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「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(20)

前回から、奇抜なフレームデザイン、パイプアレンジについての廣瀬さんの考察、取組みをご紹介しています。今回は「ダイヤモンド形の構造を崩す」デザインについての1回目。主にスタッガードについて記しています。


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設計にまつわること 6 「奇抜(きばつ)なフレームデザインについて(2)」


4 ダイヤモンド形(型)では無いフレームデザイン


ダイヤモンドフレームとヘッドチューブ

「前三角」と「後ろ三角」の二つの頂点同士が接した「ダイヤモンド形フレーム」は、少ないパイプ数で剛性が高い、安定した構造をしている、と言われます。

しかし、「前三角」は厳密には四角形です。ここが四角形であることで生まれるシルエットが、「ダイヤモンド形」という名称の由来なのだとすると、「前三角」という呼び名はヘッドチューブ(下の左図で赤い線の部分)の存在を無視していることに他ならず、なんだかヘッドチューブが可哀想な感じがします。それに、もしも「前三角」が本当に三角形だったら「後ろ三角」と合体したフレーム全体は「四角形フレーム」ですよね。

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廣瀬さん、ヘッドチューブは「乗り味」に影響する大事な部分と仰っていました。ヘッドチューブの長さと、ヘッドチューブから地面までの長さとの比率が、自転車の剛性設計に影響していると言うのです。
そして、上の図、右のような「四角形フレーム」は、剛性設計的にはあまりよろしく無い、と…。

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