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同じ釜の飯を食べる!合宿! さわやかNo,7

1. チーム初合宿

新チーム初めての大会まで残すところ1週間。

チームが始動し,初めての大会までの準備期間は少ないものの,ここまでのチーム作りは順調にきているように思います。

私が所属するチームでは,大きな大会の一週間前にグラウンドで合宿をするというのが定番になっています。

「先生!今回ももちろん合宿しますよね?」と選手も楽しみにしている様子。

合宿をするということは,食事の準備等保護者に負担がかかりますが「全然問題ないよ!」と,どの親もありがたいことに協力体制。

大会当日のイレギュラーな時間に対応する良い練習にもなるかと思い,やりましょうか!と実施することにしました。

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2. チームのビジョンを明確に持ってもらうために

せっかく行う合宿。

ただ,一緒に食べて,寝て,起きて,次の日に練習をするだけの合宿にするのはもったいないなと思い,

子どもたちの頭の中を動かして,チームが前進するための“きっかけづくり”をしたいなと思考をめぐらせました。

そこでミーテイングを行って,全員でチームのこの先を考える時間を設けることにしました。

テーマはどんなチームを目指したいか?

・どんなチームになりたい?

・整理整頓がきっちりできているチームとできていないチームの写真を見比べさせて,どっちのチームになりたい?

・そうなるために自分はどんなことをすれば良いだろうか?

・このチームでのあなたの役割は?

・明日からの練習であなたには何ができる?

というような質問を,自作したプリントと動画に沿いながら全員で考えました。

初めは子どもだけでやっていたミーティングだったのですが,だんだん保護者も「何やってんの?」と興味をもち,こちらに寄ってきてくれて,結局は大人も含めて一緒に考えることになりました。

夜ご飯を食べた後で,眠たくなる時間にも関わらず,子供達は約45分間しっかりと考えてくれました。

“明日,何かが変われば良いな〜”と思いながらおやすみなさい。

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3. 想いを伝えればしっかりと伝わる

合宿2日目。

昨日の就寝前に,明日は来週の大会の時間管理の練習も兼ねて,メニューを考えているから,時計を自分たちでみて,今何をすべきなのかをみんなで考えるようにして動いてねと伝えました。

壁に貼った紙には,

『6時50分に整列・グラウンドに挨拶。

アップを済ませて,7時30分から朝食。

そして,大会の1試合目が始まる時間と同じ8時15分からシートノックを始めるから,それに間に合うように,声かけをして準備をしてください。

ちなみに8時15分まで私たち(指導者)は何も言いません。何も手助けしません。自分たちで協力して動いてね。』とだけ書きました。

もちろん起床も自分たちで。

普段家ではお母さんに起こしてもらっている子が多いらしく,

「先生!うちの子一人で起きるとかできひんで?」

「早く顔洗いなさい!って言ってもそこからいつもものすごい時間かかるのに」

と,お母さんたちはそんな無茶できるはずない!と驚いてました。

でも,『いや!きっと大丈夫です!試してみましょう !』と伝え,朝の整列を待ちました。

6時45分,一人の選手がグラウンドに現れました。

すると続々と後続もグラウンドに姿を現し,6時50分には全員が整列完了。

“ほんまにできんのか?”と楽しみ半分,疑い半分で見守っていたお母さんたちも,時間ピッタリに整列したこちらの方を見ながら小さく拍手。

後から「いや〜先生ほんまにできたねー!良い発見ができた。これから家でも起こさんようにしよ!」と嬉しそうにしていました。

その後の練習は,昨日のミーティングで良いイメージを持つことができたのか,自分たちで声を掛け合い,時には集合をかけ選手間ミーティングを開いたりと,これまでとは違う姿を見せてくれました。

また,「礼をするときは3秒数えよな!」「もっと深く!」と声が飛んだりと,自分たちでチームを作るという意識が深まっているなと感じることができました。

まとめ

結果から見て,今回の合宿は大成功です。

なぜなら,私を含めた指導者側に新たな発見があったのはもちろん,選手自身・保護者にも気づきをもたらせたことは,とても大きな意味があったなと感じます。

また,夜のミーティングの際にイメージを持たせるために作った動画を見せたことも良い効果があったように思います。

日本では,スポーツニュースや高校野球の特集番組が頻繁に放送されるので,普段の生活の中で“野球”を目にする機会が多く,子どもにとって手本となるプレー等のイメージは比較的持ちやすいです。

しかし,ここはブラジル。サッカーの試合はテレビで常に放送されていますが,野球はほぼゼロ。

ブラジルの野球選手が,野球関連の映像を生活の中でみることはほとんどありません。

今はYouTubeでいくらでも見られるようになりましたが,子どもは野球関連の動画よりも,ゲームやアニメの動画の方が興味がある様子。笑

ということは,よっぽどの意識がないと生活の中で野球に触れることはほとんどないということです。

そんな環境の中でイメージを持つことはさらに難しいです。

そこに,今回の動画を通して,ちょこちょこっと刺激を与えられたことは良かったなと思っています。

手間はかかりますが,その分活きた価値として返ってくるのならやった甲斐はありますね。

やはり“何事もやってみる,きっかけだけ与えて,あとは手放してやらせてみることが大事”だということを,今回の合宿を通して学ぶことができました。

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