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キャプテンへのメンタル支援の必要性について思うこと

選手を引退した今、自分自身がメインでやっていることについて。

そのひとつに、キャプテンをやっている次世代アスリート仲間の助けになりたいという思いから始まった活動がある。

それが、彼らに対するメンタル面の支援だ。

スポーツチームにおいて、キャプテン及び監督・ヘッドコーチ(HC)はチームの意思決定者となるので、重要なステークホルダーになる。キャプテン及び監督・HCが成長することで、その言動がチームに影響を与える。その観点から考えると、キャプテン及び監督・HCがどういったリーダーシップを発揮していくのかはスポーツチームがより良い結果を収めることやチームとしての成熟度を高めるためには重要なポイントのひとつになると言えるであろう。

キャプテンや監督・HC と対話をすると、リーダーシップを発揮してチームを良い方向に導きたいという想いは一様に持っている。しかしながら、監督・HCがキャプテンに対してリーダーシップを説くとき、自身の体験の範疇に収まってしまったりして、どう接していけば良いのか悩んでいる場合がある。そしてキャプテン自身も自分のリーダーシップの発揮の仕方に迷いが生じており、自信をもって取り組んでいるキャプテンは稀有ではないかと想像される。

近年、日本においてもスポーツ心理学の専門家がスポーツチームに入り、サポートをするケースも少しずつであるが増えてきている。

2015年のラグビーワールドカップにおいては、スポーツ心理学博士の荒木香織氏が変革型リーダーシップの理論を基に日本代表チームをサポートをした。

2019年のラグビーワールドカップでは、NZのメンタルコーチがサポートした。

2021年東京オリンピック・パラリンピックでは、女子ソフトボールや男子車いすバスケットボールがメンタルの専門家のサポートを受けており、ようやく日本においてもメンタル面のサポートの重要性が言われるようになっている。

しかし、まだまだ競技そのもののスキル向上のトレーニングが主流で、メンタルやリーダーシップをどう発揮していくのかということに対して体系立てて戦略的にトレーニングされているケースは少ない。
よって、キャプテンや監督・HCがより良いリーダーシップを発揮できる環境作りはまだまだ醸成されていないと言えるであろう。

自分自身も中高大社会人とキャプテンを務めたが、体系立ててトレーニングされた経験は一度もなく、日々悩む毎日であった。客観的な指標を元に自分自身を成長させることができればより良いキャプテンになれたのではないか、より良いキャプテンになることでチームメイトにももっと良い影響をもたらせたら良かったと考えている。

そんな自分の経験も踏まえ、リーダーシップにおける指標を作ったり、メンタル面の支援ができるようなシステム設計をしていきたいなと思っている。

このシステムができたら、このスポーツの取り組みを実社会で、プレイングマネージャーや係長、課長などの中間管理職の方々が取り入れたときに良い化学反応が起きるのではないか。そんなことを楽しみにしながら、日々研究したり、企業研修などで講演させていただいている。

ひとりでも多くの人が自分がやっていることに意欲的に取り組めて、その輪が少しでも大きくなったり、より良い方向に向かえば、人生が豊かになり、皆ご機嫌に過ごせるようになるのではないだろうか。

今後もこの分野は細々でも良いので、学びながらコンテンツを作ったり、皆が学べるプラットフォームを形成していきたいなと思っている。

来年になれば、また新たな動きを見せられると思うので、みなさんには楽しみにお待ちいただきたい。

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