのが気になりますが。
問題は信頼幅の二つの線の中に入っていないときです。仲間外れとかそんな問題ではなく、なぜ仲間になれなかったのか、どうして外れたのか、それが問題です。特に95%の信頼幅の中に入っていないと事案になります。これは事故ではなく事件です。
生産性が高すぎて外れた場合は、不正を疑われます、たぶん。また、「運が良かったね」と一言で片づけられます。そうなんです、ほどほどに良いのが一番評価されるというのが日本です。

外れたときは弁明を

この外れ問題できっと上司から責められます。理由を聞かれます。弁明を言う必要があります。弁護士はいない状況で弁明が必要になります。
どうして外れたかは自分でも不明なので、弁明ではでっちあげを言ってしまい、何かに冤罪を被せるかもしれません。平和主義な人であれば、外れた理由を自然災害のせいにするかもしれません「大雨が続いたので、バグが急に育ってしまいました」。もちろん怒られますが。
このように信頼幅の線で、喜劇、いえ、悲劇が演じらるでしょう。

95%の信頼幅、その真意は?

信頼幅は50%と95%を使うのが慣例です。50%は日本人なら納得してくれるでしょう。半分の中に入っていれば日本人は安心です。
95%の方はどうでしょうか。なぜ90%でなく、村八分の80%ではなく、千三つ(千のうち3個)の0.3%(99.7%)ではないのでしょうか。
95%、そういえば、2σ(正規分布で標準偏差σの2倍)は、えっと確か95%だったような・・・ということで、統計的にはよく使われる数値です。
「でも 3σ (実はこれは99.7%で、え、千三つと同じです!)でよくなくない!?」という疑問もありますが、それだと、悪者が少なくすぎて、上司の仕事がなくなるからです(きっぱり)。
一方、20件のうちの1件(5%)なら上司の仕事の生贄プロジェクト(見せしめプロジェクト)があり、その組織にカツを与えることができます。結局、本当はすべてのプロジェクトが成功であったとしても、悪者プロジェクトを5%出すというのが95%信頼幅なのですから。(もちろんこの説は証明されていませんので言いふらさないでください)
しかし95%の範囲から外れたプロジェクトはきっと問題がありますので、気にしてください(95%くらいの気持ちで)。

ということで今日の結論。「信頼幅の線、気にしないと負け」以上です。

引用:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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