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【書評?】滅びの前のシャングリラ

滅びの前のシャングリラ 凪良ゆう著 中央公論新社

はじめに

これはあくまで書評?であり、書評の体を成していないかもしれません。個人の読書感想文として読んでいただければ幸いです。

あらすじ

「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」
学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――
荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。
(帯より)

感想

本を読めない時期に一度手に取って、数ページ読んで寝かせていた一冊。凪良ゆうさんの作品は初読でどんな作家さんかワクワクしながら読んでいた。結果から言うと、他の作品も読みたいと思えるくらいに好きな作品だった。

一ヶ月後小惑星が地球に衝突する――そんな世界を生きる四人の視点で描いた連作短編集なのかな。読みやすく、景色が浮かぶ、ページを捲る手が止まらなくなる一冊で、読み進めていくうちに段々と、本当に一ヶ月後の15時に小惑星が地球に衝突して、人類が滅亡するんじゃないかと思うくらいに没入した。

印象的だったのは、人を殺したヤクザ信士の章。親に暴力を受けてきた結果、自分自身も暴力を振るう側に行ってしまった信士。賭博場で店長をしていた彼を可愛がってくれた五島から人を殺せと命令を受け、彼は大物ヤクザを殺してしまう。しかし世界は終焉に向かっており、大物ヤクザを殺したことは意味をなさなくなってしまい、五島とも連絡が途絶えてしまう。そんな彼が、終焉を迎える世界の中で見つけた光はとても素晴らしかった。

荒廃した世界をこんなにもリアルに身近に感じさせてくれたこの作品は凄いと思うと同時に、あまりにも没入しすぎて恐怖すら感じた。映像の描写も心情描写も細かい読み応えのある作品だったように思う。

終わりに

今回は凪良ゆうさんの滅びの前のシャングリラの書評?を書いてみました。しばらく書評?は本屋大賞ノミネート作品が多めになるかなと思います。いやあ、滅びの前のシャングリラとても面白かったです。陳腐かもしれないけれど、それ以外の言葉が思い浮かばないのです。

この本を読み終えて、余韻に浸っていたら音楽プレイヤーのプレイリストからYOASOBIのアンコールが流れてきて、さらにエモーショナルな感じになりました。全く関係はないはずなのに、とても心動かされたんですよね。読んだ後に聴いてみると今までより好きな曲になりました。

それでは今回は、ここまで。読んでくださってありがとうございました!






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