新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症やコロナワクチンについては、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

ブレーキの無いRNAワクチン

荒川央 (あらかわ ひろし)

ファイザー、モデルナのコロナワクチンはRNAタイプです。ワクチンに使われるスパイクタンパクは本来人体への毒性の高いものですが、実際に遺伝子やアミノ酸配列の上で毒性を下げる工夫が取られていないのか、そしてその毒性を制御するためのセーフティガードの仕組みは組み込まれていないのかを遺伝子配列から確認してみました。

どちらのワクチンもmRNAの構造をしています。スパイクタンパクの遺伝子が主役であり、遺伝子の安定化や翻訳効率上昇のための工夫は見られます。ファイザーのコロナワクチンの場合には、始点にキャップ構造があり、非翻訳領域 (ヒトαグロビン由来)、スパイクタンパク遺伝子、非翻訳領域 (AES、mtRNR1に由来)、ポリA配列と続きます。また、ウリジンが1-メチルシュードウリジンで置換されています。

キャップ構造とはmRNAをタンパクに翻訳を開始させるのに必須の化学構造です。スパイクンパク前後の非翻訳領域、ポリA配列はRNAの安定化に貢献します。何よりもウリジンの1-メチルシュードウリジンへの置換はmRNAを分解から保護します。このためmRNAワクチンはすぐには分解されず、実際にどれ程の期間細胞内に留まるのか分かりません。


ワクチンの遺伝子配列から読み取れるものを見て行きましょう。配列は以下のサイトからのものです。

「ファイザー」コロナワクチン
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000739137.pdf

「モデルナ」コロナワクチン
https://github.com/NAalytics/Assemblies-of-putative-SARS-CoV2-spike-encoding-mRNA-sequences-for-vaccines-BNT-162b2-and-mRNA-1273/blob/main/Figure1Figure2_032321.fasta

まずは、タンパクの開始コドンから最初の120ヌクレオチドを例に両者の配列を比較してみましょう。DNA解析ソフトウェアを使いましたので、ここでは1-メチルシュードウリジンは「T」と表記されています。

コロナワクチン遺伝子 alignment

対象となる配列と同一の配列は「•」ドットで表しています。遺伝子配列を比較すると、ファイザー、モデルナのRNAワクチンは武漢型コロナウイルスのスパイクタンパクとは遺伝子の配列はかなり異なっています。これはコドン最適化のためであり、翻訳効率を上昇させ、より多くのスパイクタンパク生産につながります。

次にタンパクのアミノ酸配列を比べてみましょう。20種類のアミノ酸のそれぞれを一文字のアルファベットで表記しています。RNAの配列は遺伝暗号表 (コドン表) に従ってアミノ酸配列に翻訳されます。遺伝暗号 (コドン) については以前の記事内でも触れました。

コロナワクチンaa alignment

これを見ると、遺伝子配列とは対照的にタンパクの配列上はほとんど差異が見られません。2つのプロリン置換 (K986PおよびV987P) が見られるだけですが、これはスパイクタンパクを変形前の構造に固定させ、中和抗体を産生しやすくするためのものです。しかし他のアミノ酸配列はコロナウイルスのスパイクタンパクと同一です。そしてアミノ酸配列からはスパイクタンパクの毒性を取り除くための工夫の跡は見られません。これは驚くべき事なのですが、確かに「毒性の高いタンパクの遺伝子から毒性を取り除かず、ほぼそのままの状態のものを体内に投入している」という事です。この点においてはファイザーもモデルナも同様です。

ウリジンが1-メチルシュードウリジンへと化学修飾を受けている以外は、遺伝子ワクチンのデザイン自体はシンプルなものです。そして更なる問題は「セーフティガードに当たる構造が見当たらない」という事です。タンパクの生産は自動で開始しますが、その生産を止めるためのスイッチが見当たりません。また、ゲノムに挿入された場合にゲノムから切り出すための工夫も見当たりません。

確率がどれくらいなのかはっきりとは分かりませんが、RNAが逆転写されてゲノムに挿入される事はあり得ます。しかしながら、ゲノムから切り出すための組換えシグナルに当たるものが見当たらないのです。細胞生物学の手法には「ゲノムに挿入した遺伝子を切り出す技術」があり、その時に使われる遺伝子組換え配列もよく知られています。例えばloxP配列などです。タンパクの生産を止めるのは簡単ではありませんが、タンパクを分解するためのシグナルは知られています。誘導可能なデグロンなどです。ただ、それらは基礎研究の技術なので、そのまま人体に即応用可能といった簡単なものでもありません。ではそのような技術をどうやって遺伝子ワクチンに応用するか?それは外野が指摘するような事ではなく、それこそがワクチン開発者の仕事になるでしょう。基礎研究を臨床に応用するには時間もかかりますし、たくさんのトライ&エラーが必要となります。けれどもそんな事は人命の前では言い訳にもならないでしょう。現段階では制御する方法も無いのに、毒素を大量生産する装置を健康な人の体内に導入すべきではないのです。

mRNAワクチンがどれだけの期間分解されずに体内に留まるか。それははっきりとは分かっていませんし、個人差があると考えられます。長期間mRNAワクチンが働き大量のスパイクタンパクを生産し続ける可能性が指摘されています。では後から体内でその生産をストップさせるにはどうしたら良いか。その方法はおそらく現時点では存在しません。

mRNAワクチンが逆転写されゲノムに取り込まれた場合、取り込まれるのはスパイクタンパクの一部かもしれませんし、全体かもしれません。他のタンパクと融合して癌化を促進する可能性もあります。一生体内でスパイクタンパクを作り続ける事すらあり得ます。では一度ゲノムに取り込まれてしまった後にゲノムから切り出すにはどうしたら良いか。その方法もおそらく現時点では存在しません。

スパイクタンパクは毒性の高いタンパクであり、例えば血管内皮細胞を障害することで血栓の原因となる事が知られています。毒性の高い遺伝子をワクチンに使う場合には、まずは毒性を取り除く事が必要になります。そうでなければたくさんの健康な人間に接種するワクチンなどに用いてはならないのです。それでもあくまでワクチンに用いるというのなら、まずはその毒性と予測される副反応について十分なインフォームドコンセントが必須になります。その上で、毒性に対処するための解毒剤の開発、毒性タンパクの生産を止めるスイッチ、ゲノムに挿入された場合の切り出し方法。全てをセットでデザインする必要があります。

そうした安全管理を放棄し、緊急使用を大義名分に見切り発車で大規模治験に踏み切っているわけです。ブレーキの無い自動車のようなものです。良いエンジンを開発した。それを載せる良い車体も開発した。けれどもブレーキの開発は間に合わなかった。その危険性は決して無視できるレベルとは思えません。

もう一つ懸念事項があります。ゲノムに組み込まれた場合に予期しないタンパクが作られたりしないか、という事です。RNAからはタンパクへの翻訳は一方向に起こります。しかしRNAワクチンが逆転写されてゲノムに取り込まれた場合、相補鎖 (二本鎖DNAの反対側) から逆方向に転写され、そこからもタンパクへの翻訳が起こる可能性があります。

そこで私は、まずは武漢型コロナウイルスのスパイクタンパクの遺伝子の相補鎖をDNA解析ソフトウェアを使ってタンパクに翻訳してみました。

武漢型相補鎖aa


mRNA中の塩基3個の組み合わせがコドン (遺伝暗号) であり、それぞれがアミノ酸1個に対応します。翻訳は開始コドン (M; メチオニン) に始まり、終止コドンで停止します。丸で囲んでいるのが終止コドンに対応する翻訳停止シグナルです。

RNAを構成するヌクレオチドは4種類なので、コドンの組み合わせは4 x 4 x 4 = 64通りです。このうち、アミノ酸をコードしない終止コドンは3つです。RNAの並びがランダムな場合、終止コドンは3/64、つまり約20アミノ酸に一回の割合で出てきます。逆向きに翻訳するとオリジナルのスパイクタンパクでは頻繁に翻訳停止シグナルが出てきます。機能的なタンパクを作れそうには見えません。


次にモデルナのRNAワクチンの相補鎖をタンパクに翻訳しました。

モデルナ相補鎖aa

武漢型コロナウイルスのスパイクタンパクに比べてモデルナのRNAワクチンでは終始コドンがやや少ない。それでも終止コドンは多数あり、やはり大きなタンパクを作れそうには見えません。


最後にファイザーのRNAワクチンの相補鎖をタンパクに翻訳しました。

ファイザー相補鎖aa ORF


ファイザーのRNAワクチンでは終始コドンが少なく、82番目のアミノ酸以降は終末端付近まで皆無です。開始コドンのメチオニンから終末端付近の翻訳停止シグナルまで1295アミノ酸のオープンリーディングフレーム (読み枠;タンパクに翻訳可能な遺伝子配列) が取れます。終始コドンは通常1/20の割合でできますので、偶然ではこのように長いタンパクの読み枠は取れません。これは本当に偶然の産物なのでしょうか。

ではこのタンパクは何なのでしょうか?遺伝子データベースとのデータ照合では既知のタンパクと有意な相同性は見られませんでした。今の所機能は不明です。無害かもしれませんし有害かもしれません。

完全長のRNAワクチンがゲノムに取り込まれる人の割合が実際にどれくらいになるのか。それは現時点では分かりません。その中にはこの未知のタンパクを生産している人も出てくるかもしれません。これも壮大な人体実験になります。

----------------------------------------------------------------------------
追記 (2021年10月18日)
モデルナのRNAワクチンの相補鎖の翻訳を別の条件でも試してみました。RNAをタンパクに翻訳する際には3文字ずつを一つのアミノ酸に翻訳するのですが、読み取り枠をずらすと全く違うアミノ酸に翻訳される事になるからです。別の読み枠ではモデルナのRNAワクチンでもやはり極端に終始コドンが少なくなります。

モデルナ相補鎖aa (-3枠)

終始コドンはスパイクタンパク遺伝子の中央付近に多い事、開始コドンのM (メチオニン) が存在しない事から、ファイザーのRNAワクチンとは異なり、そのままではタンパクに翻訳されません。ただし別の遺伝子の近傍に組み込まれた場合、融合タンパクが作られ癌化などの予測できない副反応につながる恐れがあります。つまりモデルナのRNAワクチンがファイザーより安全だと記事内で言いたいのではない、という事です。



#コロナワクチン

#ワクチン

#コロナ




*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
荒川央 (あらかわ ひろし)
1991年 京都大学理学部卒業 1996年 京都大学理学博士 (分子生物学、免疫学) バーゼル免疫学研究所 (バーゼル)、ハインリッヒ・ペッテ研究所 (ハンブルク)、ヘルムホルツ研究所 (ミュンヘン)、マックスプランク研究所 (ミュンヘン) を経て分子腫瘍学研究所 (ミラノ)所属