見出し画像

不動産投資で騙される人は、「問う」チカラが足りない!

サラリーマンのための投資戦略(24)】
このマガジンでは、サラリーマンが「信用資産=お金を借りる信用力」を活用して「年収の10倍以上の資産」を作るための方法を解説しています。

マガジンに記事をまとめています。➡【サラリーマンのための投資戦略】

今回は、サラリーマン投資家が不動産を購入するときの価格について考えてみたいと思います。。

1、不動産市場には、「提示価格で購入したら儲からない物件」ばかりが溢れている。

不動産取引サイトの「楽待」を見ていてつくづく想うのは、提示価格で購入したら、全く儲かりそうにない物件ばかりだという事です。

あたり前のことですが、売り手は自分が儲かる水準でしか提示しませんから、期待収益に対して売値が高くなるのは理解できますが、現状はあまりに乖離し過ぎていると思います。

特に、地方の築古RCマンションや耐用年数前後の木造アパートの乖離がひどくて、まったく計算に合わないものばかりです。

どうしてこんな状態なのか考えてきましたが、行き着いた結論は、現状は、収益性が低い物件を抱えている投資家が非常に多く、それらの投資家が損失を出さなくて済む価格水準で、所有不動産を売りに出しているのだろうということです。

本来なら需要と供給で、買い手にも利益が出るような水準に販売価格が誘導されるはずですが、そもそも、収益性が悪い物件(期待家賃に比べて、物件の取得価格が高すぎる物件)ばかりなので、売り出し価格を下げられないのでしょう。

それにもかかわらず、どうやら多くのサラリーマン投資家が、自分で収益計算ができないために、自分以外の取引関係者の口車に乗せられて、高値で物件をはめ込まれている状況が続いているようです。

2、不動産業界の常識は、常に売り手のためにある。

不動産取引は、売り手も仲介業者も、売買価格が高いほど儲かる仕組みです。

買い手以外には、物件価格を、買い手にも利益が出る水準に下げるインセンティブがありません。

ですので、売り手と仲介業者が相談して、提示する価格は買い手の立場から見れば条件が悪すぎてあたり前なのでしょう。

買い手側の仲介業者ですら、値引き交渉を相手側とするよりも、買い手に提示価格がいかに妥当かを示すほうが、早期成約につながり、さらに手数料も高くなるのですから、取り引き価格が高止まりしているのも無理はありません。

サラリーマン投資家が無防備で市場に売買に参加すると、まさに「カモネギ」なのでしょう。無知な素人が自分の給与を担保に、物件評価以上の銀行融資をぶら下げてやってくるのですから。

3、本当に儲かるのかを「問う」力がたりない人は、不動産投資をしてはいけない。

サラリーマン大家さんブームで、いくらで購入したら儲けが出せるのかを自分で計算出来ない買い手が増えてしまい、その結果、取り引き価格の高騰を招いているのだろうと思います。

つい最近まで、そうした買い手が儲からない案件にも、多額の銀行融資がついてしまったことも、取引価格の高騰につながっていると思います。

この取引価格の高騰は、今後、不況の波が押し寄せて、売り手が大きな損失を出さない限り、是正されないでしょう。

連続する不動産取引のなかで、すでに過去の所有者が高く売却して大きく儲けてしまった物件は、その後の所有者の誰かが「ババ抜きのババ」を引いて、損失を被る事になります。

自分がババを引かないためには、この価格で買って本当に儲かるのかを「問う」力が求められています。

4、不動産事業で成功したひとは、物件を高く売り抜けた人です。

不動産事業は、収益物件の建設から取り壊しまでの期間で、所有者が稼げる利益がおおよそ決まっている投資です。

「中古で不動産物件を売り買いする」ということは、その「連続した不動産事業での利益の取り合い」なのです。

そして、不動産事業で成功した人は、自身の所有期間での収益の取り合いに競り勝った人ということです。

売り手は、出来るだけ自分の取り分を大きくすために、所有期間中の支出を押さえてメンテナンスコストを最小限にし、売値は最高値まで引き上げます。

そんな提示価格で購入してしまったら、物件を購入した時点で「収益の取り負け」がほぼ確定してしまいます。購入時の駆け引きで負けてしまったら、ラストチャンスで、次に自分が売却する時に取り勝つしかありません。

サラリーマン投資家に求められるのは、自分以外の関係者が「売り出し価格が適正だと声高に説得しようとする中」でも「この値段で本当に儲かるのか?」と自分自身に対して冷静に「問う」力です。

不動産価格が高止まりしている現状では「問う」力がないとババを引きかねないリスクで溢れています。

自分の儲けがいくらになるのかは、自分自身でしっかり計算しましょう!

ここまで読んで頂いて、ありがとうございます。

山海弘