いつか一緒に船に乗ろう!
いつから友だち? どうしたら友だち? 友だちって、そもそも何だろう?
そんなことに悩んでないで、自分から心を開いて、何でもしゃべって、一緒にいるようにしたらいいじゃないの。
そうなんだよな。自分から声を掛けなきゃいけないんだよ。それが少しめんどくさいかもしれない。でも、相手に声を掛けてもらおうって思ったら、とことんナマケモノになってしまう。
そうなんだよ。ナマケモノであることは罪なんだよ。もっと働き者にならなくちゃいけない。
でも、怖いんだよ、今の世の中。結局、人は他人と心を許し合うなんて無理なんじゃないの。みんなに不信感が起きてしまうし、許し合えないし、見返りを求めてしまうし、関係にワガママになってしまったりするでしょ?
確かにね。人はすぐに慣れてしまって、ワガママになって、相手がそれに嫌気がさすということもあるね。そして、もっと一緒にいて楽しい人のところに行ってしまうこともある。人は、趣味も違うし、考え方も違うし、折り合えない生き物でもあるね。極端な場合は、今まで友だちだった人を仲間外れにしてしまうことだってあるね。それは怖いね。そこまでしなくてもいいのに、と思うけど、今までこいつと一緒にいたけど、あれはムダだったとか怒ってしまって、攻撃に出る場合もある。それも人間の悪いとこだよな。
ほらね。怖いでしょ? 友だちなんかいらない、なんて極端になってしまうのもわかるでしょ。人が怖い、というのはあると思うんだ。
でもね、そうかもしれないけど、やはり、ボクたちは、友だちを求めていると思うんだ。友だちではないとか、友だちだとか、そんなのどうでもいいから、とにかく仲間が必要だし、声を掛け合う人がそばにいてくれなくては、ボクたちはグシャグシャになってしまう。人がいることでボクたちはシャキンとなることができるんだ。人がいないとダラッとなるし、どうでもいいやってなってしまう。人は人によって人になると思うんだ。
それはそうかもしれない。一人で船を出すのは大変だもんね。誰かと協力して船を操って、目的地へ向かう。少しでも早く、少しでも誰かのためになるように、助け合って海に向かう。それはロマンだよね。
ロマンか……。ロマンなんだよな。夢でもあるし、あまりにボクたちは無力なんだよ。何も知らないし、何もできない。なのにわかったふりをして、何でもできるみたいな気分でいる。謙虚に生きていけたらいいよね。船を出していく。大きな海は、人間なんかよりも大きいし、怖いよね。それを考えたら、そばにいる人とおしゃべりして、何となくそばにいてもらえたらいいや、くらいの気持ちになるでしょ。軽い気持ちで、みんなとやれたらいいな。