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MIKADO

うちのCDの中で一番古いものは、どれだかわからないけど、たぶん、このフレンチ・テクノポップのMIKADOなんだろう。

CDを鳴らせる機械がなくても、とにかくラジオか何かで聴いたMIKADOさんの音楽は、とりあえずCDで買うだろう、なんて決めて、奮発して三千円くらいで買った。たぶん、80年代の前半のころ。

このCDは1984年くらいに出ているはずだから、わりとすぐに買ったと思う。ずっと気に入ってたけど、あまりCDを鳴らすという習慣もなくて、そのまま格納庫に入れられて、長い眠りの期間があって、何十年ぶりにもどってきた。そして、クルマのハードディスクに入れたから、いつでも聞けるようになった。すごいことだ。

フランス語なんてよくわからないのに、この音楽は聴けるみたいだ。というのは、79年だったか、80年だったか、YMOが二枚のオリジナルアルバムを出して、とうとう世界ツアーまでしてしまい、その時のライブアルバムの「Public Pressure」というのが出て、弟がそれをLPで買い、私はカセットテープに録音して、それはそれは擦り切れるくらいに聴いたものでしたが、あのYMOの洗礼を受けて、テカテカのテクノの若者になったんだと思う。

それがふと落ち着いた1984年、少し大人になったテクノ、しかもフランス語、テンポもよくて、テンポがいいからすぐに忘れて、オッチャンになってしまって、突然の自分だけリバイバルになってるみたいだ。

かわいらしさがはじけてるんだぞ! そんなに甘くはないんだぞ! フランス語なんて意味は分かんないし、ほとんど聞き取れないんだぞ! それでも聞くのかよ?

ああ、オラ、聞くんだ。どういうわけか、何だか気になるし、とてもクールなんだ。わめいてないんだ。淡々としてるんだ。でも。何だかお洒落なんだ。よくわからないけど、40年経過しても聞いているんだ。もう、クラシックの領域だ。でも、何だか新鮮なんだぞ!